あらすじ
グータラなくせにクビがない税金泥棒!――激しいバッシングを受けて、意気消沈する公務員たち。官から民に転職した著者が、「お気楽天国」の虚像と実像を徹底レポート。
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Posted by ブクログ
本書は巷で吹き荒れる公務員バッシングの風潮に対し、「北風と太陽」の寓話を引き合いにだして「北風的な批判は公務員を依怙地にさせるだけ、太陽のように建設的な提案を」と呼びかける。
そして批判の集中する手厚い待遇や天下り、怠慢な勤務実態について検証し、批判の当否だけではなく、なぜ多くの公務員が批判を招くような行動をとるのかについても踏み込んだ分析を示している。
「お役所」の中にいるものからすればそれなりに説得力のある論旨ではあるのだが、「元公務員」という著者の肩書きから、ともすれば言い訳がましく聞こえる部分もあり、肝心の訴えなければならない相手である「公務員では無い一般読者」の心にどれだけ響くかは微妙なところだ。(いや、そもそも本書を手に取るのは公務員周辺の読者だけなのかもしれないが。)
公務員をバッシングしている人たちを突き動かしているのは、おそらく理屈だけではない。何か公務員は国民を一致団結させるための「永遠の敵」であり続けなければならない宿命にある、という気がしてきた今日この頃である。