あらすじ
恋愛――それは人類の長い歴史を通じて、私たちの人生にとって常に重要なものであり続けた。人類最大のメディアだった絵画表現のウラを読む、新しい角度からの西洋美術史。
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Posted by ブクログ
よく見る神話のエピソードが復習できたり、時代時代の風俗・文化が解説されていて楽しみながら読めた。著者にもナゼだか好感が持てた。090331
Posted by ブクログ
いやあ、面白かったです。絵画と西洋文化史とを絶妙につなぐ本作。しかもテーマは恋愛。
読後、絵画の豊潤さに思いを致しました。
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で、陳腐に思ったこと。
「絵画って、歴史を綴るなあ」と。
洞窟で暮らす人々の生活を写すところに始まり、キリスト教の宗教画として機能したり。ルネサンス期にはキリスト教以前のギリシア文化を描いたり、より世俗化したタッチでの聖人画や聖書の題材を描くなどしたり。パトロンの肖像画を描いたり。更には絵画(とそのパトロン)がより一般化したことによりブリューゲルらが農村の風俗を残すようになったり。
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そう、何か知らんけど、妙に感心してしまったのです。
「絵画、深いじゃないか」と。
単なる美醜で見る。これもまた良いでしょう。でも、それだけに留まらないのです!
その作品の中に新たな技術を見出したり、あるいは全体の構図から寓意を見出したり、描きこまれるアイテムから聖人を特定したり。つまり、描きこまれたアイテム一つ一つを繙くと、そこには多くの意味が込められているわけです。ぞくぞくしませんか?
時に人はそれを「うんちく」と言って揶揄します。が、一定数の中高年のおじさんにはこれは蜜の味です。そして実際、端々に潜む意味・意義を教える本作、私には面白く感じました。
で、本作はそういうことを丁寧に教えてくれる作品であった、ということです!
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ということで池上氏の西洋美術史の本でした。
絵の話ではありますが、習俗・風俗の話、作家の話、西洋史(文化史、宗教史、政治史)、ギリシア神話、新約聖書・旧約聖書など、色々な話が分かっていて初めて十全に楽しめる世界だと感じました。
池上氏の解説により、やっとこその一端を垣間見ただけですが、知の蓄積・集積、まさに歴史を感じた一作です。
中高年の歴史好きには激しくお勧めできる作品かと思います。