あらすじ
一番大事なのは「何を描かないか」――世界で評価が高まり続ける日本画家である著者初めての書下ろし。美術のみならず芸術を志すすべての人のための芸術原論。
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Posted by ブクログ
読んだ当時は、美大受験をひかえていたこともあって、この本にかかれていることがとても胸に響きました。
これは美大受験だけでなく、これからの人生でも、絵をかく1人として、何度も読んでいきたいです。その度に色んなことに気づけそう。
また、絵だけじゃなく、他のことでも通じる本だと思います!私にとって人生の教科書のひとつです☺️
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千住さんのこだわりと芸術についての考え方がわかる本。すごくいい本だが、日本画だけをひいきのひきたおし的に褒めているのが鼻につく。日本の洋画とてかなりのものだと思うのだが。逆に千住さんのような極めた方でも、考え方には癖と偏りがあるものなのだなあと興味深く読んだ。あと千住さんがかなり自分大好きなところが垣間見えてなんだかびっくりした。勝手に千住さんには欲なんてない仙人のような芸術家だと言う思い込みがあったせいか。何はともあれ、何かをつくる人には読んでもらいたい一冊。
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画家としての生き様が綴られた本ですが、物事万般に通じるものがあると感じました。下手な成功本よりも、ずっと奥深い。私は美術をプロデュースする立場のものですが、創作される方は、もっと感動を新たにされるのではないでしょうか?
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余白は宇宙だ。まとめようと思うと凡庸になる。芸術とは答えの返ってこない永遠に向かう問いかけ。世阿弥の「目前心後」演じている自分を離れて見るもう一人の自分が表現者にとっては絶対に必要である。伝えたい心を持っているか?個性は今以上なくてもいい、切り口の独創性が必要。普通にしていても個性は十分に出ているもの。見る人それぞれが自分のイメージをそこに映し出せるものになること、見る人の心の鏡になって様々な思いや想像、記憶を引き出すツールになっていく。必要なのは、一個の人間として絶対の正直と自分を信じる力。
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千住さんの言葉は、作品を作る側にはとても力になります。
美術家って、難しい言葉を使いがちなのに、とてもわかりやすく書かれているのにも千住さんの人柄がにじんでいるように感じました。
まるで講義を受けているようで、とても身になることばかり。
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どんなジャンルであれ絵を描いている人、絵に関して悩みを持っている人、これから絵を学びたい人全てに是非読んでいただきたい本です。これを読むともやもやとした気持ちがなくなり素直に絵を好きで、好きなものを描き続けていいんだという安堵感が生まれました。私の求めていた答えが(全部ではないけれど)ここにありました。
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2つのリンゴを描くとき、我々が描いているのは、2つのリンゴの間の関係性、空気であり空間。この描いていないものを描く感覚こそが、絵画のキモであるというふうに解く。これが絵画の基本であると。
鎧を着ている人が多いが、アーティストで派手な突飛な格好をしている人はほぼ二流。相対的な価値観で測っている人、と言える。だからこそ、個性を大事に、そして個性的だと自分で言うのは、ある意味自己中だったりする人なだけで、個性的ではなかったりする。彼のウォーターフォールを生み出した瞬間は、本当に上から滝のように流れてくる、その様が本当に描きたくて、喜怒哀楽全てをそこにぶちまけているような、そしてまだ動いている、滝が流れているかのような感覚を得る。これがアートだと。
2流して入った芸大、この間に悩んだこと、アートの不公平さ、でもアイデアと天啓とも言えるウォーターフォールは日本画から着ている。直島で見たウォーターフォール、ニューヨークで見たもの、シンガポールで見たもの、それら全てからも感じる何かがある。一つのプリンシプルが、描けても、描けなくても、とにかくアトリエに向かうと言うこと。必ず7時にはアトリエに行く。仕事も一緒だ。逃げてしまいたくなることがたくさんある。報告しにくいこともある。そこから逃げずに、知恵を絞って向かい続けることが大事だ。
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日本画家千住博さんの、絵を描くことに対しての情熱が伝わってくる一冊。
トップの画家になるためにはオリジナルが求められるが、美術史の中で「マネ」を超えて「自分のもの」にできる人は1%で、世界の美術史で教科書に載ってくるような人だけである。
そんな厳しい世界で千住さんは、誰よりも絵を必要とし、夢中になって描き続けた。
「夢中で」「続ける」ということは、どの業種でも大事な素質であると感じた。
伝えたいものを一枚の絵で伝えるためには、自分の作品ととことん向き合い、必要ないものをそぎ落としていく作業が必要である。
また、描く対象を自ら五感で感じ取り、経験したものでないとよい絵は描けない。自分がもっているものを最大限に表現したものが絵だと思うと、絵の奥深さを感じた。
目次
何を描かないか
何を伝えるか
何を描くか
何で描くか
何に描くか
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意外と知らなかった制作上のコツのようなことも書いてあり、参考になるので絵を描く人は読むといい。
ヘンライの「アートスピリット」でも繰り返し強調されていたが、「伝えたいことをはっきりさせる」「情熱を持ち続ける」のは画家にとって最重要事項であるようだ。
しかしながら、参考図版を観ると、著者好みの絵と自分の好みがかなりずれている。
まあ、そんなものでしょうが。
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滝をモチーフにした日本画で有名な千住兄弟、長兄・博の著。
油彩超入門で処女作制作中の身としてとても良いタイミングでこの本に出合えました。
何を描かないか、何を伝えるか。絵以外のことにも通じることがあって手元に置いとくべき一冊。自分自身をも徹底的に観察することが肝要。
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絵を描くのに一番大事なのは夢中になるという事かな。イマジネーション、自然ってキーワードはどんな仕事にもあてはまる。あと「最もすぐれたデザインは最も普通なもの」 って引用フレーズが印象に残った。
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誠実で読んできてやる気が出てくる本だ。誠実な制作の態度について、あたりまえのようでハッとさせられることが書いてある。
もちろん「この考えはいただけないな・・」と思う箇所もあるけど、それも含めて良い本だと思う。
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タイトルからは想像できませんが、自分と世界の関係を考えさせてくれる、示唆に富んだ書です。
人が、「ただ、生きている」というシンプルな出来事について、いろんな気付きがあります。
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この人の絵画論は情熱的で、読んでいると「よし頑張ろう! 描くぞ描くぞ俺は描くぞ!」という気分になる。ってわたしゃ絵は描かない人ですがね。でもそういう前向きガッツな気分になる……のも、もしかして絵を描かない人間だからなのだろうか。そのへんは、まあ個々人で。
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正しく生徒に向けた先生の教科書。しかし、手広過ぎて内容が散漫している。絵描きが物書きを模した残念な一冊。と、までは言わないけども...
絵画はもちろん、素晴らしい。
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絵を描くことを目指す人たちに向けて書いた教科書的な本、という印象。岡本太郎の本を読んだ後でこの本を読んだために、ちょっと鼻についた点もいくつかあったが、対極にある芸術家として見ると非常に面白い。絵を描くということの本質について語る章はなかなかよかった。