あらすじ
「ファーストキス覚えてない事件」がきっかけで、戸野田とケンカしてしまった謡。そして弟の修平にも迫られて、18歳の幕開けは大波乱！そして謡は、修平の出生の「真実」を知ることになって―――。修平の抱える行き場のない恋心と、その叶わない恋に共鳴するすみれ。二人の関係も、新たな展開に…？大好評のピュアラブストーリー、待望の第５巻！
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完結作品5巻
久しぶりに読んでレビューします。ホントに絵も綺麗で読み易いしストーリーも面白いし、とのさんはカッコ良く、ヨウちゃんは頑張り屋さんで言うことなしだけど、単価が高いなぁと思いながら購入してたのを思い出しました…
Posted by ブクログ
謡にキスをしようとして、思いとどまる修平。
頭突きで誤魔化して冗談にして部屋にこもって、
しゃがみ込んでいる姿が辛い。
すみれと話している時に、彼女の片思いに重ねて
「バカみたいだ。諦めが悪いとか他人に言える 立場じゃない
もういやだ。こんな気持ち捨てたい」
と泣き出すところも切ないシーン。
すみれに辛くあたっているようで、自分に言い聞かせてきたのだろう。
失恋ライフからどっちが先に抜け出せるか、とすみれが言ったときに
「抜け出せる日なんか来るんですかね」
と思わず言ってしまう修平。
すみれちゃんが涙ぐみながら笑顔で
「来るよ、大丈夫!!」というのもまた切ないところで。
風邪で朦朧とした状態で謡ちゃんにキスをして
覚えていないとのさん。覚えていないことが謡ちゃんに知られた時の流れを聞いた田辺さんが
「休憩時間が終わっても諦めずに追いつづけてりゃ 彼氏としては正解
社会人としては最低だけども」
と言って、とのさんが「大人つらいな」となっているのが笑える。
「居合わせた 直哉もつらいわ」という冷静な突っ込みも面白い。確かにそのとおりだ。笑
修平が実の弟ではないかもしれないと気がついた謡。
混乱する彼女に、
「誰だって大事なものの事を 考えるときは
重くも真剣にも なるよ」と言ってくれるとのさんが恰好良い。
「頑張ってって言って欲しい」という謡に対して
「あいつがおまえにとって弟でもおれにとっては 男なんだよ
忘れんなよ おれのだって」
と言うとのさん、彼氏として最高の回答だし
その後でおまえが大変なときにこんなことを言う奴で悪いけどと言いつつもちゃんと
「がんばれハリネズミ」と言ってくれて優しい。
謡を避けているのに、謡が転びそうになったら
助けようと手が出るし、無事だと安心する修平。
ぷいっとしつつも「怪我しなかったならいいよ」
というところも相変わらず優しい。
謡がお母さんに、叔母さんに子供がいたかと訊いて、
すぐに察して「い『る』けど」と答えるお母さんが
肝も据わっていて好きだ。
”お経ロック”を唱えている謡ちゃんに、
「そうか、おまえは本当にいつも努力の人だな」ととのさんが言うのが面白い。
修平が補導されかけた時すみれがとのさんを呼んだ時の
「おじさんおれのことよく知ってるんですか？」
「知らねーよ、1ミリたりとも知らねーよ」
自宅に遅くなると連絡を入れたのかととのさんに訊かれて
「しました、友達のうちにいるって」
「またテキトーなウソつきやがって」
「ねーちゃんの彼氏って言えばよかったです？」
「友達でいいです。」
「おじさんを友達認定するハメになるなんて遺憾です」
「遺憾なのはおれのほうだ」
など、全体的にこういう会話がテンポもセンスも良くて好きだ。
修平に対して、自分が立ち上がるのを何も言わず待ってくれていたから
自分も姉として待ちたい、でもその前にお礼くらいは言いたい、
という謡ちゃんが相変わらずとても真っ直ぐ。
あれもこれも大変でも、「だって全部大事だもん。女の子は欲張りなんです」
と笑顔なのがとても可愛い。
すみれちゃんも、「泣いてなくてよかった」と修平のことを心配してくれていて
それを聞いて思う所がある感じの修平の表情が良い。
察して自分の家に修平を連れて行くとのさん。
とのさんと言い合いになる中で、修平が吐露する本音。
「一番近くにいるのに男としては一番遠い位置にいるなんて
こんな気持抱えたまま一緒になんて暮らせるわけないだろ。限界なんだよ、もう」
は切ない。
気づかないふりして無視してればいいのになんで掘り出すのか、と思う修平の気持ちもわかるし、
とのさんが「そんなもんおまえのことが好きだからだろ」と言えるのが良いなと思う。
恋のライバルではあっても、嘘や誤魔化しはしない。
お風呂に入ると席を外して、泣かせてやるところも大人だ。
修平も、とのさんに殴られる覚悟をして言っていたのだな。
ふっきれたのか、告白することを決めて、とのさんにそれを報告する修平。
「あなたが手放せないならおれが自分で獲りに行きます。
告白成功しちゃったらすいませーん」
の久々の悪い顔が良かった。
