【感想・ネタバレ】歴史の中の『新約聖書』のレビュー

あらすじ

『新約聖書』は、キリスト教の流れの中で最も重要視されてきた書物である。しかし、この中に収められた文書を読むと、相互に対立するようなことが書かれている。この事態を理解するには、新約聖書がどのようにまとめられたのか、それぞれの文書はどのような立場から書かれたのかを考える必要がある。また、新約聖書の核にあるイエスの意義と、そのイエスが前提としていたユダヤ教の流れについて知っておくことも必要だ。歴史的状況を丁寧におさえながら読む、「新約聖書入門」。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

基本的に聖書とは、キリスト教における様々な立場の集約、である、からこそ統一的に理解することは一足飛びには難しい、という感じか。
4つの文書によって様々な立場があるが、成立時期とその背景に着目することが重要ということがわかった。

①聖書があって、キリスト教ができているのではない。イエス以来のキリスト教の流れがいろいろとあって、その展開の中で、新約聖書が成立して、重要な書物になり、大きな権威をもつようになった

②聖書のキリスト教独自の部分である「新約聖書」は、すべてがギリシア語で書かれていて、これは事実上、ローマ帝国側の高い文化の領域が重視された形のものになっている

この2点が重要と筆者は述べている。
これを踏まえて、「キリスト教では、ローマ帝国の大きな支配の構造、一般化して言うならば、西洋文化的な大きな支配の社会構造、を採用しようとする流れが生じて、その流れが大きな成功をおさめた。その流れの中で、重要な機能を果たすものとして、新約聖書が成立して、安定したものになった」としている。

やっぱりローマ帝国という政治的な背景は、キリスト教の成立に大きな影響を与えており、「聖書」という権威の象徴が重要視されていたことがわかる

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2013年12月30日

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