あらすじ
なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
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消えていく人の事を自分1人だけ記憶し続けているのは辛いだろうなと思います。
周りが消えた人の事を認識していなくて、親しい人が居なくなって哀しむ事すら出来ない。忘れていないからこそ哀しいけれど、それを共有出来る相手も居ない。主人公のそんな感情が伝わってくる様でした。
恭子さんや奈月が消えて、哀しむのを我慢せず表に出す様になってるのが良かったのかは分からないですが、忘れられない苦痛が少しでも薄れれば良いと思います。
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寂しさで心がいっぱいになる。人の心の深い、核心の部分に触れてくるような。グッと押されたような感覚。誰しも感じたことのあるであろう苦しい思いを呼び起こされる。今生きて隣にいる人を大切にすべきだとか、感謝するべきだとか、きっと色々あるのだろうけど、今は何も考えたくない。
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世界設定だったり、風景描写だったりは流石の杉井さんと言ったところで詩的かつ読みやすい。しかし若干、話の終わらせ方に無理があった気もする。3冊くらいの長さで読みたい作品だった。
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人間と、その存在の証明が、消えてしまう世界と、写真を撮ることで、その証明を記憶に残すことができる少年。中学卒業を間近にして、少年が製作に関わった卒業アルバムが完成するが、その後、奇妙なことが起きる。ただ消えて行くだけの世界で、突然少女が現れる。さも昔から当然存在したかのように。
杉井光が演出した、どこまでも切ない物語が、文庫化。ハードカバーで読んだことはありましたが、つい手に取ってしまいました。装丁はハードカバーの方が好きですが、こちらも中々いい感じです。
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不思議な読後感。儚く悲しい世界の中で、ただゆっくりと時間が過ぎて行く感じ。何かが変わる訳でなく、解決する訳でもない。でも何故か最後まで読み進めてしまったが、つまらないと感じる人もいると思う。「神様のカルテ」の読後感と似てたかも。
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本屋で見かけたときに、まず表紙に惹かれ、そのあとあらすじに惹かれて買いました。
原因はわからないが、人が死ぬと皆の記憶から消え、その人がいたという証拠になりうるものも消え、死ななくてもある日突然人が消え忘れ去られてしまう、という状況に世界がなっている話です。そんな中で、主人公は例外的に消えた人の記憶を忘れません。そしてある日、今まではいなかったはずの水島奈月という少女がクラスにいることに気づきます。二人でラジオを聞いたりしているうちに、主人公は奈月の正体にすこしずつ近づいていきます。
終始儚く切ない雰囲気で緩やかに話が進んでいきます。終わりの方はもうちょっと盛り上がったほうが良かったとも思いましたが、その雰囲気に結構惹きつけられました。
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世界から何の前触れもなしに人間や記憶などの痕跡が消滅しても、思ったより普通に生活できている。
周囲の記憶にはないのに自分だけ消失した人々の記憶を保持し続けるのは結構つらいと思う。
「サクラダリセット」の主人公の少年や、「密やかな結晶」の世界みたい。
途中までは良かったのに、奈月が話に関わってきたあたりから頭の中が?という状態になった。
結局、奈月はどうなったの?
消えたのなら何で莉子が奈月を覚えているの?
消えていないのなら話の前提が変わるし。
記憶の消去にはタイムラグがあるのだろうか?
DJサトシのラジオが結構いい味出していた。
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突如人が消え、その人の存在はすべて消えてしまう。
そんな世界で、自分だけが消えた人を憶えている。
消えてしまっても、何事もなかったかのように
話もつじつまも合っていく。
誰も不審に思わない世界で、自分だけが
消えた人を憶えていられたら…。
何だかこう、叫びたいのに叫べない状態?
そこに一人増えた存在は一体なんなのか。
拒絶されているようで、拒絶されない自分。
不思議な女の子、という存在です。
結局最後には…なのですが、そんな存在よりも
周囲にいた人が消えていく様が、やるせないです。
すべてから消えてしまった方が苦しくないのか
忘れてしまったから苦しいのか。
記憶も思い出も何もないけれど
それでも感情はあるわけで。
もう一度失った時、どうすればいいのでしょうか?
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雰囲気としては期待通り。が、物語の中身についてはというと、少し平べったいというか、理屈や理由を求めると納得出来ない感があるので、そういうところをもう少し詰められていたら…と思う。
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ラノベ
表紙買い
深く読込みはせず雰囲気で楽しむ作品かな
描写や表現は簡単かつ明解。万人受けしそう
村上春樹作品のラノベverとも感じることが出来る描写でした
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■ゆるやかに終わっていく世界での、切ない恋を描く感動の物語。
なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。 そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
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杉井光さんのメディアワークス文庫2冊目。
たまたま書店で見かけたのですが、文庫版の表紙が友風子さんだったので即買い。
この透明水彩が大好きなんです。
内容としては……ちょっとわかりにくいところもありました。この雰囲気が好きなので、苦にはなりませんでしたが……。
わたしの勉強不足なのですね。精進します。
不思議な世界観。
ただゆっくりと進んでゆく物語。
ライトノベルのように熱いバトル展開なんて、もちろんなし。
しんみりと心に溶け込んでくる描写。
主人公の心の内。
物語として大きく盛り上がるところはありませんでした。
ゆっくり坂を登るように、少しづつ見えてくる真実。
ヒロインの奈月がごくたまに、主人公に対してデレるのが可愛いです。
杉井さんの作品は残酷な現実や環境の中に、小さく希望をもって終わらせていて……。
本当にどうにもならない『バッドエンド』でないのが、大好きです。
読後には、少し寂しくなります。
Posted by ブクログ
世界の終わり。
人間の消滅。
誰もが忘れてしまうはずの、消えてしまった人のことを、ただ一人僕だけは覚えている。
けど、ある日急にクラスメイトが増えている?
この少女は、いったい?
私の好きなイラストレーターさんが描いた表紙。
あらすじに惹かれて購入。
前半くらいは★4評価だったけど、最後の方★2くらいになってきて、
平均で評価★3にしました。
最初はぐいぐい話しにひき込まれた。先生。カメラ屋さん。デジタルじゃないカメラでとる写真。暗室。自分でする現像。二人で聞くラジオ。良かった。
けど、読み終わってみて、なんだかよくわかんないこともいっぱいあった。想像でカバーしろということでしょうか…もう一回読んだら分かるのかな?
作者は、『神様のメモ帳』『さよならピアノソナタ』『楽聖少女』を書いた方。
神様のメモ帳しか私は知らないけど、さよならピアノソナタと、世界観?設定?とかとても似ているらしいです。