【感想・ネタバレ】海上護衛戦のレビュー

あらすじ

海軍で海上護衛総司令部参謀をつとめ、シーレーン(海上交通線)確保の最前線に立っていた著者がその戦略を綴った護衛戦の貴重な体験記。現代日本の防衛を考える上でも欠くことのできない記録である。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

徴用船舶の護衛を担当した海上護衛総司令部の参謀であった大井大佐による、シーレーン防衛の重要性を説く本です。

潜水艦・航空機の本格活用に伴い、物資を搭載した船舶を敵の通商破壊からエスコートすることは戦争を継続していくためには不可欠ですが、日本海軍は運用思想の相違からそれを重要視していませんでした。

詰めの甘さからくる楽観視や後手後手の対応、海上護衛の観点から見る連合艦隊の柔軟性の低さによって、貴重な人命と資源が簡単に海に沈んでいきます。

連合艦隊がいかに戦い、そして散ったかを書く本は多いですが、敗戦の直接の原因の一つである補給について個人名を出しながら痛烈に批判する本著は、海自がシーレーン防衛を最重視している理由を理解できます。また、華々しい連合艦隊の裏で、彼らを支えるために沈んでいった多くの船員たちの戦いを知るきっかけになるでしょう。

0
2014年08月21日

「ノンフィクション」ランキング