【感想・ネタバレ】女の勲章(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「白石教授に式子を奪われまいとする自分の嫉妬と未練でもあったのだ。」
この1文が泣ける。
式子も銀四郎も、どっちも。
異性に対する関係を、きちんと愛情として考えたことがなかった。それが不幸だった。

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻の後半から面白くなってきて、私にしては一気に読んだ。
ラストは仕返しして終わるかと思いきやで全体通しても面白かった。
登場人物が誰も好きになれなかった。
特に式子が白石教授のどこに惹かれたのか謎でした。

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2018年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんな終わり方。。
デザイン業界という華やかな世界で生きる一方、男に翻弄されていく式子。パリの描写は素晴らしかったけど、それだけエンディングの落胆が激しい。

松嶋菜々子でドラマ化らしいけど、銀四郎は誰がやるんだろ。

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2017年02月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 つらい。この救いのなさ、後味の悪さ。

 船場の嬢はん出身の主人公大庭式子は、洋裁学校を立ち上げ、デザイナーとして脚光を浴びていく。式子を中心に、打算と野心にまみれた敏腕マネージャー銀四郎、優秀で抜け目ない3人の助手、そして式子の精神的支えになっていく白石教授によって複雑に人間関係が絡まっていく。
 式子が銀四郎のお膳立ての上、意のままに操られていけばいくほどに式子の不安定さが増し、読者は目を離せなくなる。自分=商品である芸能の世界の人たちなどにとって、自分のコントロールできない渦ができていく様子は他人事とは思えないのでは。
 倫子、かつ美の富と名声を求める野心、虚栄心も浅ましく、唯一銀四郎と対等に取引し、ランベールの型紙を盗み銀四郎を出し抜こうとする富枝のしたたかさが小気味いい。
 白石教授が銀四郎に対して怒りを込めて放った言葉とその答えが印象的。
「君は、一流の大学で教育を受け、仏文を勉強した人間なのか。」
「知能テストがよかったから一流の国立大学へ入れただけのことで、教育と人格が遮断されているのが日本の教育やおまへんか。」
 この会話に二人の対照的な考え方が凝縮されており、銀四郎のほうが現実をよく分かっていると思わざるを得ない。同時にこれは「白い巨塔」での財前教授と里見助教授を彷彿とさせ、豊子自身、白石教授のような理想論者よりも銀四郎というキャラクターを愛しているのだろうと感じた。

 著者の作品の中で主人公が最後に死を選んでしまう結末といえば、「華麗なる一族」があるが、この作品との違いは
・主人公が理性的か、感情的か
・志を持っているか否か
・死後遺された人々に悔恨など残せたか否か
 どうしても万俵鉄平の死ほど無念に思えなかった。
 哀れだとは思うけど、銀四郎の仕掛けた経理のレトリックなんて自身で管理・把握していれば見破れたはずで、打つ手はいくらでもあったであろう。本来の志を忘れ名声欲と金銭欲にまみれたのは自分自身であり、挙句愛に生きる!なんて頭の中お花畑かよ、と思ってしまう。ただただ式子は経営者に向いていなかった。それだけ。

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2017年04月20日

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