あらすじ
『ビッグクエスチョンズ』は、人類の歴史を通して、探究心旺盛な人々を悩ませてきた科学や哲学の大疑問に対し、一流の専門家が回答するシリーズです。「親しみやすく簡潔に」という編集方針により、その分野を概観しつつ、最新の知見を身につけることができます。
子供の口から飛び出してくるようなちょっとした疑問が、物理学では『ビッグクエスチョン』になりえます。
物理学には、探究すべきことがたくさんあるのです。時計を見ては時間の性質について思いを巡らせ、太陽の光を感じては遥かかなたで起きている核融合を想像する。さらに一歩踏み込んで、「光とはなにか?」と問いかければ、自然界の最も深遠な謎に首を突っ込むことにもなります。ひょっとすると、物理学最大の秘密は、「宇宙は『ビッグクエスチョン』にあふれ、すべてを理解できる人など誰もいない」ということなのかもしれません。
本書を通して、何の変哲もない素朴な疑問が、偉大な発見へとつながっていく様子を体感することができます。
本書では、時間とはなにか、重力とはなにか、光とはなにかといった基本概念を問うものから、量子論とはなにか、ひも理論とはなにかといった俯瞰的なもの、さらには、地球が近いうちに滅びてしまうのか、この世がシミュレーションではないか、現実とはなにかといった実際的なものまで、実に様々な問いが登場します。
そして、1章で一つずつ、最新の知見を総動員して、現代の物理学がたどり着いた回答をコンパクトに提示していきます。
本書を読み終えたとき、物理学の全体像が把握できると同時に、物理学の枠を超えた哲学的な領域に対する新たな思考が身につくはずです。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
時間とは?重力とは?光とは?そして物理学とはなにか?誰もが一度は考えたことのある大疑問とその答え。
「BOOKデータベース」より
物理はロマンだー
Posted by ブクログ
十九世紀までの花形学問は天文学や科学であった。しかし二十世紀のスターは間違いなく物理学だ。相対性理論や量子学など神の領域に触れるアイデアが無数に生まれた。
我々の実感や常識と相容れない理論上の概説を、時に哲学的に、物理学は投げかけてくる。特に量子論の時間や空間を超越した同時性や無限のパラレルワールドの可能性の提示は、あまりに壮大過ぎて途方に暮れるほど圧倒される考え方である。
本シリーズは極力平淡に書かれているものの、決して万人に完全に理解を保証するものではない(例えば本書ならひも理論など)。しかし物理学がこんなにも知的興奮に溢れ魅力的な学問なのだと感じさせるには十二分な本である。