あらすじ
こんな感じは、恋の始まりに似ている。しかし、きっと、実際は違う……引っ越し当日、破天荒な友人に誘われて、髪を切ることになった27歳の会社員のオレ。カツラをかぶる桂さんが店長をする美容室で、オレは同い年の長身の美容師エリと出会う。はたしてオレとエリの関係は、どこに向かうのか?恋と友情の微妙な放物線を描く話題作!
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Posted by ブクログ
エリ、やばい人じゃん…
そりゃ、店長任せられないよ…
カツラさんがみんなを引っ掻き回す話だと思って読み始めたら全然違った
めっちゃまともな人だった
Posted by ブクログ
「段ボールの断面に出来ている穴の、ひとつひとつに寂しさが詰まっているのが見える。夜中に、細長い虫のような寂しさが、その穴からニョロリと出てきそうだ。」
「オレは他人によってなんとか自分の形を保てている。他人と会わないでいたら、オレはゲル状になるだろう。」
「男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。走り出した友情は止まらない。」
Posted by ブクログ
悪くないな〜くらいのあわあわとした雰囲気のまま始まって終わりました。
ヒリヒリするところもあるけれど、「分からない」という距離感がある感じがいい。主人公とエリだけじゃなく、登場人物全員こう。
分かり合えなくても付き合っていけるし、付き合っていって良いんだなぁと思いました。
独特な喋り方だな…と思っていたら、解説で長嶋有さんが「直訳でしゃべる」とお書きになっていて、それだ!!と膝を打ちました。
150頁強というページ数だけれど、彼らを長期間眺めてきた感覚はたしかに残っています。
どこにでもありそうで、でも実際にこんな関係が作れるかというとかなり難しいと思う、皆さん良い関係でした。
「こう答えておけばいいだろ」みたいな気持ちが書かれていたのにもグッときてしまった…だいたい正解の答えとはいえ、実際はめんどくさいんだろうな、みたいなのは見抜かれてます。。