【感想・ネタバレ】ふたりのアキラのレビュー

あらすじ

伝説のアルピニスト、松濤明と奥山章を慕い、愛した女性の物語。

冬の北鎌尾根で凄絶な最期を遂げ、井上靖の小説『氷壁』の主人公、魚津恭太のモデルとされた松濤明。
第二次RCCを創設し、戦後日本のアルピニズムを牽引した奥山章。
芳田美枝子は、風雪の北鎌尾根に消えた松涛明を上高地で待ち続けた女性として
『氷壁』のヒロイン、かおるのモデルとなり、のちに奥山章と結婚して、
戦後日本のアルピニズムの発展を見つめ続けた。

身近な存在であったからこそ知り得た松涛明、奥山章のふたりのアキラの
知られざる登山史の断片を、ノンフィクション・ライター平塚晶人が
往復書簡で描いた話題作の文庫化。

ヤマケイ文庫の『新編 風雪のビヴァーク』(松濤明)、『ザイルを結ぶとき』(奥山章)、
そして井上靖の小説『氷壁』を深く読み解くための副読本としても楽しめる興味深い内容です。

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Posted by ブクログ

松濤明と奥山章という二たりのアルピニストと縁を持つ山田美枝子との往復書簡の形で二たりのアルピニストを描くのは秀逸だった。

北鎌尾根とか北岳バットレス中央稜の登攀に関わった世代の本を読んできたが、あらためて日本社会がそこにもあったことを感じた。社会人山岳会もまた制約の多い世間そのものであった。

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2014年03月31日

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