【感想・ネタバレ】チェンライ・エクスプレスのレビュー

あらすじ

人造人間の少年は、事故で失った人間の心を取り戻したかった……。 出来損ないの魔女は、恋の魔法を覚えて少年の心を奪いたかった……。 これは、チェンライ王国に蠢く欠点だらけな人外による欲望物語。 死神はカマを奪いかえしたかった。狼男は金と宝石を手にしたかった。 人魚は黒歴史を隠し通したかった。吸血鬼はある女の血が欲しかった。 化け兎は愛する男を殺したかった。アンデッドはずっと死にたかった。 謎の男は皆の願いを叶えたかった。 ── 誰かの願いが叶う満月の夜、切ない感動のドミノが傾き始める。 人ならぬ者が織りなす新機軸の極東ファンタジー、必読!

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Posted by ブクログ

第18回電撃大賞の最終選考作。大賞のエスケヱプ・スピヰドをはじめレベルが高いと言われた第18回電撃大賞ですが、これもめちゃめちゃ良かったです。

・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。

中身はあらすじ通り。

それぞれの人物に焦点を当てて語られるいわゆる群像劇形式なんですが、いやもうこのスピード感のある展開が素晴らしい。場面の切り替えが、非常に巧く出来ている。群像劇ゆえにキャラは結構な数がいますが、その全員をきちんと使い切ったあたりはお見事だと思う。

「死神のカマ」「神の目」などなど、作中にいくつか出てくるキーアイテムが、いい具合に物語の中心にあって、バラバラになりがちな群像劇を綺麗にまとめています。

満月の一夜という短い時間、複数の人物を同時進行で動かし、ひたすら濃く厚く練り上げていく、群像劇ならではの面白さがギュッと詰まった1冊でした。

そしてこの作品の何が凄いって、これだけバラバラな願いをもったキャラ達が、全員幸せな結末を迎えること。誰一人不幸にならず、かといってご都合主義な「めでたしめでたし」を押し付けたわけでもない。ドミノ倒しのごとく、願いが願いを叶え、感動が感動を呼ぶ、まさにハッピーエンドの連鎖反応。

読んでいて爽快、とはこういうことですね。

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2012年05月27日

Posted by ブクログ

独特の世界観から紡がれる偶像劇。
登場人物がたくさん、しかも揃って個性的。小さな王国『チェンライ王国』を舞台に様々な思惑が交差する物語。
世界観は結構好きな方。賑やかでちょっとばかり治安の悪そうな光景が目に浮かぶ。登場人物それぞれに背景があり、個性があり、それが偶像劇のいい味を出している。
その果てに全員が納得できる結末がある。面白い作品でした。
このようにたくさんの登場人物を取り扱うには個性も必要だし、こうしたギラギラでピカピカでどこか現実にありそうな世界観を描写できるのも凄い。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

言葉のギミックや遊びがふんだんに用いられた一冊でした。
それぞれがそれぞれの動きを見せ、それらが一気に収束していく快感。
荒削りなところも見受けられましたが、中々のボリュームもあり、愉しく読めた作品です。良作。お薦めです。

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2012年08月25日

Posted by ブクログ

心のない人造人間
魔法の使えない魔女
カマをなくした死神
太陽の平気な吸血鬼

などなど、それぞれ何かが足りない人外たちが
その欠けたものを求めてドタバタ騒ぎを繰り広げる
そんな話

それぞれの思惑が絡み合い
交差して
通り過ぎて行く
特急列車にでも乗っているような疾走感が楽しめた

人外が前提の話だからか
実は人外だった!というのがサラリと明かされて
それなら最初から人外って書けばいいのになって思わなくもなく
カラーページとか見たらわかるけども、一応人物紹介では伏せられているし

なにやら続くようなので
続刊を待つ

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2012年06月21日

Posted by ブクログ

3.5

チェンライ王国という架空の世界に暮らす様々な足りない者たちの群像劇。

心のない人造人間や魔法の使えない魔女、吸血鬼、狼男、人魚、死神、アンデッドなど多彩なキャラクターが登場しバタバタと活躍するのはまさにエクスプレス。

ただやはりキャラクター数が多い分、感情移入がしにくく話が展開しても置いてきぼりをくらいそうになる。

それでも疾走感はあるしラストもまとまってる。続刊もでるらしいしこれからに期待。

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2012年07月11日

Posted by ブクログ

ドタバタ群像劇。チェンライという国の設定は非常によくできているが、ストーリー展開が少し甘い気がする。ただ、今後に期待の作者。

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2012年06月19日

Posted by ブクログ

まんだらけ 315円

とある感想を読んで気になった。
中古で見かけたら買おう。

---感想---
一巻完結型でテンポもよく、
各キャラクターごとの設定とアイテムと生き様が
いい感じで交錯していく所と、最後にきっちり謎部分を解消する
展開のもっていきかたも上手で、楽しく読めた。

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2012年06月11日

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