あらすじ
メールの返信が遅いだけで「嫌われているのでは」と不安になる。友達が誉められただけで「自分が低く評価されたのでは」と不愉快になる。人はこのように目の前の現実に勝手に「妄想」をつけくわえ、自分で自分を苦しめるもの。この妄想こそが、仏道の説く「煩悩」です。煩悩に苛まれるとき役に立つのは、立ち止まって自分の内面を丁寧に見つめること。辛さから逃れようとして何か「する」のでなく、ただ内省により心を静める「しない」生活を、ブッダの言葉をひもときながらお稽古しましょう。
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Posted by ブクログ
自分自身イライラしやすいタイプであり、そのイライラの原因は周りにあると考えてしまうことも多々あった。「あいつがちゃんとしていれば」「これは自分のせいではない」となんでも自分を正当化しがちであった。しかし、これらの考えは全て煩悩によるものであると考えると、だんだん自分自身が恥ずかしくなってきた。言われてみれば確かに今までの八つ当たり的な考え方は、赤ん坊や幼児の我が儘と大差ないと気付いてしまった。何かイライラした時に読み直したい本である。
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面白かったと思う。
自分に当てはまる部分もたくさんあり、苦しむことが多いからこそそれに対処する方法を考えるのではなく苦しまない方法を考える。
また自分の心に余裕がなくなったら読みたいと思う。
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人はやたらと認めてもらいたいもの。
それをこじらせてしまうと
だんだんもっともっととなってしまうということ。
この本中に出てくる108の煩悩は
本当にありがちなこと。
もちろん人間的に不完全である私も
まあ究極にやってはいけない言動を
昨日しでかしていますからね。
ああ、恥の多き人生なものです。
だけれども大事なことは
それをぐっと抑えて、自分の弱さを
認めることなんですよね。
でも弱い、なんて認めるなんて
ぐぬぬってなっちゃうでしょ?
この本で一番大事なのは
某SNSでみられる正義を振りかざした行為。
これって完璧にマウンティングなのかなと
冷めた目で見ていますがね。
結局めぐっても何にも残らないし、
相手もスルーでしょうから
私は参加しませんけどね。
人の醜さが目に付きますし。
ぐっさり一突きがとっても多いですぞ。
よい振り返りになった
サラリーマンで管理職をしていると、相手の煩悩をすべては許せない状況はあると思う。そういう場合は、どうするのが、ベターなのかはご意見を伺いたいところである。
しかし、そういう状況を除けば、内省して反省するには良いきっかけになった。
最後の著者紹介を見て、著者が若くて驚いた。
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久し振りの小池さん本。トホホー調が健在。
ヒントをピックアップ
「どちらが得か」を迷うのは心にとっての損 →確かに!
ネットに満ちる「つながりたい」は、「わかってほしい」煩悩→確かに!
人から良い扱いを受けた時こそ諸行無常を念じて執着を手放しておく。
「ありえない」という否定語は傲慢で不寛容 すべては「ありえる」と開き直れば心は強くなる。→なるほど
謝る時は余計な言い訳を付け加えない。手放す。
心を保つには、体を保つ。その基本は腹七分目。
困った時こそ、ただただ内省する。
(ストレングススァインダーの一つ)
Posted by ブクログ
●人は、目の前の現実に勝手に解釈して、自分で自分を苦しめるもの。つながりすぎない、イライラしない、言い訳しない、せかさない、比べないの5つの「しない」を実践することで、苦しみから解放されようという内容。
Posted by ブクログ
煩悩、、自分の感情に対しての向き合い方を学べる1冊。
感情に対して内省
腹が立つ、、はて?なぜであろう。
あちらさんのミスに対して、腹が立っているのか。
よくよく考えると、ミスをしてはいけないのか?
自分もミスをすることがあるのに、人のミスは許せないのだろうか。。
というふうに、分析していく。深めていく。
感情的になっていても、物事を俯瞰でみることができれば少し落ち着くことができる。
悩みを人に話したり、ノートに書き出すことで気分が変化するように。
感情は物事をきちんと把握できていないことから、さらに不安や恐怖をつのらせてしまう。
自分がどういう状況で、なぜこの感情となったのかを改めて考えてみよう。
じつは私も交通マナーがなっていない輩が、絡んできたことがある。無性に腹が立ったが身内もいたため、その場では頭を下げた。しかし眠れないほど、イライラしつづけた経験がある。
だが何も失ってはいないこと、自分のプライドが傷つき腹が立っていたことを内省し少し落ち着くことができた。
Posted by ブクログ
プライドの煩悩。後輩から懐かれるとか、女性から素敵と思われるとか、丁重に扱われるとか。自分で自分の価値を認めていることができれば、プライドの煩悩に悩まされることはなくなってくるのではないか。
どの選択肢がより得か考えてしまう。ちっぽけな得を求めてケチな欲望に心乱れるその間に精神や時間を消耗してしまう。ちょっとくらい損してもと思える寛容さが必要。
自分の心でさえ状況が変われば大きくぶれる。他人の心のブレにも寛容でありたいもの。
自分のことをわかってほしいという煩悩。SNSでの投稿も自分の価値を周りに判ってほしがっている。匿名掲示板での批判の書き込みも、うまく批判できる自分、物事がわかっている自分をわかってほしがっている。他人はその人自身にしか興味がないのだ。
正義感の煩悩は突き詰めると、世の中が公平であることの期待である。自分の行ったコストに見合う行動・犠牲を相手に期待している。メールの返事や好意のお返しなど。逆に、相手からダメージを受ければそれが相手に公平にダメージを受けるべきという正義感が復讐。悪を懲らしめる正義感すらも煩悩。世の中は不公平であることを認めることで、寛容に
自分の優先順位が低いことに腹を立てるのはとても恥ずかしい。
自分が隠している感情を認めよう。情けなかったり、卑小だったり、カッコ悪いものも含めて。自分の本心が自覚しにくくなって心の回路が狂ってくる。つらいのに元気だと思い込む必要はない。自分の気持ちを認めることで楽になる。
欲望、怒り、愚かさの煩悩。他人をコントロールしたがる欲望を手放せればもっと楽になれる。
相手から良い扱いを受けて自尊心をくすぐられた時こそ注意。次にそうでなかったときに乱降下の原因にもなる。良い扱いを受けた時こそ、この扱いも一時的なものだと思えるといい。
結果を重要視する責任倫理と、動機を重要視する心情倫理。心情倫理で考えた方が心は穏やかでいられる。
誰しも価値観を否定されると心地が悪いもの。心に浮かんだ「でも」「しかし」をこらえることで、無用な闘争に巻き込まれなくて済む
自分のことを正確に理解させたいという欲望は厄介なもの。プライドの煩悩も大きく影響している。何かあった時に労わるような言葉をかけてくれたときも、全然平気でしたとか慣れているからとか。帰るように言ってくれた時も遊んでいるだけですからとか。。。相手のいたわりの気持ちを大事にしたい。
弱者が自分の自尊心を保つために、逆の価値観でルールを作ることはよくあること。道徳とかモラルとか正義とかという言葉でデコレーションされていることも多い。それ自体の価値を認めることができれば
渇愛と呼ばれる自己中心的な思惑によって、世の中をありのままに見れなくなっている。物事には善も悪もないのに自分の都合で善悪をつける
自我イメージを持つことを仏教では有愛といい手放すことを進めている。自我イメージをもつと、そうでない情報などに自我を脅かされる。心は諸行無常であるから、その時は自信満々でもそうでない自分に苦しむという面もセットで抱え込むことになる。自分はどういう人間というイメージを手放そう。そうすれば他人からのからかいもかわしていける
何かの想いにとらわれているときも、よく観察してみると途中でそれ以外の感情が現れることに気付くはず。それでも脳は強い感情のみを記憶して弱い感情を塗りつぶすので、その思いにとらわれている自我イメージを強く持ってしまう。しかし、途中で現れたそれ以外の感情があったことを見つめなおすと、心が無常なことに気付くことができる
どうでもいいことでの不毛な争いを避ける。自分の考えを保留して相手の考えに寄り添える余裕を
議論を応じる者はここにはいない
「こうありたい自分」は苦しみしか生まない。そうあれない自分に苦しむか、そうなれても心が慣れてしまってより多くを求めて苦しむか。そうじゃなくてもいいという余裕で存在欲求を緩めると楽になる
自分の心も完全にコントロールすることはできない。完全に怒りを鎮めることもできないし、幸せな状態を目指してもそれは無理。幸せはふと感じるもの。
自分が守る戒めは、自らが守るべきものであって、他人に押しつけてはいけない
社会とは違う基準で自分を評価できる価値観で自らを正当化しようとしてはいないか。そういう動機自体は否定しないが、それでもって執着をしたり、他人を見下したりするのはあさましい。
仏典すら絶対に正しいものではない。絶対に正しいものなどない。狂信的にはなってはいけない
優越感、劣等感、同等感は捨て去れ。対象は、他人はもちろん、自分も。
苦しみも一度認める。それで初めて乗り越えられる。無理して平気なふりをしなくていい。
Posted by ブクログ
自分の気持ちも、人の気持ちも、人の自分に対する評価もそれにに対する自分の感情も、その全ては諸行無常。
移ろい変わって当たり前。とらわれないことで楽になる。
なにかを「しない」ことも心がけと訓練が必要。
読みやすくて腑に落ちやすかった。
実践が何より大事。
Posted by ブクログ
困ったときこそ次々と手を打ちたくなるもの。もがいて混乱するよりも、ただ内省すること、心の有り様を客観的に見直すことで心の平穏を取り戻す。それにも訓練が必要なのだと思う。仏教をはじめとする宗教にそういった知恵を学ぶことができる。
Posted by ブクログ
感想
ToDoリストを捨てる。なにをすべきかではなく、なにをしないか。意識的に何かをしないことは難しいかもしれない。煩悩を捨ててスッキリ生きる。
Posted by ブクログ
心を穏やかにしたいたきにややクールダウンさせる。心のトレーニング(お稽古)の一つとして持っていていいと思う。
自分のイライラや不安定さは、相手の怒り、欲望、無能さへのに対して
自分の煩悩が連鎖していると捉える。
他人の煩悩と距離を置く考え方は感情を整理できる一方、
どうして私の方だけが煩悩を手放さなければならないのか、
ストレスのコントロールが難しい。
Posted by ブクログ
繋がり過ぎない。
入ってくる情報が増えるほど、心は乱れる。
あなたのため。と言う時の本心は自分のためであることに気付く。自分の利益を正直に伝えることから信頼関係が築けるのかもしれない。
いい人をやめ、嫌なことは素直に断る。
どちらが得かを迷うのは心にとっては損。
他人の心のブレに対して寛容になる。
私を分かってと欲するほど、分かってもらえなくなる。
正義感をふりかざしても、醜悪な小悪人になるだけ。
間違いは悪いもの。という罠から抜け出す。
自分が隠している情け無い感情を認めると楽になる。
イライラしない。
自分もやりかねない。と潜在的な可能性を知っていればありえない。とはならない。
謝る時は余計な言い訳を加えない。
自分を正しく理解して欲しいという欲望を手放す。
自分の考えを返す前に、そうですね。と一呼吸置く。
自分の価値は他人の価値とは、無関係である。
心を保つ前にまずは体を保つべし。
体を保つ基本は食事を腹七分目にとどめること。
砂糖の強い甘味は気分を乱高下させる。じっくりよく噛むことに専念する。
人と繋がり過ぎない孤独を味わう勇気を持つ。
その場しのぎにイエスと言わず、少し考えさせてと留保する。
人から失望されてもかまわないという勇気を持つ。
物事に集中するには、頑張り過ぎず、だらけ過ぎない。
相手の方が間違っている証拠があっても追い詰めない。
手仕事をせず、頭ばかり使っていると思考が鈍る。
人を自分の思い通りに変えることは出来ないとあきらめる。つまり、他人は他人の内部の法則に従ってしか動かない。
人生は生きている限り、満足しないという苦を味わう。
苦労が報われない。という無力感から逃げ出さない。
やる気を保つには自分の意思でやる。という形式が重要である。
日常生活に取り入れて行こう。
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見開きにまとめられているので読みやすい!忙しい日常の中で、いつもの思考パターンになって陥るときに、ふとこの本を読んだら気が楽になりそう。手元に置いておきたい一冊。
Posted by ブクログ
仏教の教えは結構好きだし自分にとってしっくり来る。でもストイックに修行し始めるとイメージとは逆に自分勝手に見えることもあるのだなぁ(笑)それを超えた先に悟りがあるんでしょうか。他人と比べないというのは最近意識していたが過去の自分と比べないというのは学びかも。諸行無常の奥深さ?便利さ?を感じました。
Posted by ブクログ
悩んでいた時に購入したが積読していた。雑誌の投稿をまとめたものであり、ストーリー性がなく、一気に読むと飽きてくる部分もある。僧侶でありながら結構”普通”の人に近いような口調であえて喋っているような著者の姿勢は器用にやってるなという印象でもある。ただ、悔しいことに著者は自分より”大人”だ。
僧侶という自分とは全く違う生き方をされている著者の指摘は時に鋭い。私がよく悩むことの1つに、明らかに悪いことをした人が自分に謝らないことがある。特に彼女など身近な人にはそれを感じやすい。著者によれば人がグチを言いたくなるときには、可哀想だねといってほしいらしい。図星だ。謝ってもらいたいんだねと自分を受け止めてあげればそれで良いという。また、心を保ち強い精神状態をつくるには腹七分目程度で抑えるべきらしい。たしかに空腹で作業をしているときは驚くほど集中できることが多々ある。煩悩に負けてたくさん食べてしまう自分への戒めだ。他にも、人に何かをされた時、あいつのせいだと言いたくなるが、これはややもすれば傷つくことを求めてしまうことになり、自分を苦しめているにすぎないという指摘は的確だ。また、他人に評価されたいがための優しさは不要と断言している。優しさ=僧侶という勝手なイメージを持っていた私には意外だったが、本当にその人のためを思ってのことでなければ本質的に優しさでないというのは正しい。
Posted by ブクログ
怒りも嫉妬も、負の感情を持つのは普通で、恥じることではない。
大切なのは、自分が何に対して怒りや嫉妬をしているのかを自覚して受け入れること。
自分以外の正義もある、自分も弱い部分があると認めて初めて楽になれるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
小池さんらしい文体で書かれた本です。項目ひとつが大体見開き1ページととてもライトで内容は少し物足りなくも感じましたが、隙間時間にちょこちょこ読んで、ハッと背筋を正すのに丁度よさそうです。
Posted by ブクログ
心を平静に保つ考え方のコツを説いているのだが、その要諦は物事に対するコダワリを捨ててサラッと行こう!と言うもの。確かにこんな枯れた境地に辿り着けたらイライラはなくなるだろうが、反面人生がとても味気ないものになる気がする。何事もホドホドが肝要と言うことか。
それにしてもここでの教えは一見他人や世の中のための様に見えるが、全ては自分の平穏を得るための利己的な目的であるところが面白い。仏教は内面だけを突き詰め、世直しを志向しない所が他の宗教と摩擦を起こさない所以か?
Posted by ブクログ
小池さんの本は今まで何冊か読んだけど、シンプルで一番内容がスッと入ってくる。書いてあること全部が当てはまるわけでもないし、いいなと思ったことをずっと意識しておくことは難しいけど、ふとした時に思い浮かべて、自分を楽にしてあげられたらいいなぁと思いました。ゆるぅく読むのにオススメ。
Posted by ブクログ
日常の様々な事の中に潜む煩悩を、自身の体験を例に仏陀の教えに即して解消しようとするコラム集。見開き2ページにコンパクトにまとめられ、およそ住職が書いたとは思えない軽い文体は、若い人に説教臭くなく読まれるには良いかもしれない。読んでいて職場でのある上司の姿が出てきて仕様がなかった(不快)。凡人には煩悩からの解脱は難しいな~
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強く、やさしく、しなやかな自分でありたい。
理想の自分に近づくために努力していきたい、改善していきたい。
そう思っていても、なかなか全く思うようにならない、相変わらず、サボり癖は治らんし、人の欠点が目につくし、翌日まで残るほど酒を呑むし、今日出来ることを明日回しにするし…
自分自身ですら制御できないのに、自分以外の誰かが自分の意に沿って動いてくれるわけがない。当たり前の話である。
やたらと人と繋がりたがったり、人がやってることにイライラしたり、人がどう見てるかを気にしすぎたり、人と比べたり…そんなに他人の目って大事か?って話である。
時事ネタを書く
ベッキーや乙武が不倫をした、それがどーした?
おもろいゴシップではあるけど、エエ大人が毎日毎日多くの人間がギャーギャー騒ぐことか?自分の配偶者や恋人ならともかく、よそ様の恋路なんかほっといたれよ、下品やしはしたないぞって話である。
利己的かも知れんけど、他人のことはほっといて、まずは自分の幸せやろ。そこ磨いていこうよ。その上でヒトのことドヤコヤ言うたらエエねん。ちゅうても、幸せならゴシップなんか相手してる暇はないだろうけどな。
そんなようなこととかを、この本は分かりやすく書いている。
ちょっと文章が軽いかな、もうちょっと堅い文章でも十分伝わるとは思うんだけど。
Posted by ブクログ
最近のメディアの傾向である、一斉叩き。何か起きると毎日の様に報道される。それが嫌になっていた時期にこの本を読んだ。
政治家や芸能人らのちょっとした失言や問題が露呈すると起こる、ネット上での「祭り」と呼ばれるバッシング。
自分は悪い人間を追いつめる、正しい側に立っているという大義名分が得られるから、そうなってしまうのかと著者は疑問視する。
他に、犯罪に対しても「ありえない」ではなく「自分はたまたま今は犯罪をする劣悪な精神状態に置かれずに済んでいるからだ」と「自分もやりかねない」可能性を知っているべきであるという。
2016.3.19
Posted by ブクログ
あんまり頭に入ってこなかった。
アンガーマネジメントのような本でもあるような気がする。
自分が望むように世の中ならないので、自分を変えたり、そもそも望まないようにしよう、という風に読めた。
達観しないとですね。
Posted by ブクログ
お坊さんが書いた、心を鎮めるためのヒントを集めた本。「トホホー」「ガーン」といった古めかしいリアクションがたびたび入っているので、よほどのおじいさんかと思いきや、私と同年代の比較的若いお坊さんであったことにびっくり。おそらくお坊さんの説法という高そうなハードルを下げ、読みやすくするようにわざとこうした言葉を入れているのだろうが、やや使いすぎてイラっとくる。
肝心の中身は、心理学や脳の働きにも触れ、自身の体験も交えながら、人間の欲深さゆえの苦しみと、こういう風に考えたらもっと楽になるよ的なアドバイスが書かれており、いろいろとためになる部分も多い。
気になった部分は「愚かなものへ対する実害のないものへの怒りは怒りっぽい証拠」「人殺しもたまたまそういう境遇にないから自分はやらないだけ」「「正義」とは誰かの自己中に対するこちらの自己中である。」「今の感情もうつりゆくもの(無常)であると認識し、安易に今の感情に流された行動をとらない。」「人生は決して満足することのない、クリアできない「クソゲー」である。ゲームから降りることも心の安定につながる。」など。
ここに書かれていることをストイックに実践するつもりは全くないが、一つの考え方として持っておくのは悪くないと思う。それにしても先述したわざとらしい「トホホー」「ガーン」が嫌いなので★は3つ。