あらすじ
時の人々を迎え、躊躇することなく旬の話題ついての本音を引き出し、予測不能の展開が視聴者を惹き付けた伝説的なディベート番組「サンデープロジェクト」。2010年3月末は番組終了した。
世の風潮に流されることなく、話題の当事者に鋭く斬り込んでいく番組姿勢から一部の政治家たちは「番組に出ると政治生命が終わる」とまで恐怖し、「日本で一番危険な番組」とまで評された『サンデープロジェクト』の総括が本書。海部をはじめ、宮澤、橋本首相は番組がきっかけで退陣に追い込まれ、日本政府がひた隠す北朝鮮拉致被害者の安否については北朝鮮高官にじかに話を聞き真実の言葉を引き出した。他にも、スポンサーとなっていた商工ローン「日栄」の社長を一斉家宅捜索の翌日出演させ真相を追及するなど「タブー」と言われていたことに挑戦し続けた。そんな、日本の重要局面で番組が世に問いかけた21年間にわたる「真実」の波紋がどのように広がっていったのかをつづる。政局の裏では何が起こっていたのかを知り、政治がどう動いてゆくのかを占う上でも必読の書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本政治のタブー、というほどのものかは置いといて、90年台の日本の政治史を生々しく学べる本だと思う。そして政治家に限らず、「嫌なことにも逃げずに立ち向かうこと」ということは非常に大事だと思わされる。おうおうにして、立ち向かいたくない件に関して放置しておけば置くほどさらに状態は悪くなるので、しっかり向かったほうがよい。
のちの首相でも数年前までは総裁選の泡沫候補だった、というのは非常に興味深くて、何者もやはり地道な努力と逃げないことで成長していくんだなと再確認。
それとマスコミというのはやっぱり世論形成に大きなチカラを持っていて、政治や行政を批判的な目で見るのはいいんだけど、マスコミそのものも批判的な目でしっかり見極めることが必要だと思う。
Posted by ブクログ
現役が多いせいか、昭和後期や平成に入ってからの政治上の事件については事実が書かれた書籍が少ないと思う。田原氏が当事者として立ち会った事件の事実/裏側を書いている。加えて、ジャーナリズムの本質も書かれている。
しかし、「サンデープロジェクト」を中心に書かれているので、正直そこがくどい。いい番組だったと思うけど、そこまで押されると、引いてしまう。最後のページには「サンプロ」が6回も出てきてた。愛情が強すぎるからなのでしょう...
また政治にうんざりさせられる書籍であった。どうして何も変わらないのだろう。
Posted by ブクログ
これを読むと、サンデープロジェクトが果たしてきた功績が良く分かりますね。
ただ、それだけにサンプロを潰してまで始まった後番組のつまらなさが・・・。
夏野さんや長谷川さんなどが出てるのにね。
Posted by ブクログ
「サンプロ」が打ち切られるまでの21年間を、舞台裏の話を含めて書いてある本。
個人的には田原さんはクセのある人だと思っているが、「番組にはなるべく当事者を出席させる」「欠席裁判はしない」とし、自分と異なる意見の人とも敢えて議論を闘わせようとするフェアな姿勢は素晴らしいと思った。
Posted by ブクログ
本書は政治の裏話について書かれた本というよりも、ジャーナリズムとは何かについて考えさせられる本です。
真実は、報道の仕方によっていかようにも曲げられてしまいます。しかし、田原さんは当事者双方から話を聞くというスタイルを徹底してつらぬきます。そのジャーナリストとしての姿勢を他のマスコミにも見習ってほしいと願います。