あらすじ
向田邦子賞を受賞した「すいか」をはじめ、「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などの伝説的ドラマを生みだした夫婦脚本家・木皿泉。二人が家族、愛、自由、幸せ、孤独、個性、笑い、お金、創作、生きること死ぬこと…などについて縦横無尽に語りあう。思わず胸を衝かれる言葉が随所にちりばめられた、珠玉のエッセイ集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
木皿泉。
夫婦2人組の脚本家。
お二人の会話は、他のムック本などで読んでいて
楽しいし、好きだったから、安定のおもしろさで
読み進めた。
軽妙な会話タッチに進められるエッセイの中で
ドキッとするような、
生きること、創ることに
大切なことが語られる。
たとえば
私達は自分には才能なんてないということを知っている。それが大きな武器になるんじゃないかな。(中略) 自分は自分でいいんだと思えるところからしか、オリジナルなものは出てこないと思う。
こんなふうに、ごく自然に受け止めていたことに
はっとする気付きが与えられる。
これからもお二人の作品から目が離せない。
Posted by ブクログ
気持のいいものばかりに囲まれて暮らすと言うのは幸せだけど、気が付いたら誰かが考えた幸せだったというのは辛いと思う。
今の若い人は、そんな自分だけが発見した幸せを、他の人はそうじゃないだろうなあ、俺ヘンタイかも、と後ろめたさく思いながら抱えているんじゃないかなあ。
Posted by ブクログ
「すいか」「セクロボ」「Q10」「野ブタ。をプロデュース」でカルト的な人気の脚本家、木皿泉のエッセイ集。実は二人組なので、対談集が主です。
ドラマほどのインパクトはないけど、裏話やら「こういう感じでシナリオってできるんだ」っていうのがわかったり、そっち系が好きな人にはたまらないだろうなあ、とは思うよね。
Posted by ブクログ
「すいか」で大事な言葉をたくさんいただいたので、お二人の対談エッセイとなれば、是非とも読んでみたいと思い購入した。
心に留めておきたいことメモしておく。
・特に家族ともなると、相手になにかをしてもらうことが当たり前になり、それが引け目となって積み重なり、その人にあらがえなくなる。そうならない方法は「ありがとう」を言うこと。感謝の言葉が届けば、やってもらった側もやった側も、気持ちが空へキレイに消えて行く。
・家族も愛も確かなものではない。この世にある確かなものは好きだという気持ちだけ。
今日の好きは今日の分。明日の好きは明日つくればいい。
・かっぱさんが鬱病になって苦しんで泣いていた時プロデューサーがかけてくれた「たかがドラマじゃないですか」の一言。
・何となくいろんなことをぼやかして曖昧にしてるからこそ成り立っていることもある。
そもそもわたしたちは、自分がなんで生まれてきたかだって、自分が何者かなのかだって、わけもわからず生きてるそういう存在。
・街で突然知らない男に蹴り倒されたかっぱさん。「あの時もしピストルを持っていたらためらわず撃ち殺してしまっていたと思う」
人を殺すなんて想像できないことだけど、もしも凶器を常に持っていたら、カッとなった瞬間誰だって人を殺してしまう可能性はあるってこと。その後の辛さを想像できずに。
・大福さんが誰に聞いても知らないという、子供の頃読んだ本を、かっぱさんも当時読んでいて、内容を事細かに語ってくれた。子供の頃出会ってなかったはずなのに、思い出の中で一緒にいるような懐かしく嬉しい気分。