あらすじ
「春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空 藤原定家」「幾夜われ波にしをれて貴船川袖に玉散る物思ふらむ 藤原良経」など、優美で繊細な古典和歌の精華がぎっしり詰まった歌集を手軽に楽しむ決定版。
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Posted by ブクログ
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世の中を厭ふまでこそ難からめ かりのやどりを惜しむ君かな 西行
返し
世を厭ふ人とし聞けば かりの宿に心とむなと思ふばかりぞ 江口の君(遊女妙)
西行と江口の君(遊女の妙)との問答歌が個人的に好きだった。江口の君、切り返しエグすぎるやろ流石関西人。
中世の遊女は芸能や宿泊業が中心で、近世後期以降のように必ずしも売春を伴っていなかったらしい。
遊女が天皇や院、公家らに寵愛されて子を産みその子が昇進を果たすなど、近世以降のような遊女への差別性はほとんどなかったっていうのも現代と異なる点で面白かった。
修辞法、技術モリモリの歌そのものも素晴らしいのだけれど、その歌が詠まれた時代背景や人物像を調べていくとますます面白いなぁと改めて思った。