【感想・ネタバレ】カクテル・パーティーのレビュー

あらすじ

米国統治下の沖縄で日本人、沖縄人、中国人、米国人の四人が繰り広げる親善パーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり、国際親善の欺瞞が暴露されていく――。沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか、「亀甲墓」「棒兵隊」「ニライカナイの街」そして日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ傑作短編全5編を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は中国で20歳の時に敗戦を迎え、表題作で沖縄県出身で最初の芥川賞を受賞した作家。(1967年)
沖縄が本土へ復帰する直前に、沖縄人、日本人、中国人、米国人の4人の男性が親善という名の元欺瞞に満ちたパーティーを行う。そんな中、沖縄人の娘の米兵によるレイプ事件が起きる。 今年で沖縄が本土へ復帰して50年になるがいまだに同じような事件は後を経たない。しかし、そこでは被害者である日本人と加害者である米国人という関係性が成り立つが過去には同じようなことを日本人も中国で行っている。
本文中の「どちらも被害者であると同時に加害者だということを自覚することでしか新しい世紀は始まらない」(p298)という言葉がとても重く感じた。個人個人の問題と国と国の政治の問題では土俵が違うようで、それは切り離すことはできないこともあるのかもしれない。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「沖縄慰霊の日」を迎えて関聯するトピックが大きく報じられるたびに、わたし自身が沖縄のことについてなにも知らないという思いを強くする。それではいけないとは考えているが、さりとてなかなか現地を訪問する機会もない。そこで、そういえば沖縄を舞台にした小説を読んだことがなかったと思い、本作をチョイス。表題作は第57回芥川賞受賞作で、著者は沖縄県出身者として初の受賞であった。あらすじは、主人公の高校生の娘が米兵からレイプの被害に遭い、そこから当時占領下の沖縄におけるアメリカとの歪な関係について複雑な思いを巡らせるというものだが、驚くべきはその後沖縄が日本に返還された現在でも、似たような構図の事件が繰り返されていることである。米兵による女性に対する強姦事件は何度も繰り返されているが、そのたびに日米地位協定が「壁」となって思うように捜査ができない事態に陥っている。地位協定の見直し論議も浮かび上がっては結局成就することなく霧消してしまう。当時はまだ沖縄は返還されておらず地位協定も締結前だが、こういった歪んだ法体系をいち早く小説に採り入れた点で、本作は出色の存在というべきであろう。ただし、最後のほうはいきなり会話劇が始まるなど、小説の表現としてはやや引っかかるものがあった。けっして技術力が低いというわけではないのだが、こういう特異な構成で芥川賞を受賞できたことは不思議である。また、その他の収録作も良作ぞろいで、なかでも「亀甲墓」「棒兵隊」はいずれも沖縄戦を描いている。沖縄戦についてももっと知らなければならないと常日頃から考えているので、今回知ることができてよかった。ふつうに日常生活が営まれていた聚落が一瞬にして戦場と化し、無辜の市民が犠牲になるというのは、繰り返し報道でも眼にしていることではあるが、やはり想像するだに恐ろしい。本短篇集は、「沖縄戦」と「米兵との関係」といういまだに尾を引いている2大テーマについて学ぶことができるため、ぜひもっと多くの読者に読まれるべきである。

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2026年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎受け取ったメッセージ
国家間の争いは、個人的な感情や生き方に計り知れない大きな影を落とす。


⚫︎あらすじ(本概要より転載)
米国統治下の沖縄で日本人、沖縄人、中国人、米国人の四人が繰り広げる親善パーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こり、国際親善の欺瞞が暴露されていく――。沖縄初の芥川賞受賞の表題作のほか、「亀甲墓」「棒兵隊」「ニライカナイの街」そして日本語版初公表の「戯曲 カクテル・パーティー」をふくむ傑作短編全5編を収録。


⚫︎感想

親善パーティーの最中、同じ時間に米兵にレイプ被害にあった娘。その親交の下に覆われた互いの悲哀と憎悪を一体、一個人としてどう向き合えばいいというのだろう。

彼は、父親として、娘に苦しい思いをさせてもなお、戦わなければならないと、問題に蓋をせず、真っ向から向き合う選択と決意をした。一個人としてでなく、未来の沖縄を背負う責任ある生き方と覚悟を、「人間としての義務」を全うしようとする姿に心打たれた。

後半の「おまえ」という強い語りは、自分に置き換えて考えなければいけないという感覚になるし、そうならなければならないと思った。現在、日本は、本土に住み、身近に基地もない場所に住んでいる人が多い。この著作が多くの日本人に読まれることを願う。

本書をきっかけに、日米地位協定について改めて調べた。また、実際沖縄復帰後の沖縄県の高校生たちが議論を交わす番組もYouTubeで視聴した。未だ変わらない日米地位協定の内容。沖縄には今も米軍基地が日本全体の7割が存在している。知識として持っているだけではなく、実際の声を聴くことが大事だと改めて思った。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芥川賞を取ったとはいえ、地元の作家だし余り期待してなかった。意に反し、なかなか面白かった。学生時代に読んだはずだが内容は全く記憶に残ってなくて新鮮に読めた。沖縄が改めて特異な、はなはだ特異な環境に置かされていると感じた。我々は慣れ過ぎていた。NO!を声高に発しよう

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2011年12月23日

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