【感想・ネタバレ】コキュートスのレビュー

コダマナオコ

クラスで悪目立ちしないよう、浮かないように日々生活をしていた椎名。そんなある日、教室で異端扱いされている黒崎美音子(クロネコ)と放課後一緒に残ることに。異端と一緒にいると自分まで異端扱いされると恐れるが、何者にも縛られない自由な彼女に惹かれていく──。表題作の他描き下ろし「モラトリアム-ITSUKI saide-」などを収録した殊玉の作品集。収録作:コキュートス前編・後編/モラトリアム前編・後編/モラトリアム-ITSUKI SIDE-

[匿名 · ★★★★★]

コキュートスとは

コキュートスとは、最も重い罪、裏切を行った者が永遠に氷漬けとなっている地獄のひとつ。冥府の川。

前半：処世術のために嘘をついてうまく立ち回ろうとするとするJKと、相手にも自分自身にも真っ直ぐで嘘をつけないJKのお話し。このままお互いを理解しあって幸せになって欲しいところだけど、どこかしら歪むと共依存に陥りそうな危うさを秘めている。相手に縛られそうなその関係はまさに「コキュートス」（冥府の川）と言えるだろう。

後半：恋愛には至っていない歪んだ愛情を感じた。今後、ドロドロな百合になりそうな雰囲気を漂わせている。

＃シュール ＃萌え

[電子マン · ★★★★★]

決してバッドではないがビター

孤独で無口な帰国子女のヒロインと今どきのJKな主人公の恋物語。
この主人公は周囲を気にするヘタレな割に、妙に性欲だけは暴走します。でもSEX後（直接描写は無し）にいきなり話が終わっちゃうのが残念。
もう一つは、本音では同性愛者の親友が好きだが、肉体関係は持ちたくないという難儀な性格の主人公が、延々と微妙な友情関係を続けるお話。お互いにけっこう腹黒要素有り。
一応、どっちもハッピーエンドにはなるのかな。

[匿名 · ★★★★★]

少し暗くでも気になる

クロネコさんの性格好きです！！かっこいいなと思いました。他にもよくあることだろうなという人の闇の部分がみえたりしますが、でも続きが気になるような気持ちになりました。

[ブクログ · ★★★★★]

キスしたし、生理じゃなかったらもっと先までしてた。

ここで終わりか！

モラトリアム。腹の探り合い。

意地悪な笑い

[あんころもち · ★★★★★]

可愛すぎる

モラトリアムの話すごく好きです。
お互いが相手のことが好きなのに、好きの種類が違う。
心理描写の書き方が上手くて感情移入してしまう。
この後の展開を妄想してニヤニヤしてます。

[ブクログ · ★★★★★]

傘も差さず嵐のど真ん中に立ち続けるみたいな生き方を続けるクロネコさんが紡いだ言葉だからこそ、その重さは計り知れない。その一言を椎名は受け止めることが出来るのだろうか？　単純な「好き」ではなくて、ないまぜな感情が渦巻く「好き」だからクロネコさんといると椎名の心がざわめくのだろう。

[ブクログ · ★★★★★]

表題作よりも「モラトリアム」に魅かれた。
欲望・打算・奸計、執念深く己に忠実な「女の醜いところ」はとても素敵。

[ブクログ · ★★★★☆]

「コキュートス」は綺麗なままでいようと社交辞令であっても嘘をつけない女の子を主題にした作品。
厨二病という評価を受けるのは免れないが、
キレイなままでいつづけようとする、社会（女の子社会）に迎合すべきか葛藤するテーマ。
自分はこういったテーマは好きである。