【感想・ネタバレ】鳴るは風鈴 木山捷平ユーモア小説選のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2019年08月19日

タイトルからして、なんて風流で涼やかな、と思いつつ手にしたものの、風鈴が鳴る理由に意表を突かれました(笑)この外し方が木山捷平節なのではないでしょうか。そんな感じの、タイトルどおりユーモラスな短編を集めた一冊でした。
「耳かき抄」「逢引き」「下駄の腰掛け」あたりは電車で読みながらニヤついてしまいます...続きを読む。(木山さんの頭の中で発想連携はどう繋がっているのだろう…と思わずには居られない)「柚子」はお気に入り。旅先で出会う女性とのなんやかやの話ではあるのですが、一般的に期待されるような展開にならずに済むのが良いです。そしてふんわりとした気持ちにさせられると云う…。

0

Posted by ブクログ 2011年09月05日

解説に「・・テーマがない。・・木山捷平にとって表現行為そのものが文学なのだ」とあるが、その通りの一冊。

0

Posted by ブクログ 2010年04月27日

先に詩集を読んだ際、そのあまりにダイレクトな表現に驚かされ、カルト作家としての印象を大いに植え付けられたのだけど、この短編は普通なまで普通。
比較対象が漫画家になるのだがつげ義春的だと思った。
クリエーターの日常を山も谷もオチもなく淡々と描いている。
そういう空気感が一部にマニアを生んでいるの...続きを読むだと感じた。
文壇のサブカルレーベル(勝手に命名)である講談社文芸文庫に収められるのも納得。
解説でも触れられていたのだけど、とにかく「ゆるい」。
「ゆるい」なんて解説される作家は珍しいと思う。
この選集は私小説だけで構成されているのだが、どうも私小説というのは陰気になりがち。
だけどこの人はのんびりしているんだ。
貧乏で切羽詰まっているはずなのに。
書くこともないのか同じ話を使いまわしてる感もあって、そこがまた生みの苦しみのようなこともなく。
なぜか微笑ましく追いたくなる、そんなゆるさ。
ただ講談社文芸文庫でも品切れ状態で、なかなか多くを読める作家ではなくなっている模様。
このままカルト作家として消えるかもしれないのは惜しい。

0

「小説」ランキング