あらすじ
全寮制の男子校・聖マカーリィ学院に通う饗庭怜は、三月のある日、学院の鐘楼から墜落した。墜落の後遺症で記憶が曖昧な怜は、自分が鐘楼に行った理由、墜落した経緯を探ろうとする。彼の周りで次々と起こる異変。誰もが疑わしい中、怜のまえに現れたのは、あまりにも美しい少年だった。事件の真相を鮮やかに解き明かす桜井京介、少年の日の物語!
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Posted by ブクログ
京介氏が中学2年だった頃。
といってもメインではなく、けれど事件解決の大きな助けに。
全寮制という閉ざされた空間に加え、あの学園での出来事なのでそちらが中心かと思いきや
原因は全く別の方向から来たので
ミステリーとして楽しめました。
先生が騙された!
あの人じゃなかった!!
ラストに勢ぞろいするあたりが物語だけれど。
京介氏に匹敵するキャラクターだと思うけれど
先生、また登場しないだろうか。。。
Posted by ブクログ
それは彼が桜井京介ではなく、久遠アレクセイ(工藤アキラ)だった頃の話。
北海道の進学校で不可思議な事故に見舞われた相羽怜はもしかしたら殺されかけたのかもしれない。そこから紐解かれ始める真実と引き換えに、彼は母親を奪われた。京介の出番は少なめでしたが、最後に桜井京介として廃校に来ていたのは良かったです。きっと本編の最終巻以降の事だろうと思うと余計に嬉しかったりもしました。
Posted by ブクログ
工藤アキラ、中学生の物語。
……ではなく、あくまで饗庭怜という高校生が主人公の物語である。副題や帯の通り、あまり彼の物語として受け入れる必要はないと思われる。舞台はあの、異様な聖マカーリィ学院。
相変わらず篠田さんらしいとしか説明できない世界観と文体、そして風景である。教会とは似合わない硫黄の臭いが漂って来そうだ。
単発物としたら、ミステリでまぁまぁ楽しめるのではないか、という程度。建築探偵シリーズを読破しているから麻痺してはいたが、冷静に考えれば実に酷い話である。
鐘楼から突き落とされた主人公が一部の記憶を失っているため、どうしても不安定要素がつきまとっている。どうにも意見があっち行ったりこっち行ったりですぐ翻り、まとまりなく読者を迷わす。その中で唯一変わらなかったものこそが疑わなくてはならない現実だとは、実に皮肉としか云いようがない。
もちろん工藤アキラにとっても一つの通過点ではあるのだが、それよりも先を知っている読者としては、少し晴れ晴れしい気持ちで会えたような気がする。
──しかしなんかもう、詳細を忘れかけていることが、なんとも恥ずかしい限りである。
Posted by ブクログ
京介が京介になる前の話。
京介メインではないですね。
でも面白かった。
閉鎖空間のあのどんよりした感じ、ミステリーですな~
最後のオカルトチックな部分がちょっと頂けなかったな。
篠田さんのそっちの方の作品はあんまり好きじゃないので。