あらすじ
時間と空間を超えてつながる新しい人間関係のもとで、ハイパー資本主義以前にみられた贈与経済を彷彿させる「シェアリング・サービス」が勃興している。さらに「社会がウェブをコピーする」なかで、絶対に安泰と思われていた事業が思いもよらない競合に浸食され、組織づくり、イノベーションの作法、教育までもが根本から変化している。はたして「昨日の常識が通じない時代」に私たちが身につけるべき「視座」とは何か。人間はウェブの力を味方にできるのか……。フェイスブックの歴史的意味からウェアラブルコンピュータによるパラダイムシフト、日本企業が行き詰ったほんとうの理由、そうした混沌の先にある未来までをも一つの線上で論じきった、渾身の一作。
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Posted by ブクログ
SNSなどの台頭により人間と人間がウェブ上でつながることが一般化した。シェア、オープンといったウェブ上での概念がリアル社会にも持ち込まれる。これを著者は「社会はウェブをコピーする」という。ますますリアルタイム化が加速され、人間の行動に沿った情報処理がおこなわれるようになる。社会がウェブを追いかける時代だ。断片化されたコンテンツに意味を持たせる役割(キュレーター、編集者)が重要になり、さらには体験を売るという発想が重要になるとの指摘はわかりやすい。より人間を知ろうとした人間が、成功できるWEBサービスを開発できるのではないか。
Posted by ブクログ
これから世界はどのように変化していくのか、そしてどのように対応していったらいいのかいろいろ考えさせられた。
ふむふむ箇所は以下
・キュレーターやプロの編集者という役割がこれからますます重要になる。
・人間力をプログラムで拾い上げるインタレストグラフ
・次の勝者は多くをつなげてしまった人になる。
等々数多い
非常に示唆に富んだいい本だと思う。
・
Posted by ブクログ
Web2.0からの潮流を探る一冊。著者は日本版ワイアードの創設者。
セマンテックウェブと呼ばれ、フォークソノミーやタギングといった技術によって実現されたデータのメタ認識が、RSSや今日 で言うビッグデータへ繋がっていくという解説箇所が面白く、タイトルに繋がる部分 だと感じた。
後半は、こうしたインターネットの位置づけの変容を経て、それが一体どのような社会的課題の解決に向けられるべきか、あるいはどのような技術領域に応用されていくかという展望が展開される。そこはちょっと お説教くさいようにも感じたけれど、花が 咲いても実を結ばなければイミねーもんなー、という実直な思いを見た気がした。
Posted by ブクログ
【発想の宝庫】
ウエブを見れば、これから向かっていきたい方向が見えるという発想、すばらしいです!
確かにそういう気がします。
違う分野のものを組み合わせる。
この考え方はよくわかるのですが、実際どう組み合わせるかはむずかしいです。
手当たりしだいに組み合わせていけば、おっ!これはいけるのでは?というものが現れるのかもしれません。
常にこういうことを考えていないとダメですね。
いろいろなひらめきがありました。
ありがとうございます!
Posted by ブクログ
帯で大前研一氏が推薦しているように、新しい「ウェブ進化論」という内容で非常に興味深かったです。
これはしばらくオススメ本として布教用にもう一冊買うことになるでしょう。
現代のウェブ進化論
梅田さんの「ウェブ進化論」が登場した頃には、「あちら側」という表現でWebによる「より良い社会」への楽観論が語られていたが、本書ではこちら側の「リアルな社会」がウェブで起っているムーブメントにどう影響されて変化するか、という視点で語られている。
海外を中心に豊富な事例で未来を語っているスタイルがちょっと似ていて、オビの大前研一氏の「新・ウェブ進化論」というのもわかる気がする。
Posted by ブクログ
MITメディアラボ所長の伊藤穣一氏が、
帯に「激変するウェブとテクノロジーが向かう先は?
本書にその答えがある」という推薦文を寄せています。
そうなんですよね、激変していくウェブ世界のこれまでと今を
深く見つめてのその現状の紹介と、現実的に分析している論考とが
本書全5章のうちの4章まで繰り広げられています。
最後の章では、それではどうしていけばいいのか、という
著者なりのあまり細かくないハウツー的な、
スタンスの取り方の説明があります。
そして、ビジネスについてページ数を多く割いている、
ビジネス本の種類のものです。
この本の中でよく述べられていたのが、
「オープン」と「シェア」という概念でした。
そのなかでも、「オープン」では、
まず社内でオープンにしないといけない、と書かれている。
そうしないと生き残れないのが今という世界なんだということでした。
10年前にぼくはナレッジマネジメントを
自分の働いている会社でやろうとしていたのですが、
その方針はまったく的外れでなかったのだなと知ることになりました。
暗黙知や分散しているナレッジをまとめてみんなで共有していこうという
プランを練っていました。
まったく、理にかなった現実的なやり方じゃないですか。
なかなかやるじゃないか、ぼく。
また、クリアには書かれていませんでしたが、
ストーリーマーケティング的なやりかた、
モースの『贈与論』のアニミズム的な感覚というものが、
これからのビジネスに生きてくる可能性があることも
示されていました。
合理性や効率ではない、その反対のもののもつ物語や体験が
「笑ゥせぇるすまん」じゃないけれど、
こころの隙間を埋めるんじゃないかって思いましたよ。
ここで重要なのは、ただ一面的に、ビジネスが生まれるだけじゃなしに、
人と人との連帯感みたいなものが出来あがってくるし、
働き手は自分がアウトプットしているものに見合うかそれ以上のリターンを
感じることにもなるだろうし、
社会的包摂にもどうやら役立ちそうだということが見えてくる点にあります。
それと、検索できないものをみつけていく、
っていうのは良いなぁと思いました。
そうやって見つけたものは、言語化できるものならば
ネット世界がより深く構築されるきっかけになるし、
言語化できな様なものであっても、
それゆえに、大切なものなので人生を深くするのに
役立つんじゃないかと思えました。
それにしても、本書は本当に、IT世界の現状を細かく網羅して
いるように、ぼくなんかには見えますので、
現状認識のためにも一読の価値があります。
こういう本を読むおかげで、ぼくにしてみると、
たとえば3年前のITの現状よりも、今の現状のほうが、
より複雑になっているであろうけれども、
比較的知っていると言えます。
情報世界についての情報を知ることは、
いま大事だと言われる、プラットフォームという「システム」・「考え」を
知ることに繋がります。
まぁ、何をするってわけじゃないけれど、
踏まえておいて損はないなあと思っています。
いろいろ知らないような言葉が出てきて、
簡単な本とは違いますが、
読み応えがあるので、おすすめです。
Posted by ブクログ
ウェブの世界がリアルになるというストーリーだが、ある程度理解はできる。しかし、まだまだこの考え方はストーリーとして美しく説明できる現象ではない、と思う。しかし、著者の見識の広さ、最先端のウェブへの造詣の深さは脱帽します。私たちがこれらの情報から何を得、何を創造していくかですね。
Posted by ブクログ
一番印象に残ったキーワードは、「社会はウェブをコピーする」。人間同士が接続されたことで、ウェブを介した行動様式や価値観が少しづつ広がり、それとは異なる価値をもつ社会に敷衍されていくという意味をもつ。
つまり、オープン化、シェア化が進むウェブは、人間と人間が「接続された」世界だ。そして、リアル社会にもこのようにウェブで起きている人間中心主義の時代が訪れ、あらゆる局面で人間力が試されていく。そして、会社も同様、ウェブの生態系で生きて行く俊敏さをコピーする。
ウェブの持つ、よりオープンな、人間中心の社会で今まで考えられなかったような人と人との繋がり、アイデアの発見という原体験を持っている人には至極納得のいく論旨ではないだろうか。「機械との競争」とセットで読むと、まさに本書は未来への優れたナビゲーションのような役割を果たしてくれる。
Posted by ブクログ
Web2.0以降の双方向コミニュケーションは市井の人々に力をもたらし、人と人が広範囲で直接繋がる人間中心主義へ向かった。東日本大震災を例に挙げ、ハイテクで増幅された利他的な人間力がオープンやシェアを生み出すとして、SNS等を通じた活動に言及。そしてウェアラブルや3DプリンタなどのようにWeb(バーチャル)と現実の融合を図るとともに、オープンやシェアといった利他的な考え方までもが現実社会に入り込み、モノ作り、教育そしてビジネスなどを未来に向けて変革すると説く。
ウェブ(インターネットあるいはバーチャル)の現実化は日々早くなっているように思う。人間が多くの人と繋がり、豊かな人生送ったり、共創でビジネスでの成功を得るためにはマルチタスクOSが仮想記憶を必要とするように、SNS等の仮想(インターネット)コミュニケーションがより重要な位置を占めるようなるだろう。もうシングルタスクには戻れない。
※仮想記憶とはマルチタスクOSのメモリ管理技法の一種で、不連続な物理メモリ領域をソフトウェアから見て連続になるように見せ、ハードディスクなどにスワップ領域を設け、コンピュータ上に実装されている物理メモリよりも大きな記憶領域を提供する。
Posted by ブクログ
小林さんの新刊が出てる!と思い即購入。キーメッセージは「社会はウェブをコピーする」ということ。
タイトル通りなんですが、インターネット黎明期はあくまでほんの一部の人のためのものであり、あくまでウェブというものはリアルと切り離されていた。それがここ20年で急速にインターネットが普及したことによって、ウェブであらゆることが可能になり、今やリアルよりもウェブが先行している。だから、今度はウェブ上で先行しているあらゆることが、「オープン」や「シェア」といったインターネット独自の考え方をベースに、リアルな社会で実現されていくのだ、と捉えました。合っていないかもしれませんが。
最近は、SNSやアプリゲームとかが注目されていて、それはそれで新たな潮流であり面白いのですが、やっぱりインターネットっていう、なんともいえない不思議でとんでもない可能性のある、そもそもの仕組みに興味を持っている人間としては、インターネットと人間のあり方を考える本書はとても面白い。
ウェブ上で生まれている新たなサービスや企業の買収などの情報もかなりあるので、読み返して色々調べてみようと思います。
Posted by ブクログ
第5章をざっと読んでから、本編を通して読みました。オンラインとオフラインの相互作用について、事実を踏まえてコンパクトに提言をされていました。読みやすかった反面、もっと5章のような内容を読みたかったので、物足りない。同じ著者の別の本を読んでみたい。
Posted by ブクログ
あまり響く内容はなかった。
インターネットはどう変化したか、今何が起きているか、これからどうなるか、という巨視的な視点を得るという意味ではすごくわかりやすい本だと感じた。
Posted by ブクログ
フリー、シェア、メイカーズなどを読んでない人はこの本を手掛かりに読んでいけばいいでしょうし、それらの書籍を既読の方にかんしてはこの本を手に取る必要はないでしょう
Posted by ブクログ
「ワイアード」などを立ち上げた著者は、以前からのこの分野での第一人者といえる。
長くこの世界に関わってきた人だからこそいえるこの主張は、斬新でした。
これまで、ウェブの世界と現実は、ちょっと壁があるような気がしていましたが、徐々にお互いが影響し合っている。その変化をどう感じるかが、今後のポイントになるのではないだろうか。
コンセプト=「社会はウェブをコピーする」
人間同士が接続されたことで、ウェブを介した行動様式や価値観が少しずつ広がり、それとは異なる価値を持つ社会に敷衍されていくという意味
「オープン」と「シェア」
日本の会社組織が新たなビジネスモデルを打ち出せない理由
①ディテールを愛しすぎてしまうこと
②思考停止:上司説得型マーケティング
③俊敏さに欠ける
オープン化の進むウェブ社会では、周囲の人の力を素直に借りることがポイント
そのときは、自分の専門は何だったのかという立ち位置、核をしっかり持つこと
デザイン力の必要性
目的を決め、その背景にある思想やテクノロジーを理解し、結合する。そして、ビジネスモデルを構築し、人の導線設計、共創の促進、インターフェイスからユーザー体験までもを含んだ、人間中心主義の大きなデザイン
7つの視座
①失敗をしよう。失敗を許そう
②新しい「希少」を探せ
③違うものをくっつけろ
④検索できないものをみつけよう
⑤素敵に周りの人の力を借りよう
⑥アイデアはバージョンアップさせよう
⑦ウェブのリアリティを獲得しよう
<この本から得られた気づきとアクション>
・こういう視点でネットの世界を見るのは面白い。
・次はどんなサービスが流行るのか、それが現実世界にどう影響していくのか、見極めたい
<目次>
第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義
第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか
第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来
第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」