あらすじ
佳雨は色街屈指の大見世『翠雨楼』の売れっ子男花魁。恋人・百目鬼久弥との逢瀬を心の支えに裏看板として人気を誇っていた。だが百目鬼の見合い話の噂を聞いて動揺し上客の不興を買ってしまう。恋に惑う佳雨を心配した楼主は百目鬼を出入り禁止にする。一方、百目鬼が行方を探している骨董が、佳雨を水揚げした鍋島の手元にあることがわかり!?
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Posted by ブクログ
仇花シリーズ4巻目。
ここにきて攻の見合い話か……と遊郭にありがち設定にちょっと残念な気持ちがしたんですが、結構たのしく読むことができました。
気丈で聡明な受が、見合い話に動揺して気持ちが揺れ動いたり迷ったりとぐるぐるしたりする描写が新鮮でした。
そしてそこで悲観的になったりせずに、攻からの手紙によって失いかけた矜持を取り戻したりするのは流石。
抜群の安定感で読み進めていけます。
で。
このアダルトカップルのしっとりすぎるムードの中にあって、希里の存在がすごく良い味を出してます。
Posted by ブクログ
仇花シリーズ第四弾
翠雨楼の男花魁・佳雨は骨董商・百目鬼久哉と恋人同士。年季が明けたら、と違いあった仲である。
男花魁として矜持のある佳雨は身請けされる事を好まず、久哉もそれを承諾している。
そんな久哉のお見合いの話を聞いて激しく動揺してしまう佳雨。
毎回、百目鬼堂の蔵から紛失した骨董を巡る事件がありそれに否応なく巻き込まれる佳雨だが、今回はきな臭い事件にはならずに、佳雨も危ない目には合わなかった。
その代わり、花魁としての立場で久哉を愛すると誓ったにも関わらず、見合いという自分ではどうしようも出来ない事実に狼狽える佳雨。
しかし、もろもろを経てまた久哉への思いに自分の中で納得を見付けたようです。
こうやって自分の気持ちを確かめながら折り合って恋愛に信じて生きていくのだな、と思いました。
事件性が薄かった分、佳雨の気持ちの変化を丁寧に綴ってありました。
切なさは前作の方があったかな。
Hシーンは普通。
梓と夏目の恋の行方、そして鍋島の次男と恋仲になって屋敷を辞めてしまった使用人の恋に続きはあるのか、ちょっと気になりました。