【感想・ネタバレ】静かなリーダーシップのレビュー

あらすじ

問題解決プロフェッショナルを目指せ!
困難で重要な人間の問題のほとんどは、社内、社外を問わず、トップのだれかによる速やかで決定的な方法によって解決するわけではない。重要なのは、脚光とはほど遠い人々が行う、慎重で思慮深く実践的な小さな努力である。すなわち、世界を動かして変革するのは、静かなリーダーなのだ。


臆病で慎重である
自分の利益・キャリアは守りたい
カリスマでもなければ、トクに頭がよいわけでもない
強い使命感や理想はないが、自分の価値観で生きている
不利益があっても、できるだけ時間を稼ぎ、時期をうかがう
こんなあなたは「静かなリーダー」です。
※本電子書籍は同名出版物を底本とし作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。

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Posted by ブクログ

 ジョセフ・L・バダラッコ(Joseph L. Badaracco, Jr.)の『静かなリーダーシップ(原題 "Leading Quietly")』を買ったのは、恐らく15年位前になるだろうか。非常に印象に残った本で、未だに時折再読する本の一つだ。 
 仕事を進めていくにあたってトラブルは常に起こる。特に社内でのトラブルは厄介である。解決できない、と思える事さえある。そういう時に、この本を落ち着いて読むことで、多くの示唆を得る事が出来ると(私は)思っている。
 外部の人間が関与せねばならない程の問題ではないにせよ、内部のトラブルというのは逃げ出したくなる程厄介な事になるのが殆どだ。つまり、「ヒーローは要らないが、平凡であるつつ厄介な問題」に、多くの「名もない人々」は日々頭を悩ませているのだ。
 よくあるMBA系の本にあるような「リーダーシップ云々」の本には、そういう「瑣末な」問題への対処はあまり書いていない。しかし、「メジャー級のトラブル」の数百倍もの「瑣末で厄介なトラブル」の為に、多くの時間が浪費されているのが実情ではないだろうか。少なくとも、私はそう思う。
 この本の目次を転記してみる。
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序章
第一章 現実を直視する
第二章 行動はさまざまな動機に基づく
第三章 時間を稼ぐ*
第四章 賢く影響力を活用する*
第五章 具体的に考える
第六章 規則を曲げる*
第七章 少しずつ徐々に行動範囲を広げる*
第八章 妥協策を考える
第九章 三つの静かな特徴
付録:出典に関する注記
解説
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 特に*を付けた三章、四章、六章、七章は、共感できる人が多い言葉ではないだろうか?
 「放っておいても、少なくとも収益に重大な影響を与えることは無いが、コンプライアンス等に問題がある」とか、「慣習的に継続されてきた作業に、重大な問題点を発見したとき」等、『見て見ないフリをすれば、やり過ごせる』類の問題に直面したとき、どのように取り組めばいいのだろうか?と頭を抱えてしまうのが殆どだと思う。
 しかし、それに対して「粘り強く」、「自制心」をもって対処していく事が、いかに重要で、数多ある『ビジネスヒーロー/サクセスストーリー』よりも遥かに現実的に対処できるか、を、この本は説いている。
 日々、瑣末な作業の処理を繰り返しながら、中長期的なリスクや問題・課題を解決していく時に、ヒロイック(英雄的)な働きやドラマティックな展開など鬱陶しいだけである。それよりも、毎日1mmづつ机をずらすが如き地道な変革による改善が、もっと評価されても良いのではないだろうか。

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2020年05月01日

Posted by ブクログ

生きていく中で、人それぞれ何らかの問題に直面する事があると思います。それは、どんな規模でもグループを管理する責任ある立場にいる人には比較的多く訪れる事だと思います。問題が発生したその時、いかにリーダーシップを発揮しリスクヘッジを行なえるかが円滑な組織運営の鍵になってくると思います。この本には様々なケースによって、そしてその人の立場や人脈によって解決策が描かれています。責任ある立場にいる人には疑似体験でき、様々な視点から行動分析がなされていますので、おすすめの本です!
かなり勉強になります。

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2011年05月13日

Posted by ブクログ

ヒーロー型ではないリーダーシップ論の本。保身を肯定的にとらえ、普通の人が、個人の利益と組織の利益の間で、倫理観を持ちながら、1番良い意思決定と行動をどうとっていくべきかを述べている。ミドルマネジメントへのメッセージ。
ブレーキとして自制と謙遜を保ちながら、アクセルとしての粘り強さを保つ。自制、謙遜、粘り強さの3つ全てが欠かせず、その3つを保ちながら静かなリーダーシップを発揮させることを紹介している。

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2019年03月03日

Posted by ブクログ

via fkino blog

私は前から、アジャイルやプロジェクトファシリテーションに関する取り組みについて「自分のまわりを良くしたいし、それだけでいい。俺、ジコチューだし」と公言しています。

そんな私はこの本を読んでかなり勇気づけられました。「それでいいよねー」と。

「風向きを読む」というメタファーは、気球乗りの私にとって、とてもイメージし易かったのが印象的。

他にもたくさん付箋をつけました。結びの一文がステキ。

「これらの努力は、歴史の本に記載されることも、見出しになることもないが、すべて重要なのである。このように来る日も来る日も、無数の目に見えない小さな努力を続け、今日も静かなリーダーは世界を向上させている」

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

「静かなリーダーシップ」
ヒーロー型ではない、支援型、サーバント型のリーダーシップみたいなものかと思って読んだら、かなり違った。自分の価値観と組織の現実との間で、擦り合わせ(妥協)を行いながら、自分のキャリアを危険にさらすことなく、地味に粘り強く努力を続ける人のこと。
という意味では、これまでのリーダーシップ論とは、かなり違う観点ですね。
日本型の調整型のマネジャーとどうちがうのか?など、いろいろ考えながら、読んだ。
中間管理職にとって、自分の価値観を守りつつ、危機的ななかでも、組織の現実を冷静に踏まえながら、着実に変革を行っていく方法論かな?

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2017年04月30日

Posted by ブクログ

大きく目立つリーダーでなくても、静かにリーダーシップを持っているリーダーもいるのだ。むしろ、静かなほうが好ましいことも多々あるということを学んだ。

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2013年06月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

従来のリーダーシップ論は、偉大で強いヒーロー型のリーダー像を強調してきたが、本書はそれとは異なる「静かなリーダー」について書いてある。組織内の日常的な問題解決に有効。

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2017年12月24日

Posted by ブクログ

真のリーダーは組織における自分の影響力を考えず、道徳的基準をガイドラインとしたビジョンで動く。一方、静かなリーダーは打算的で了見が狭いように見え、高尚さも感じられない。さらには、人の心を鼓舞することも無い。

相手と自分の最大公約数的利益を得る為の処世術。特に中間管理職向け。自分が持ちえる可能な限りの影響力の使い方。倫理的に正しい事をすることは、時に虫歯治療の為に歯医者に嫌々行くような気持ちと似ている。痛みを極力減らす為に最善の努力をする。

冷笑主義ではない現実主義。時には必要な牛歩戦術。勉強になった。

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2014年02月08日

Posted by ブクログ

「静かなリーダーシップ」についてケース例を紹介している。
静かなリーダーシップというのは定義付けが難解で、明確な定義は紹介されていない。

組織にいながらジレンマに直面した時に、どのように振る舞うか。
忍耐力高い現実主義者が大きな組織運営上の問題にぶつかったとき、己のリターンを確保しつつリスクコントロールして妥協点を確保する、という振る舞い方がロールモデルになっている。

2002年に出版された本なのだが、静かなリーダーシップという言葉はこの本を読むまで聞いたことがなかった。
ちょっと「静かなリーダーシップ」という単語がイマイチだったのかもしれない。静かなリーダーがなしている行動は、チーム内役割でいうとコーディネーター(調整者)の役割だと思うがどうなんだろうか。

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2013年01月19日

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