あらすじ
大川に架かる四本の橋の近くには浅草や両国広小路の歓楽街、川を渡った向島、本所、深川には情緒のある水辺の町ができ上がった。堀端には料理屋や茶屋が建ち並び、当然のように色町が栄えた。岡場所と呼ばれる私娼窟だ。香具師の真似事をしながら岡場所をうろつく遊び人の萬女蔵は、侍に斬り殺された美しい芸者の幽霊がでるという茶屋の話を聞きつける。美貌の噂に惹かれて出向いた萬女蔵が見たものとは? 第2回『幽』怪談文学賞受賞者が本所両国の色町と見世物小屋を舞台に描く、妖しく艶やかな江戸怪談。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
“クダンは人に牛とかく”「因果物師」で物語に一気に引き込まれ、“痔という文字ができたくらい…”と「若衆芝居」でぞわりとし「水の女」に妖艶な物の怪をみる。萬女さんとお才コンビをもう少し読みたい。
Posted by ブクログ
江戸のはずれの花町、悲しい恋のお話に、怪談が加わって何とも言えない読後感。
切ない気持になるお話でした。
生と死の狭間で、精いっぱいその瞬間を過ごしていくことへの応援歌のようにも思えてきます。
Posted by ブクログ
女にマメだから萬女蔵。
そんな彼が引き寄せてしまう怪し達が物悲しくも色っぽく、愛おしくなります。
たまにエグイ話も出てくるので、ちょっとずつ・・・の進み方でもお腹イッパイな気分です。
Posted by ブクログ
江戸時代は両国を舞台にした色っぽい怪談小説。ちなみに短編集。いやらしさがいい具合で、怖いというより物悲しい。全体的に前半の小説の方が好みだった。