あらすじ
世にもだらしない家庭で育った都。そこから脱出しようと結婚するが、夫も彼女同様に怠け者。身に染み付いた怠惰さは直ることなく、なんとなく出産し、子育てするが……。そんな男と女の結婚生活を描いた表題作に加え「いも・たこ・なんきん」の2作品を収録。ちょっと奇妙な日常を淡々と綴る、異色の家族小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
大道珠貴さんの「ひさしぶりにさようなら」、2006.8文庫発行(2003.8単行本発行)です。自堕落な生き方をしている都、30歳の暮らしの様子がとても几帳面に丁寧に描かれています。なるほど芥川賞の一面なんだなと思いました。
Posted by ブクログ
家族を作るということは、経験の模倣でしかない。
にしても、断片的だ。出てきては消えて、堀り下がらない人物関係だ。
しかし、強い。幸せではないが、粘菌類のように強い。
2016.05
ホラー
『そんなの欲しくないもん、と都は胸がつまった。あるから食べるんだ、いやしいわけじゃない。』
この完全な矛盾は、二文だけで、端的に、主人公の性格を表しているなあ、と思うわけです