あらすじ
大学生の岩井は、ある日、菌類学者の助手のバイトを紹介される。訪れた先で待っていたのは、室田という気難しそうな男だった…。最初は不安を感じていた岩井だったが、室田の教えてくれる未知の世界に触れたり、生活能力のない室田の世話を焼いたりする毎日は、楽しいものだった。そんな時間の中、岩井は次第に室田に心惹かれていき……。
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Posted by ブクログ
繊細な絵とお話を描かれる作家さんです。
多分好きなものが自分と近いので、毎回モチーフのどれもが素敵で。
ステラリウムと一緒に購入しましたが、どうもBLでファンタジーが苦手のようでこちらの方が好みでした。
緻密に描かれた植物がたまらないです。
多分、鉱石もお好きじゃないかと思っていたら、Cannaで連載していらっしゃるお話が鉱石絡みのようで、矢張り!と思ってしまいました。
描かれた二人の関係も、穏やかでこういうBLもいいものですね。
少年趣味とも違うのですが、初期の長野まゆみの雰囲気が好きな方はお好きな作家さんではないでしょうか。
木造校舎の夜の理科室なイメージです。
匿名
とても素敵な作品ばかり
3つのお話入り。
買って正解でした!時間が静かに流れてひっそりとしているお話で、温かく、どれもとても良かったし、画がとても繊細で丁寧です。
ですがそれだけでない。表題作のあとの『残灯』がこの本が持つイメージの中で異色ですね。言葉の意味の説明だったんですね。
神秘・幻想的で美しい細密画。3つのストーリーはどれも好みですが、表題に最も惹かれました。特に表題の描き下ろしは最高です。
感情の根、発芽という表現に、なるほどとなりました。忘れたいのに忘れられないことって、ちょっとしたときにキノコの如く顔を出し、苦しくなったりしますから。
気難しく人付き合いが苦手な室田が意外にスキンシップを好む設定にときめきました。ほのかな大人の色気も素敵です。
Posted by ブクログ
植物図鑑ならぬ、人間図鑑の一部を抜粋したような作品でした。
空気感は漫画というより詩集に近いです。
BL漫画という感じはあまりしません。
宝井理人先生の作品が好きな人は好きなんじゃないかなと思います。
収録されている話の中では「さかなの体温」がいっとう好きです。
人が眠っている時だけ姿を現す魚の姿が見える主人公、という設定が面白かったのでもっと掘り下げて欲しかったな、とも思いました。
ただファンタジーになりすぎないようにするには、これぐらいの見せ方で丁度良かったのかもしれません。
後日談SSの「午前0時の回遊」というタイトルにセンスを感じました。
Posted by ブクログ
ひたひたと心に沁みてくる感じ!
雑誌でちらっと読んで気になっていた作家さんだったので、思い切って買って大正解でした!!
絵もかなり好みだし、叙情的というか詩的というか、この優しい雰囲気がたまらなく心地よいです。