あらすじ
釈迢空の別名を持ち、学者にして詩人、詩人にして学者という生涯を送った折口信夫は、古代から近代にいたる日本文化を貫く本質をとらえ、詩歌、小説、文学研究、民俗学研究と他の追随を許さない多岐にわたる業績を残した。源氏物語、隠者の文学、短歌の滅亡、近代文学など折口が関心を寄せた日本文学の諸相を多彩な切り口で整理し、批評家としての全体像に迫る画期的評論集。
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Posted by ブクログ
折口信夫の文芸論を集めたもの。折口信夫が、文学と民俗学によって日本人の想像力のふるさとを明らかにしようとしていることがわかる。「零時日記」が折口の文学に賭ける想いが露わになっていて、生々しくていい。また、「詩語としての日本語」などを読むと、折口は、短歌的な、詠んだ瞬間溶けてしまうような気分的な日本語に対し、俳句、詩的言語によって、日本語の新しい文体・言語/思想を創ろうとしていたのかもしれないなどと想像できる。
中公クラシックスの折口信夫全集(民俗学萹)と読むと理解が深まると思う。