あらすじ
ここのところ統計学、ビッグデータブームが続いていますが、それになんとなくの違和感をもたれたことはありませんか? 統計分析やビッグデータを無意味と切り捨てるのではなく、しかし捉え方、付き合い方を刷新して、アイデアをより鋭く練磨しようと試みるのが「本質直観」です。「週刊東洋経済」で好評を博した、気鋭の若手研究者によるリレー連載「学問の現場から2012-2013」経営学担当、水越康介先生の打ち出す経営学+哲学の新機軸をご覧ください!
【主な内容】
第1章 優れた経営者は直観する
第2章 ソーシャルメディアから本質直観を考える
第3章 本質直観とは何か
第4章 誰のどんな声を聞いてどう応えるか?
第5章 市場志向がめざすものとは?
第6章 無意識は取り出せるか?
第7章 過去をたどって自分自身を問い直す
第8章 「質」と「量」の見かたを根本から更新する
第9章 リサーチを生かす組織の仕組み
第10章 ビジネス・インサイトの本質直観
第11章 本質直観の本質直観
第12章 直観をどうやって伝えるか(という問いは必要か?)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
竹田現象学を知っている人にとっては、頷ける内容ではありますが、知らない人にとっては、すぐに腑に落ちるのは、難しいかもしれません。
その竹田現象学のアイデアをヒントに、マーケティングの世界に置いて、本質直感という手法を使って、外に向かって分析するのではなく、内に向かって分析することで、自分の「気づき」を深堀りすることが、核心に迫る有効な方法論という主張。
Posted by ブクログ
マーケティング・リサーチを、
既存の哲学・思想などを使い、
考え直してみるというような本だと理解。
あまり理解が出来なかったという感想。
でも顧客の声がすべてじゃないっていう所は同意。
Posted by ブクログ
マーケティングの話。
全く新しい商品やビジネスモデルを創出する方法で、全ての商品に対する考え方ではないことは、注意が必要
大前提は、顧客は答えを持っていない。答えは自分自身の確信である。
確信を得るためには、マーケデータやオブザベーションによる気づきが必要。
その気づきを確信に変えるためにマーケデータなどが必要
自分自身で考えぬけって話。
哲学的な内容が多くて読むのが大変。。。
Posted by ブクログ
哲学的な読み物としては刺激的で面白かった。
本書は、マーケティング・リサーチのあり方として、従来の、外(市場、ユーザー等)に答えがあるという方法論が間違っており、本質直観というリサーチャー自身の感触、確信を問い直した先にこそ答えが見えてくると主張する。
その主な理由として、外にあるはずの答えの真実性は確認できないことが挙げられ、それはその通りだと思うが、そもそも多様性の世界に絶対的な真実などないし、だからといって傾向的な選考性などは否定されえない(推定可能だ)と思われる。一方で、外からの刺激や情報に接した自身が何らかの思い・確信をもつことそのものは実存を疑わないが、それを問い直しながら見いだした答えが本当に有効なのか、どれだけ有効なのかは、やはり実証されえない。
結局のところ、外のデータそのものは何も語らず、そこからどんな答えを引き出すのかという方法論が研究されていることは分かるが、本質直観する自分自身の知識、経験、性質、外との関連性に結果が影響されるだけに必ず上手くいくというものにはなりえないように感じられる。すると、従来のリサーチ結果を会社のトップで諮り、社長が自身の感覚に基づいて専断するという状況とどれだけの違いがあるのだろうと疑問に感じた。
思うに、市場そのものには革新的な商品へのニーズはなく、しかし最終的な売れ筋は市場しか知らないわけで、その間のリサーチャーの感性、本質直観がどこまで有効なのか、結局はやらなきゃわからないのなら、そこを超える何かを大いに期待したい。
14-62