あらすじ
「テメエら、もっと怒れ! 会社のウソを見破り、社会のウソを見破れ!」
『ドラゴン桜』の東大合格請負人・桜木建二が、
今度は社会人のためのビジネス講座を開く!
◎仕事とは「大いなるヒマつぶし」だ!
◎仕事を辞めたい原因は「半径五メートル」の人間関係にある!
◎会社の「地盤、看板、カバン」を使いこなせ!
◎タテ(上司)、ヨコ(同僚)、ナナメ(外部)に人脈をつくれ!
◎仕事は五分、残りは「作業」だ!
◎会議をやめて「円陣」を組め!
◎「指名されること」こそ最高の評価だ!
使われるのがイヤなら、選ぶ側に回る。
ダマされるのがイヤなら、ダマす側に回る。
社会のルールに文句をつける前に、ルールをつくる側に回る。
基本的には、それだけの話だ。
『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾、ここに開講!
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Posted by ブクログ
【感想】
何度も何度も読んだ本。仕事面でのバイブル。読むたびに、「よし、これからも頑張ろう!」と思える本。
「所詮仕事」と割り切る姿勢。
そのような割り切った考えを持ちつつ、目の前の仕事を片付け、結果や評価を追い求める。
自分自身、このスタイルは本当に心の支えにしている。
ストレスをためず、仕事そのものを楽しみ、成功への道を歩む為の、この本は大きな道しるべとなる。
辛い時やモチベーションが下がった際に、これからも何度も読み返したい本。
【内容まとめ】
1.世の中は、所詮「正直者がバカを見る」ようにできている。従順にならず疑うことを覚え、自身で打開するしかない。
2.転職か独立か、それとも「残留」か。どの選択肢を選ぶかによって過ごし方は変わってくる。
3.転職、起業をする事が大切なのではない。次の一手や、「いつでも辞められる準備」をしておくことが大切だ。
4.仕事なんてものは、所詮ひまつぶしでしかない。「たかが仕事じゃないか」と割り切ることも大切。
5.今必要なのは目の前の仕事を片っ端から片付けること。
→結果を出し、1人でも多くの顧客を掴み、ひとつでも多くの実績を残し、1人でも多くの同僚・上司に「あいつはすごい」と認めさせること。
6.とりあえず、大声で笑っておけ。笑いには、とんでもない伝染効果がある。
7.どれだけ多くの仲間に囲まれているか。つまり、どれだけ人生を楽しんでいるかが、最終的な仕事力を決めるのだ。
【引用】
p19
世の中なんてものは、所詮「正直者がバカを見る」ようにできているのだ。
いくら「こんな社会は間違ってる!」と正論を吐いたところで、世の中は1ミリも動かない。
エネルギーの無駄遣いである。
なぜ正直者はバカを見るのか?
それは、「正直者がバカだから」である。
正直と言えば聞こえはいいが、要するにそれは従順すぎて、疑うとを知らず、何もかも人任せにしている。
p36
日本における成果主義とは、ただ「若い連中の定期昇給を行なわないためのシステム」。
「中高年の既得権を守るためのシステム」。
ただベテランというだけで、新入社員の倍以上の給与を受け取る中年達が多いのが実際のところではないか?
p41
・転職か独立か、それとも「第3の道」か。
第3の選択肢は、あえて現在の会社に残ること。
ひょっとしたら、今の会社にも何らかの可能性が残されているのかもしれない。
転職、独立、残留という3つの選択肢。
p47
・独立の「リスク」より「必要条件」を考えろ
能力に自信のある人間は、どんどん独立すればいい。
働けば働いた分だけ自分に返ってくるし、煩わしい社内の人間関係から解放される。
だが、多くの人は独立時のリスクから先に考えてしまいがちだ。
会社を辞めるリスク、失敗した時のリスク、資金繰り、その他諸々。
独立にリスクが付き纏うのは当たり前!
リスクなんて、それ以外でも常に存在する。
どんだけ頑張っても決してゼロにならない。
独立の際に考えるのは、「必要条件」だ。
必要な条件を1つずつピックアップしていくことが大切。
(殆どの場合、前の会社で掴んだクライアントを持っていく形で、今の仕事の延長線上になる。)
自分についてきてくれるクライアントを見つけ、しっかり掴んでおくこと!
人を忘れた独立は、必ず失敗する。
p53
転職、起業をする事が大切なのではない。
「いつでも辞められる準備」をしておくことが大切だ。
すぐ次の一手が打てるような自分を作っておくことが重要!!
p59
仕事なんてものは、しょせん暇つぶしなのだ。
他にやる事がないから、孤独に耐えられないから、外に出て仕事をしているだけだ。
p64
・半径5メートルの人間関係に悩まずに済む方法
1.他者から必要以上に好かれようとせず、適度な変わり者になること。
2.別人格を演じる
→社内での立ち回りこそが、最大の仕事と腹をくくる。
誰とも本音で付き合おうとせず、必要以上に理解を求めようとせず、会社用の仮面をかぶり続ける。
3.「たかが仕事じゃないか」と考える
→しょせん暇つぶし。真面目に考えすぎない。
性格を変えずに、「考え方」を変える!
p72
ありもしない理想郷を探すな。
理想郷は、探すものじゃなく自分の手で周囲を改善して作って行くもの。
p74
仕事は探せ。職に就いてからも、探し続けろ。
新たな顧客、新たなマーケット、新たなビジネスチャンスを探し、それを現金化する。
それが仕事である。
しかし、自分は探すな。
必要なのは「自分探し」ではなく、一段ずつ自分を積み上げて行く「自分づくり」なのである。
p77
自分が何にストレスを感じているのか?
難しいテーマだ。
しかし、ストレスの原因究明は急がないといけない。
気づかないうちにたまり、気がついた時には手遅れとなり、暴発する。
p87
いずれにせよ、今必要なのは目の前の仕事を片っ端から片付けることだ。
バンバン結果を出し、1人でも多くの顧客を掴み、ひとつでも多くの実績を残し、1人でも多くの同僚・上司に「あいつはすごい」と認めさせることだ。
p92
・まずは会社で出世してみろ!
本当の意味で会社を骨の髄までしゃぶりつくす唯一の条件、それは出世だ。
会社の中での発言力を強めて、物事を自分の思い通りに動かす自由を手に入れるには、出世する以外に道はない。
まず第一に必要なのは「人脈」。
上司やその上にいる取締役クラスとの個人的な信頼関係。同僚・後輩たちとのつながり。
有力なクライアントを手中に収めている事。
第二に、「ムダがない」こと。
常に全力疾走で忙しく動き回って、成果も上げるが失敗も多い、猪突猛進タイプの人間はあまりリーダーに向いていない。
それよりも、何事もムダなくスマートにこなすタイプの方がリーダーに向いている。
勿論、ムダがないということは、雑務と本務の見極め、物事の優先順位の見極めがしっかりできるということ。
第三に、「敵がいない」こと。
他者と協調して、他者の力を利用しながら成果を上げていくタイプ。
p99
・上からの信頼を勝ち取るには?
→なにより、「管理しやすい部下」であること!
、
自分や会社に迷惑をかけず、常に平均点以上の仕事が期待できる「確実性」。
面倒な仕事を率先して片付けてくれる「フットワーク」。
自分に牙をむくような真似をしない「忠誠心」
一言でいえば、自分の「便利屋」として働いてくれる部下が最も理想である。
p127
・24時間、常に仕事
仕事なんてものは人生の暇つぶし。
だが、そういう軽いものだからこそ、常に頭の中心に仕事がある。
ON OFFではなく「HIGHとLOW」で考えよう!
p240
・自己満足に陥るな、現状維持に抵抗せよ、自惚れを打ち砕け
「3つのC」に屈しない
complacency(自己満足)
→現状の自分に満足してしまい、順調だと思い込んで、その妨げとならないよう新しいことは何もしようとしない。
conservation(現状維持)
→リスクを負う事をやめた企業は、保守的な意思決定を下すようになってしまう。
企業が保守的になると、今あるものを大きくするのではなく、守る事を前提に決定を下す。
→リスクを負う魅力。保身に回らない企業は、他者が絶対に立ち入らない事業を試し、そして成功を勝ち取ることができる。
conceit(うぬぼれ)
p152
・スケジュールは立てるな!
手帳には「予定」よりも「結果」を書け!
1日の終わりに今日は何をどれだけやったのか、勉強した内容から時間、わからなかぅたことまで、なるべく詳細に書いていく。
→「自分はこれだけやったんだ」という自信が湧く。
p163
成功への近道は、「こいつと一緒に仕事がしたい」と思わせることだ!
p167
・会社員の「ゴール」はどこにある?
転職にせよ独立にせよ、それはあくまで自分の目標を実現するための「手段」だ。
どんな「ゴール」を設定すべき?
それは、「指名」である。
指名してくる相手は、会社の「地盤・看板・カバン」ではなく、他ならぬお前さんだけを見ている!
指名が多ければ多いほど、その人のビジネススキルが認められ、人間性が認められ、仕事力が認められたという証拠なのだ。
p175
・「一緒にいると楽しい」と思われるには?
とりあえず、大声で笑っておけ。
見ていて気持ちよくなるくらい、思いっきり笑っておけ。
笑いには、とんでもない伝染効果がある。
大声で気持ちよく笑うことができるやつは何故か好かれるし、なぜかまた会いたいと思われ、やがてコイツと一緒に仕事がしたいと思われるのである。
p188
・ときには断って希少価値を高めろ
指名されれば喜んで引き受ける=便利屋である。
若いうちは便利屋でいることも重要だが、いつかはそこから抜け出さないといけない。
「あえて指名を断ってみる」という戦略。
→「予約でいっぱいの男」というセルフプロデュースでもある。
自分は引く手あまたであるという事と、断る事もあるということをアピールするのだ。
人間の心理とは面白いもので、断られたらそこに「希少価値」を感じるようになる。
押して引いての揺さぶりを掛け、やがて自分の掌の上に相手を乗せるのである。
p196
使われるのが嫌なら、使う側に回る。
騙されるのが嫌なら、騙す側に回る。
社会のルールに文句をつける前に、ルールを作る側に回る。
これは自分1人で出来るものではない。
多くの人の協力、特に多くの有力者の協力があってこそ、可能になるものだ。
どれだけ多くの仲間に囲まれているか。
つまり、どれだけ人生を楽しんでいるかが、最終的な仕事力を決めるのだ。
Posted by ブクログ
自分も好きな漫画のひとつである「ドラゴン桜」で有名な漫画家、三田紀房の著書。
相変わらず歯に衣着せぬ物言いで、我々の固定観念を覆すような達観した持論を展開して、納得できる点が多いので、読んでいて気持ちが良い。
特に、冒頭で語られている、「正直者は何故バカを見るのか?それは正直者はバカだからだ。」という持論には完全に心を掴まされた。その後、正直者こそ、世の中のルールを知って、自分の考え方・生き方を変革させていけ、と展開していく。
また、「デキる人間・成功している人間は、こんなビジネス成功本や人生指南書なんて読まない。読んでいる暇がない程、エネルギッシュに活動している。」とこの本の存在自体を否定するものの、それを知って現状認識をすることが重要で、これからが自己改革のスタートだ、とこの本の存在価値を提言する。
確かに本ばっかり読んでいても、行動しなければ意味が無いんだよなぁ。重々承知しております。
Posted by ブクログ
汗をかかずにトップを奪え
~『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾~
──現代を突破するためのマインドセットとは──
「努力は必ず報われる」──この言葉に、疑問を持ったことはないだろうか?
僕はある。特に社会に出てから、そう強く感じるようになった。
努力しても報われない現実、誠実に働いても成果が出ないもどかしさ。
そんなモヤモヤを一刀両断にするのが、この一冊だ。
三田紀房『汗をかかずにトップを奪え~『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾~』は、ただの漫画家が書いたビジネス書じゃない。これは、現代社会の“泥臭い綺麗事”に立ち向かう、若き挑戦者たちへの戦略書だ。
1. 「トップに立つ」ための現実主義
この本の最大の特徴は、「綺麗事を排除して、現実を直視しろ」と言い切っているところにある。
まるで『ドラゴン桜』の桜木先生がそのまま現代ビジネスを解説しているかのような語り口で、「努力よりも情報」「根性よりも戦略」が強調されていく。
これは決して、努力を否定しているわけではない。
ただ、「無駄な努力をするな」ということだ。闇雲にがんばっても報われない時代に、僕たちは生きている。
だからこそ、トップを目指すなら「汗をかく前に頭を使え」「先にルールを知れ」という主張が、強烈に響いてくる。
例えば、就職活動における企業分析。面接の答え方。昇進・昇給の構造。
多くの人が「正解だと思っているルール」は、実は既得権益側が用意した“幻想”かもしれない。
本書はその幻想を壊し、「勝つための本質」を見極めろと迫ってくる。
2. 「社会は不平等」であるという前提に立て
本書の中で何度も繰り返されるのが、「この世は平等じゃない」というセリフ。
これに対して嫌悪感を抱く人もいるだろう。でも、僕はこの冷徹な視点にこそ、突破の鍵があると感じた。
なぜなら、不平等を前提にしない限り、「戦略」は立てられないからだ。
たとえば、親ガチャ、学歴、職場環境、性別、出身地。
これらは確実に人生に影響を及ぼしている。
それなのに「努力でなんとかなる」と思ってしまったら、対策ができなくなる。
この本は、徹底して「不平等な世の中で、どう勝つか」を突き詰めている。
ビジネスで言えば、競合の資本力、既得権益との関係性、情報へのアクセス。
こうした不均衡な条件の中で、自分がどうやって道を切り開くか。
それを考えるために必要なのは、「理想論ではなく、現実への洞察力」なのだ。
3. 自分の「ポジション」を取れ。常識に従うな
本書の真髄は、ビジネスでも人生でも、「ポジショニング」に尽きると僕は感じた。
要するに、「みんなが行く方向とは別の場所で、自分の価値を築け」ということ。
これは、凡庸なビジネスマンとして生きるか、圧倒的なトップとして差別化されるかを分ける分岐点だ。
たとえば僕自身、かつては食品メーカーで働いていた。
周囲に合わせて、同じような営業資料をつくり、同じようなプレゼンをしていた。
でも、気づいた。「同じことをしていたら、同じ評価しか得られない」と。
起業してからは、まさにこのポジショニングの重要性を痛感する。
大企業がやらない領域。手間がかかるけど顧客が本当に喜ぶところ。
そういう場所に立つことで、勝負ができるようになった。
本書も同じことを説いている。
「誰もがやる努力ではなく、誰もやらない方法で結果を出せ」と。
そのためには、まず常識を捨て、自分のポジションを“自分の頭で考えて”決める力が必要だ。
4. 情報戦を制する者が、未来を制す
「情報格差」は、現代を生き抜く上で最も残酷な差だ。
そしてそれは、ビジネスの現場でも日常でも、あらゆる場面で僕たちに突きつけられている。
本書はこう問いかけてくる。「あなたは、知っているか?それとも、知らずに損しているか?」
たとえば、税制や助成金、SNSのアルゴリズム、営業の心理学的アプローチ──
それらを「知らないまま努力する人」と、「最初に仕組みを学んで結果を出す人」とでは、成果に天と地ほどの差がつく。
僕はこの本を読んで、「無知のコスト」の大きさに改めて震えた。
逆に言えば、情報を掴むこと、そして自分で調べることこそが、最大の“自己投資”であると痛感する。
5. 信念より、行動。理想より、数字。
「自分のやりたいことをやれ」と叫ぶ風潮がある。
もちろん、理想を持つことは大切だ。でも、現実を変えるのはいつだって「行動」であり、「結果」だ。
本書は何度も、「結果で語れ」と説いてくる。
口だけの綺麗事や情熱では、現代は突破できない。
数値化された実績、成果としての証拠、それがなければ説得力を持たないのだ。
起業してから、僕も強くそれを感じている。
仲間を動かすにも、顧客に信頼してもらうにも、数字がいる。
PV、成約率、成長率──理想やビジョンではなく、「成果という現実」こそが人を動かす。
結びに──「戦略的な熱さ」を武器にせよ
この本のタイトルは一見、「ズルく勝て」と読めるかもしれない。
けれど、読み終えたときに感じるのはむしろ、「どう戦えば報われるかを学べ」という真剣な熱さだ。
『汗をかかずにトップを奪え』という言葉は、“楽をしろ”という話ではない。
“努力の仕方を変えろ”という、進化の提案なのだ。
20〜30代のビジネスパーソンへ。
もし、今の働き方や生き方に疑問を感じているなら、
この本を読んでほしい。
常識に縛られるな。情報を武器にせよ。戦略を持って、情熱を燃やせ。
それこそが、現代を突破する“新しい汗のかき方”なのだから。
Posted by ブクログ
「デキるヤツはこんなビジネス塾には来ない」「ビジネス成功法や人生の指南書なども一切読まない」という煽りから、どれだけ尖ったことが書いてあるのかなと思って読んだら、意外とまっとうで、納得できる内容だった。良い意味で予想を裏切られた。