【感想・ネタバレ】氷石のレビュー

あらすじ

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「これがほしいの」宿奈がさしだした手の上に、千広が売った小石がのっていた。「疫病に効くとか大神のご加護とか、全部、空言なんだぜ」「知ってる。それでもかまわない。つるつるしていて、まるで水晶みたいでしょう。水晶のこと、氷石ともいうのだって…」ひたむきさを失いかけた少年に訪れる、天平九年の夏の出会い。

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Posted by ブクログ

過去の恨み辛みを力にして生き抜く千広と、現在をめいっぱい感じきる宿奈。
心地よい時も、命が消えそうなときも、宿命にあらがわず身を委ねる宿奈がとても印象的でした。
そんな宿奈に出会って、千広も世界の見方が変わってきます。
とっても素敵なお話でした。二人には末永く幸せでいてほしいです。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

久保田香里さんは、いつも難しい(資料があまりなさそうな)時代を舞台に子ども向けの小説を書く人だが、これも天然痘のエピメディックが起こっている天平九年(737年)の平城京を舞台にしている。
父は遣唐使となって唐に行ったまま戻らず、母を天然痘で亡くした少年千広が、生き抜く姿を描く。
コロナの流行で疫病を描いた小説が注目されたんだから、これもそうなればいいのに。
虐待されながら藤原家で働く少女宿奈との交流は、傷ついた心を持つもの同士が惹かれ合う切なさに胸が熱くなる。
今のような医療もなく、もちろんワクチンなどもなかった時代、それでも生き延びた人々がいたからこそ、今の私たちがあるのだ。
遣唐使とか平城京とか、歴史の教科書で覚えただけの知識が、この物語を読むことで血肉を伴った人間の営みとして感じられるようになるのも、久保田さんの作品のいいところ。
巻末の研究者の解説もとても良い。

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2021年04月18日

Posted by ブクログ

55点。期待はずれ。可もなく不可もなく。
これ読むなら「鬼の橋」とか「えんの松原」とか読んだほうがよっぽどおもしろいし、歴史に興味がわくと思う。
スイーツ寄りの子なら荻原規子のシリーズとか。
(気は乗らないがつづきはまた今度)

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2012年11月24日

Posted by ブクログ

平城京の都、遣唐使船に乗り込んだ父の影を払えず
ささくれた心のまま一人生きようとする少年。
やがて周囲の人々によって再び夢を取り戻す…

遷都1200年の奈良の都にふさわしく、
施薬院や光明皇后も登場。

一気に読める一冊。

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2010年06月09日

Posted by ブクログ

どうしても「水底の棺」と比べてしまう(一昨日狭山池博物館に行ってきたせいもあるかも)し、
そちらに軍配を上げてしまう。
「水底…」のほうが、主人公の境遇や、物語の起伏に、より深みを感じる。
しかし、解説にもあったように木簡を扱った歴史小説という点では面白い。
また、表現の面白さを感じたところは、時代性を超えた人と人のやり取り部分だったりする。
そこが作家として、現代物も期待できるととるのか、時代物を書くための力量に疑問を感じる、
ととるのか。判断は難しい。

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2009年10月04日

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