【感想・ネタバレ】ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ~ハイテク海洋動物学への招待~のレビュー

あらすじ

水生動物の生態は、直接観察できないため謎が多かった。だが、今や日本発のハイテク機器を動物に直接取り付ける手法によって、教科書を書き換えるような新発見が相次いでいる。

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ネタバレ

海洋生物についての考察と著者の研究苦労話のエッセイ。
アザラシとペンギンの潜水方法の違いの話はとても興味深い。

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2012年04月06日

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ネタバレ

バイオロギングサイエンス:
ペンギン、アザラシ、ウミガメなどの水生生物に"データロガー"を取り付け、
水中での動物の生態を分析する学問

ペンギン:
もぐる深さによって吸い込む空気量を調整している
深くもぐる時ほどたくさんの空気を吸い込む

空気量で中性浮力点を調整
 中性浮力点:浮く力と沈む力が拮抗する状態

潜水浅い時:空気少ないため、中性浮力点が浅い→浅いところでエサをとりやすい
潜水深い時:空気多いため、中性浮力点が深い→深いところでエサをとりやすい

浮上する時は、体内の空気の浮力を使って浮上し、
ヒレを動かさずに滑空するように斜めに海面から飛び出す

アザラシ:
ペンギンとは逆に空気を吐き出してから潜る
身体から浮力をなくして、重力を使って水中を落ちるように潜り、
浮上する時はヒレを使って浮き上がる

研究体験談:
データロガーをつけたら、回収するのが大変
産卵期、子育て中など同じ場所に戻ってくる時期と習性を利用する

南極のペンギンは天敵がいないので警戒心が薄くつかまえやすい
(北極にはホッキョクグマという捕食者がいる)
ペンギンの巣には数万匹が一緒にいるので、見つけるのが大変
一回捕まったペンギンは近づくとソワソワするのでわかる

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2011年09月03日

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ネタバレ

「体重30トンのクジラから,500グラムの海鳥まで,みな秒速1メートルから2メートルで海の中を泳いでいた!」(冒頭の一文)

いい研究書だった.
わかりやすく,面白く書いてある.
著者が心から研究を愛しているのが伝わってくる.

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2011年04月18日

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[ 内容 ]
ペンギン、アザラシ、ウミガメなどの水生動物は、海の中でどのように活動しているのだろうか?
その生態は、直接観察できないため謎が多かった。
だが、今や日本発のハイテク機器「データロガー」を動物に直接取り付けることによって、本来の生息環境下で、己の生存をかけてきびきびと動き回る動物たちの姿が解明されつつある。
この分野では、教科書を書き換えるような新発見が相次いでおり、「バイオロギングサイエンス」という新しい学問が誕生した。
いま、生物研究のフロンティアは水の中にある。

[ 目次 ]
1章 カメが定温動物でトリが変温動物?
2章 浮かび上がるペンギンと落ちていくアザラシ
3章 研究を支えるハイテクとローテク
4章 アザラシは何のために潜るのか?
5章 ペンギンの潜水行動を左右するもの
6章 ペンギンはなぜ一列になって歩くのか?
7章 教科書のウソとホント

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月07日

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ネタバレ

水中の世界は陸上動物である人には、まだまだ未知な世界だと感じた。
ペンギンやアザラシの潜る深さについて、ペンギンは中性浮力(無重力のような状態)で楽に餌探しをするために予め吸う息の量を加減しているというのは驚く。また、アザラシは体の大きさで潜る深さが決まっているとのこと。同じ潜って餌を探す動物でも、自分の特性に合わせて生きるすべを持っている。生きているっていう結果は凄いな。と感じる。背後には揺るぎない仕組みが備わっている。

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2014年01月04日

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≪目次≫
はじめに
第1章   カメが定温動物でトリが変温動物?
第2章   浮かび上がるペンギンと落ちていくペンギン
第3章   研究を支えるハイテクとローテク
第4章   アザラシは何のために潜るのか?
第5章   ペンギンの潜水行動を左右するもの
第6章   ペンギンはなぜ一列になって歩くのか
第7章   教科書のウソとホント
あとがき

≪内容≫
バイロギング(データロガーをつけた生物<特に海洋生物>の行動や生理、それを取り巻く環境を調べる研究)の第一人者の研究と体験の報告。ただ、著者が一番言いたかったのは、第7章のそれも最後の部分だと思う。世の中の金になる安定した職業を目指して大学に行くよりも、何のために役立つかわからない研究のために学問をする(大学で学ぶ)。それが結局は若者の生きる力になる、と…。

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2014年07月28日

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バイオロギングの創成期のお話。世界トップクラスになるまでの著者の試行錯誤の有り様を面白く魅せてくれる本。科学者とは何かの役に立てようといった下心を持たず、面白いから続けるという姿勢は見習うべき物があるとおもった。また、過酷な自然環境での調査の知恵として、「万全の準備をしたときに限り、その準備が不必要であったかのごとく物事がうまく進む。」っていうことを実感のこもった言い方で伝えてくれた。

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2011年06月05日

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