あらすじ
水生動物の生態は、直接観察できないため謎が多かった。だが、今や日本発のハイテク機器を動物に直接取り付ける手法によって、教科書を書き換えるような新発見が相次いでいる。
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予想をはるかに超えて面白かった。
ガヂガヂの数物系であった自分からするとこういう素朴なアイディアに基づいた研究について知るのはとても刺激的だった。冒頭のアザラシやペンギンの写真はどれもとてもかわいい。筆者はデータロガーを動物に取り付け、それを回収するために奮闘するわけだが、対する動物の描写がとても可笑しくて笑ってしまうところがたくさんあった。
最終章は読者に対する知的冒険への誘い文句である。シャックルトンの言葉を引いているが、実際に南極で調査研究を続ける筆者が言うとこちらの心にも強く響くものだ。研究というのは素晴らしいなと思った。名著。
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1月に国立科学博物館で聞いた著者の講演を思い出しながら、最後まで楽しく読めた。バイオロギングの成果と魅力を、親しみやすいエピソードを多数交えて、情熱と人柄あふれる文章で書かれていた。
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著者は温度計、体温計、加速度など各種センサーを海洋動物に取り付けて得られたデータから生態を探ってきた。
研究内容や結果そのものも興味深いが、試行錯誤や偶然の発見を繰り返す研究生活がドラマチックでノンフィクションとは思えないほど楽しい。
南極の暴風の中でうまく小便する方法とは!?
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わくわくする未知の世界の研究。
役に立てようとして研究すると案外役に立たない。
興味と興奮で研究したことが思いのほか役立ったりする。
準備万端のときはうまくいく。
ミスがあったときに限って自然は痛いほどそこを突いてくる。
求む男女のコピーがとても素敵!
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読んでいてこんなに楽しかったのは久しぶりだ。
未知の自然というものを対象にした研究の醍醐味が詰まっている。
研究者とはかくも冒険者であったのか。
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海洋生物研究のタフさとダイナミズムの息吹が伝わってくる。氷下のアザラシの子が泳ぐ写真、ペンギンの群れの水中グライディングの写真がとても素晴らしい。
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著者は、東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター准教授の佐藤克文氏。
バイオロギングサイエンスと呼ばれる分野における著者の研究成果がまとめられた本である。バイオロギングサイエンスとは、細かい定義は別にして簡単に言うと、野生生物にカメラや速度計・深度計などの記録装置をつけて日頃の動物たちの行動を研究するというもの。ウミガメの体温変動から始まり、ペンギン・アザラシへと広がっていく著者の研究内容とその成果は常識を覆すようなものばかりで非常に興味深い。研究成果などというと小難しいことが書かれているように感じる人も多いだろうが、全くそんなことはない。説明にはグラフが用いられているから数式は登場しない。したがって数学は殆ど不要。さらに、とてもわかりやすい文章で説明がなされているので安心して読むことができる。
そして、この本に楽しさをプラスしているのは、研究の過程で起こった出来事、舞台裏での苦労話などがあちこちに散りばめられているところ。現場での研究者と動物の間に起こるハプニングなんかは非常におもしろく、次は何が起こるのか、わくわくしながら読む事ができた。
タイトルに出ている「ペンギンもクジラも秒速2mで泳ぐ」話は最終章でやっと登場するのだが、読んでいて著者がどんな思いでタイトルをつけたのかに気付いた時は正直、感動してしまった。ただ単に研究成果を一般向けに書籍化したというのではない。もっと根本的な事、研究とは何かということまでひっくるめて、著者の思いが詰まった一冊。
これは、読まなきゃ勿体ない!
Posted by ブクログ
ペンギンやアザラシなどの海洋動物にハイテク機器「データロガー」を取り付けたことで見えてきた、本来の生息環境下で動き回る海洋動物たちの姿について書かれた本。
本書を読むことで、動物たちにデータロガーを取り付けて生態の記録を採る「バイオロギングサイエンス」を知ることができます。
Posted by ブクログ
高校時代、理系少年だった私は生物、脳科学、地学などなどノンフィクション系の本だとそういうのばっかり読んでいる。急に方向転換して美大に行った手前、もっと勉強したかったな~~~という思いがくすぶっているのである。ぶすぶす。
敷居が高いと思われている理系本達だが、実は文系本より優れているな~と思うところがある。わかりやすいのである。理系の研究にはとかくお金がかかる。記録して、実験して、機械を調達して…と、論文にするまでに多額のお金がかかりるものなのである。ラット1つとっても手間もお金もかかるし。とすると研究者がどう考えるかというと、スポンサーゲットに必然、力を入れるのである。わかりやすく、おもしろく、メリットを説いて、お金を出させる。こうしたことが特に若い研究者の間では得意スキルになっているようで、そのため、ド素人のような読者でも読んでてわかりやすく書いてくれているのである(これは内田樹先生か誰かが言っていた)。
そしてもう1つ、個人的に好きなことだが、この理系研究者達、情熱がすさまじいのだ。このペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐの著者はしょっちゅう南極に行ってペンギンやアザラシのデータロガーを付けているのだが、嬉々として1年半南極で研究生活を過ごし、帰国してまたすぐアメリカの研究者に誘われて南極にまた行っちゃうフットワークの軽さは、まわりの「大変だね~」的な考えなんぞ関係なし!で楽しそうだな~。我々ヲタクも軽いフットワークで情熱を燃やしていきたいですね。
Posted by ブクログ
実に刺激的、かつ文章にも工夫が凝らされていて一気に読める。
最近こういう、若手・中堅研究者が自分の専門領域を面白く語る本が増えてるなあと感じる。本書はそのムーブメントのさきがけ、かな。
Posted by ブクログ
「求む男女。ケータイ圏外。わずかな報酬。極貧。失敗の日々。絶えざるプレッシャー。就職の保証なし。ただし、成功の暁には、知的興奮を得る。」私のところに来たら、まずは身近な動物で修行を積んでもらうことになる。試行錯誤の末に晴れて学位を取得したら、データロガーと一緒に、世界中の僻地に飛ばしてあげよう。そういう佐藤氏はバイオロギングという手法で動物の生態を研究している。
学校の教科書には鳥は恒温動物で爬虫類は変温動物だと書いている。しかしウミガメの体温は23℃でほぼ一定で逆にペンギンは深く潜るときに体温維持には最低限しかエネルギーを使わず酸素消費を抑えている。
ペンギンは深さ500m時間にして最大27分潜っている。ペンギンは息を吸い込んで潜り、10分ほどで空気中の酸素濃度はほぼなくなってしまう。その後どこまで息継ぎせずに我慢できるかは謎が残っている。空気を吸い込むと浮力がつき潜るにはマイナスなので最初に一生懸命羽ばたく。ある程度の深さに潜ると圧力で空気が縮みある深さで浮力と重力が釣り合うがペンギンはちゃんと潜る深さで吸い込む息の量を変えている。そして浮いて来る時にはヒレを拡げ浮力に任せて水中を滑空する。ペンギンカメラが捉えた8羽のペンギンがヒレを拡げている姿が写っている。そして水上に飛び出す時にはその高さに合わせて速度を調整している。
アザラシは逆に息を吐き出して潜る、というか沈む。アザラシは肺に貯めた空気ではなく血液中に蓄えた酸素を利用している。子育て中のアザラシは子供に泳ぎを教えるようにゆっくり泳ぎ、これまた後ろ向きにつけたアザラシカメラに後を追う子どもが写っている。
どうやってペンギンやアザラシに装置を付けるかというと、ペンギンの場合は足を傘の柄の様なもので引っ掛けゆっくり引っ張るとヨタヨタと近づいてくる。そこでさっとヒレを気をつけで足首はつま先を伸ばして小脇に抱えるとペンギンはおとなしくなる。頭にフードをかぶせて固定すれば体重も測れる。アザラシの場合も頭を袋に入れると大人しくなるのでそこに麻酔剤を入れて吸い込ませる方法が日本チームにより開発された。
ペンギン牧場の作り方。
南極に行って氷の上に柵を作る。氷に穴を開け海に入れるようにする。たまに
ペンギンを狙ってアザラシが来るのでできれば穴は二つ。ペンギンは普通コロニーを作っているが時々さまよっているのがいるので上記のやり方で捕まえて柵に入れる。牧場の様子を除きにきたペンギンがいれば後ろに立って追い立てると自分から柵の中に入ってくれる。海に潜ったペンギンは潜った穴に戻ってくるのでこれで牧場は完成だ。餌も自分で撮ってくるので必要ない。
題名になったのはバイオロギング研究者が増えたことでデータを集めてはっきりした。マッコウクジラからペンギンまで泳ぐ速度はほぼ秒速1~2mで一定している。これは筋肉の効率的な速度と関係していると予想し体の大きさとストロークを両対数グラフにプロットすると見事に直線に乗った。筋肉そのものの収縮速度が同じなら大きなクジラは移動距離が長いので周期はゆっくり、小さなペンギンでは速くなるというのが仮説だった。
仮説と実証実験というのが現代の科学の一般的な手法だが、バイオロギングというのは装置からして発達中の学問で、例えば南極の棚氷の下で深い層に餌がいっぱいあるなどもこれまで知られてなかったことが見つかっている。測定が先で仮説が後からついてくるあたり都度都度方向変換が必要でしかも南極の場合シーズンを逃すと次の実験は1年後で下手をすれば帰っている。なかなか大変な研究だ。
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学校の教科書には「わかっている」ことばかりが並んでいるので、学校でたくさん勉強した人たちは、この世の中の大抵ことはもう「わかっている」はずだと信じて止まない。
ところが、本当のところ、教科書に書かれていることのすぐ外側には「わかっていない」世界が広がっているし、教科書に書かれていたことが、後になって実はあまり「わかっていなかった」ことがわかることさえある。
水族館などでお馴染みのペンギンやアザラシが、海の中で何をやっているのか。そんなことは、たしか生物の教科書のどこかに書かれていた気がするし、そうでなくても、とっくに誰かが調べているはずだ。そう思うのが普通だろう。
ところがこれが大違い。海の中の出来事のうち、私たちにわかっていることの方が少ないくらいだ。いくらハイテク機器を駆使しても、なお海の中のほんの一部のことしか知ることができない。本書はそのことを赤裸々に語ってくれる。
誰もが「わかった」風に思っていることが、実は「わかっていなかった」ことに気づいて、虚心坦懐に事実を探求し、成果を丹念に論文化する。学問は常にこういった地道な努力の上に成り立つ。本書は、そのことを丁寧に説明しつつ、その先にうっすらと見えてくる「知的興奮」の存在を、十分に示唆してくれている。
Posted by ブクログ
海洋生物への関心は高い。でも、眺めて和むくらいの、かなり浅い興味かも。そんなの好きに入らないよって自嘲するくらい、熱い視線が感じられる著作。どんな分野でも、のめり込んだらそれなりに認められますよね。
Posted by ブクログ
海洋生物の博物学。タイトルから流体力学の話を期待してたけど学術的な話は薄め。本題は”如何にして極寒の地で動物の行動履歴を取得したか”であり、知識探求のための冒険の物語。結びの一文がすばらしく、一言で本書を表してたのでまるっと引用する。シャックルトンの新聞広告のオマージュ。『求む男女。ケータイ圏外。わずかな報酬。極貧。失敗の日々。絶えざるプレッシャー。就職の保証なし。ただし、成功の暁には、知的興奮を得る』
Posted by ブクログ
バイオロギングサイエンス:
ペンギン、アザラシ、ウミガメなどの水生生物に"データロガー"を取り付け、
水中での動物の生態を分析する学問
ペンギン:
もぐる深さによって吸い込む空気量を調整している
深くもぐる時ほどたくさんの空気を吸い込む
空気量で中性浮力点を調整
中性浮力点:浮く力と沈む力が拮抗する状態
潜水浅い時:空気少ないため、中性浮力点が浅い→浅いところでエサをとりやすい
潜水深い時:空気多いため、中性浮力点が深い→深いところでエサをとりやすい
浮上する時は、体内の空気の浮力を使って浮上し、
ヒレを動かさずに滑空するように斜めに海面から飛び出す
アザラシ:
ペンギンとは逆に空気を吐き出してから潜る
身体から浮力をなくして、重力を使って水中を落ちるように潜り、
浮上する時はヒレを使って浮き上がる
研究体験談:
データロガーをつけたら、回収するのが大変
産卵期、子育て中など同じ場所に戻ってくる時期と習性を利用する
南極のペンギンは天敵がいないので警戒心が薄くつかまえやすい
(北極にはホッキョクグマという捕食者がいる)
ペンギンの巣には数万匹が一緒にいるので、見つけるのが大変
一回捕まったペンギンは近づくとソワソワするのでわかる
Posted by ブクログ
「体重30トンのクジラから,500グラムの海鳥まで,みな秒速1メートルから2メートルで海の中を泳いでいた!」(冒頭の一文)
いい研究書だった.
わかりやすく,面白く書いてある.
著者が心から研究を愛しているのが伝わってくる.
Posted by ブクログ
口絵の可愛らしさに惹かれて手に取った。水中動物の生態は実は知られていないことが多い、と改めて知る。つい人に話したくなるような研究成果が半分、あとの半分は研究の苦労話・裏話が満載というお得感が得られる本。想定読者は高校生なのだろうか、7章やあとがきは特に筆者の情熱を感じる。「何かの役に立てようなどといった下心を持たず、おもしろい研究を突き進めていくのが、科学者として真摯な態度なのだ」とは、格好いいなあ。そして「世の中の動物好き」に「私の興奮を何とか伝えられないだろうか」という筆者。伝わりました、十分。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ペンギン、アザラシ、ウミガメなどの水生動物は、海の中でどのように活動しているのだろうか?
その生態は、直接観察できないため謎が多かった。
だが、今や日本発のハイテク機器「データロガー」を動物に直接取り付けることによって、本来の生息環境下で、己の生存をかけてきびきびと動き回る動物たちの姿が解明されつつある。
この分野では、教科書を書き換えるような新発見が相次いでおり、「バイオロギングサイエンス」という新しい学問が誕生した。
いま、生物研究のフロンティアは水の中にある。
[ 目次 ]
1章 カメが定温動物でトリが変温動物?
2章 浮かび上がるペンギンと落ちていくアザラシ
3章 研究を支えるハイテクとローテク
4章 アザラシは何のために潜るのか?
5章 ペンギンの潜水行動を左右するもの
6章 ペンギンはなぜ一列になって歩くのか?
7章 教科書のウソとホント
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
水中生物のことが本当はあまり分かっていなかったのを知った。
世の中には分かっていないこと、仮設で常識とされていること
がいっぱいあることを改めて実感した。
教科書に書いてあることも疑う。
大学に行けばいくほど表面上は難しくなっていってなんとなく凄そうだけど、
ウソがどんどん大きくなっていくことは、言われてみれば納得。
ペンギンもアザラシの写真も興味深いし、
こんな仕事もあるんだなぁ、と最後まで楽しく読めた一冊だった。
Posted by ブクログ
海洋生物にデータロガーをつけて行動を把握する生物学者が書いた本。
まあ中身自体は他に無数にある生物学者の本と同じで、動物の生態は奥深くて面白いですね、という情報感である。
この本が特別なのは、筆者にはシュール系ギャグセンスと、普通のことを哲学的に書き起こす筆力があるということだと思う。
世界で一番面白い/勉強になる生物学本だとは思わないが、自信を持ってオススメできる読後感である。
Posted by ブクログ
バイオロギングという海洋生物学の最新手法を活用した研究の様子を伝えてくれる。研究の息吹とでもいうものを感じる好著。研究者というものはどういうものかを知ることのできる本と思う。巻頭のペンギンのカラー写真が可愛い。
Posted by ブクログ
水中の世界は陸上動物である人には、まだまだ未知な世界だと感じた。
ペンギンやアザラシの潜る深さについて、ペンギンは中性浮力(無重力のような状態)で楽に餌探しをするために予め吸う息の量を加減しているというのは驚く。また、アザラシは体の大きさで潜る深さが決まっているとのこと。同じ潜って餌を探す動物でも、自分の特性に合わせて生きるすべを持っている。生きているっていう結果は凄いな。と感じる。背後には揺るぎない仕組みが備わっている。
Posted by ブクログ
≪目次≫
はじめに
第1章 カメが定温動物でトリが変温動物?
第2章 浮かび上がるペンギンと落ちていくペンギン
第3章 研究を支えるハイテクとローテク
第4章 アザラシは何のために潜るのか?
第5章 ペンギンの潜水行動を左右するもの
第6章 ペンギンはなぜ一列になって歩くのか?
第7章 教科書のウソとホント
あとがき
≪内容≫
バイロギング(データロガーをつけた生物<特に海洋生物>の行動や生理、それを取り巻く環境を調べる研究)の第一人者の研究と体験の報告。ただ、著者が一番言いたかったのは、第7章のそれも最後の部分だと思う。世の中の金になる安定した職業を目指して大学に行くよりも、何のために役立つかわからない研究のために学問をする(大学で学ぶ)。それが結局は若者の生きる力になる、と…。
Posted by ブクログ
アザラシやペンギンに、加速度計や地磁気計などのデータロガーを背負わせて、海の中での動きを観測しようという「バイオロギング・サイエンス」のパイオニアのエッセイのような本。まるで大学の講義を聞いているかのような親しみやすさ、わかりやすさがある。語り口がちょっとジジくさい(失礼!)ので年配の方かと思っていたら1967年生まれの方だった。
それにしても、海洋動物が海の中でどのような動きをし、どのような食餌をしているのか、つい最近までわかっていなかったということに驚いた。
Posted by ブクログ
*この分野においては教科書を書き換えるような新発見があいついでおり、バイオロキングサイエンスという分野が登場している。そして今、生物研究のフロンティアは海の中にある。
*生物の本質を学ぶことで、経営の流れに生かすことができる情報が多くあるという事実を知るべきである。
*どの分野に進むのであっても、良い本をたくさん読み、国語力を磨く必要がある。文章を読んで情報を収集し、人と話をして内容を理解するだけではなく、書く文章や話す言葉で自分の考えを伝えるという基本能力は、必要不可欠な素養である。
Posted by ブクログ
バイオロギングの創成期のお話。世界トップクラスになるまでの著者の試行錯誤の有り様を面白く魅せてくれる本。科学者とは何かの役に立てようといった下心を持たず、面白いから続けるという姿勢は見習うべき物があるとおもった。また、過酷な自然環境での調査の知恵として、「万全の準備をしたときに限り、その準備が不必要であったかのごとく物事がうまく進む。」っていうことを実感のこもった言い方で伝えてくれた。