あらすじ
「できるだけ早く、帰ってきますね」――ひとりは、さびしいから。そう言って、微笑(わら)って父のもとに出かけていった敏生の、なつかしい、可憐な姿。――冷たい父だった、という。優しい言葉ひとつ、かけてもらえなかったという。けれど、死期が迫ったとき、彼は突然、息子に言ってきたのだ。会いたい――と。(……何か、胸騒ぎがする……)天本の予感は、まさに的中しようとしていた!
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Posted by ブクログ
とても悲しくて切なくて、しみじみ優しい。涙なくしては読めないこの1冊。
今回の舞台は京都。長く連絡を取っていなかった敏生の父が、死を目前にして連絡してきたことから話は始まります。今回はいわゆる「仕事」というシーンはありませんが、それでも敏生が大きく成長したんじゃないかと思える1冊です。
天本さんの体を気遣って、1人で父のいる京都に向かった敏生。偶然河合さんに出逢い、慰めてもらうシーンに、敏生は愛されてるなぁ、としみじみ感じられます。
多くを語るよりも、まずはとにかく読んでみて、としか言いようがないこの作品。
夢中で読んで、そして、躊躇うことなく泣いてください。