あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
力学的世界観が形成されていく近代科学のダイナミックな歴史を、哲学や芸術や社会とのかかわりを背景に親しみやすく語りかけた市民講座の記録。地動説の成立に不可欠であった微分積分の思考と方法が、力学との関係で、鮮やかに描かれている。当時の図版も百点以上収録。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
数学者遠山啓がその晩年に行った市民大学での連続講座を活字化したものである。コペルニクスからニュートン力学が完成するまでの歴史に沿って微分積分学と力学を解説している。
遠山啓はかつて大学時代に『無限と連続』を読んで感銘を受けた。すでに亡くなっていることを初めて知った。
本書は大判で挿絵が豊富で分かり易い。装丁も素敵だ。電子本では作れないテイストがある。こういう本を手に取ると紙の本もいいと思う。
本書が書かれた目的として次のように書かれている。
「元来、力学は数学と不可分の関係にあり、高校の数学の到達点ともいうべき微分積分、とくにその最高到達点ともいうべき微分方程式は、歴史的にいっても、力学を建設するためにニュートンによって発明されたものである。だから微分積分は、力学なしには新の意味を理解するはずがきないはずのものである。いっぽう、微分積分なしに力学、とくに動力学を使いこなすことはできない」(P.200 - 「あとがき」にかえて)
力学と微分積分学を結びつけて考えることは本当に意味がある。
自分も高校のときに物理学と数学を学んで、すごく腑に落ちた感じがしていたし、何か世界の成り立ちを初めて理解したような気分になった。
自分の子供がきちんとした物理学を学ぶようになったら読ませたい本だ。(もうすぐなんだよな)