あらすじ
自分と相手の満足度を最大にする交渉術、「交渉のテクニック」に関する本は、今までさまざまなものが出版されてきています。それらのハウツー本がピンとこなかった方、内容を忘れてしまった方、これから交渉のノウハウを基礎から勉強してみたいと思っている方にオススメの1冊です。
■目次
序章 生産的交渉とは何か?
第1章 生産的交渉の5つの基本
相手の一番ほしいものをつかむ
論理的に考える
次善策で自分を守る
現実的な期待を描く
沈黙は“禁”
第2章 実践!8つの交渉テクニック―悪徳戦術に対抗する
最後通知による決断要求戦術―いやなら、おやめください
役割演技によるかく乱戦術―いいやつ/悪いやつ
曖昧要求による心理戦術―もっと勉強できるでしょう?
情報収集を兼ねた逆競売戦術―他社さんと比べますと…
合意後の追加要求戦術―これもおまけしといて ほか)
第3章 さらに交渉を円滑に進めるために
付録 交渉のセオリーを実践する!
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Posted by ブクログ
その名の通り交渉のセオリーについてしるした本。
新旧や種類はありながらも基礎的な戦術に思われるようなものについて、その対処法とともにわかりやすく触れられており、非常におもしろい。
・クイックレスポンスは禁物。相手のペースになる。
落ち着いて分析して回答する。
・ピラミッド思考 メインを述べて、論拠を述べる。交渉決裂時の次善策を考えておくこと。複数の代替案を考えておくこと。
・大きな譲歩をいきなりしないこと。客観的基準に基づき、少しずつ譲歩する。相手の譲歩も求める。
・多接点交渉を心がける。
・いやならおやめください戦略にはあえて無視して、本当か確かめる。
・マイナスを中立的な言葉でいいかえる。
・追加要求に対する対応を事前に予測して対応をシステムに組み込んでいる。権限も与えないようにするなど。
・相手を認めること。ただし、容認はしない。これで現状打破につながりうる。
Posted by ブクログ
著者の高杉尚孝氏は、マッキンゼー他でご活躍された方のようです。初版が2001年の古い本ですが、交渉論の本で検索するとよくヒット。
感想。他の交渉論の本で知ったことと、内容は同じ(後発の本が本著を参考にしてるのかもだけど)。交渉例がイメージを掴みやすく◎。
備忘録。
・生産的交渉が重要。パイの奪い合いではなく、お互いの満足度を高める双方向コミュニケーションを。
・相手の感情的なコメントに対しては、コメントを返す前に、一旦十分な間を取る。目には目を的な即レスポンスは上手くない。理論に基づいて、大所高所から理性的に反応するのが良し。
・交渉はピンポンゲームではない。想定通りの即断即決が素晴らしい訳ではない。
・「もし〜だとしたら?」で相手のニーズや、考えを引き出す。
・意思の主張や文句を言っても。大切なのは問題解決に繋がる主張。
・できるだけ上層部と掛け合うと有利。相手は細かい情報に詳しくない上に、意思決定権限がある為。自尊心や政治的配慮も働きやすい。
・不明確な質問に対しては、無理して答えを考えずにそのままボールを投げ返す。「それって◯◯という質問ですか?」と。
・マイナスの質問に対してストレートに答えない。例えば、なぜモチベーションが下がっているのか?と問われ、その理由を答える前に、事実確認をするのが大切。
・SCQA分析。交渉相手の具体化→相手の状況の想定→相手の安定状況を覆し複雑なものにする→相手が抱える疑問課題を想定→答えを考える。消化不良。
・埋没費用は忘れる。