あらすじ
3.11以降のJリーグを問う
サッカー界の重要テーマを多士済々の論客に論じていただく 『フットボールサミット』第3回目の議題は「3・11以降のJリーグを問う」です。
未曾有の大災害が東日本に甚大な被害をもたらし、
原発事故が周辺地域はもちろん、日本の経済にも大きな打撃を与えています。
今回リポートさせていただいたベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホックといった
直接被災したクラブへの影響も心配されますが、Jクラブのスポンサー企業や親会社の業績悪化も懸念されます。
厳しい経営を続けるクラブは少なくなく、はたしてJリーグはこの荒波を乗り越えていけるのでしょうか。
Jリーグの理念、クラブの存在意義がより一層問われることになるのは自明です。
かつてない逆境に身を置いたいまこそ、みなで問題を共有し、生き残る術を模索していかなければなりません。
これからJクラブには何が求められるのか。
現在あるいは近い将来直面する問題やテーマに焦点を当て、その解決策を考察していきます。
『フットボールサミット』議長 森哲也
フットボールサミット第3回
開催要項 3.11以降のJリーグを問う
ミカミカンタ
ベガルタ仙台の再出発
ある被災地支援活動の証言と記録
井上俊樹
4・23 Jリーグ再開決定までの舞台裏
リーグ関係者、44日間のドキュメント
田中滋
鹿島アントラーズ常勝のDNA
2人のキーマンが語る強化・マネジメントの哲学
Interview 鈴木満強化部長が語る常勝チームのマネジメント
Interview 鈴木秀樹事業部長が見据える30年後のクラブ
佐藤拓也
水戸ホーリーホックは希望の星になれるか?
逆境に挑むJリーグ最小予算クラブ
沢田啓明
震災とブラジル人選手の退団
今後もJクラブの「ブラジル人頼み」は可能か?
Interview マルキーニョスが語る仙台退団の真相
Interview 代理人ジルマールが語るブラジル人選手の移籍動向
清義明
支援活動から思索する未知のサポーター像
NPOハマトラとFootball saves Japanの被災地支援を通して
木村元彦
清水エスパルスに見るクラブ再建のモデルケース
早川巖会長に聞く名門クラブの軌跡と未来
川本梅花 [対談]澤井和彦×谷塚哲
3・11以降のJリーグのビジネスモデル
これからクラブはどうあるべきか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「3・11後のJリーグを問う」と銘打たれておりまして。あの震災がJリーグのあり方そのものまでもを変えてしまったんだという事実にただただ驚くばかりでございました。
まず最初にお断りします。僕はあんまりサッカーは詳しくありません。ですが、こういう自分だからこそ、この本を読んで何か違った視点から書けるのではないかと思いこうしてキーボードをたたいています。一読させていただいた感想では、
「あぁ。3・11の大震災と津波はサッカーのありようまで大きく変えてしまったんだなぁ」
ということでした。
そして、海外からやっていた選手が、原発事故の影響などで出身国に帰ってしまうという問題も、切実なものを感じました。先日、女子のサッカー日本代表が大きな脚光を浴びましたが、国内には問題が山積みだということをまざまざと感じました。僕は熱心なサポーターかといわれれば、まったくそうではないことをここで正直に告白しますけれど、サッカー一つとっても、これからの未来が大きく変わってしまったという事実で僕は今回の震災の恐ろしさを感じました。
地震で被害を受けたスポンサーがクラブチームを維持することが困難になったり、そして、直接被害を受けてしまったチームもあったりと、そこでどうやってこれからのJリーグを復興させていくのか?というテーマがさまざまな方の筆によって語られていたのが印象に残っていました。そんな中で僕にとっての「救い」となるものはこの本の中に収録されている必死の形相でボールを追いかけている選手たちや、彼らを全力をサポートするスタッフの姿が写真に収録されている部分でした。僕はその中にこそ「希望」を感じます。