あらすじ
捜査中、頭に銃弾を受け生死の境を彷徨った警視庁捜査一課の刑事・石川安吾。奇跡的に覚醒した石川は「死者と会話ができる」という特殊能力を身に着けていた。都内の高架下トンネル内で起きた不審な惨殺事件。被害者の男は全身を刺されていた。現場に駆けつけた石川は横たわる遺体に語りかける。「あなたを殺したのは誰ですか」――。金城一紀原案の設定に気鋭の作家が完全オリジナルプロットで描く警察サスペンスミステリ!
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Posted by ブクログ
去年放映されたドラマの小説版。ドラマとは異なるストーリーでしたが、主演の小栗旬などのキャストが見事に石川や立花を演じきっていると読んで感じました。
市倉など少し小説とドラマで感覚が違う人物もいましたが。
ドラマとは異なり、ストーリーはある殺人事件から政治の闇に迫る重厚で深いものでした。
石川の死者と話せる能力を駆使して真実に迫っていくところは惹き込まれましたし、能力が成長するところもありました。
昨年一番よかったドラマで小説も期待を裏切らない作品でもう一度ドラマを見返そうかと感じた作品でした。
Posted by ブクログ
ドラマが面白かったので小説版も読んでみたかったんだけど、「原作」ではないようですね。それもまた違う事件として面白かった。
死者と会話ができるというのは、刑事という立場からすると何ともズルい能力だけど笑、結果、検死ってそこまで確実ではないことが分かった(仕方ないんだろうけど)。声を聞いて初めて知る真実、想い。これが伝わって、初めて成仏できるのかなあ。
Posted by ブクログ
原案は金城一紀で主人公を端から「小栗旬」と決めてつくったお話だとか。主人公、確かにぴったりです。
設定がしっかりしているからということもありますが、なかなかに面白いです。初めて読む作家さんでしたが、文章はシンプル。抵抗なく読めました。(好き嫌い多いのです…)まああえて言うなら、なんてことない会話がもっとナチュラルだったらな!とは思います。伊坂幸太郎とかはその名手だと思う。どうでもいい会話をほんと面白く読ませるんですよね…伏線までもぐりこませるし。
ドラマでご存知のかたも多いでしょうが一応、設定ぐらいはさらっときましょう。
主人公は石川安吾。
警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の刑事…だそうです。うん、覚えきれない…。捜査の最中に銃で頭を撃たれ、意識不明となるも奇跡的に生還。ただし弾丸は脳内に留まっており、手術するのかというのも今後気になるところ。手術は難しいが残ってても鉛中毒で死ぬかも…って、にっちもさっちもいかないですね。その弾丸のせいなのか、彼は死者と話せるようになってしまう。小説は石川が追った事件のひとつとして展開。ドラマ・コミックとも違うストーリーのようです。時間軸としてはドラマのあと。コミックは読んでないので分かりません(読むかも…)。
まっとうな刑事としての捜査か、死者からの情報を使った捜査か…金城さんによると彼は「いろんな境界で悩む」そう。正義と悪とかいろいろ。勧善懲悪の話じゃないってことですね。
この、「死者と話せる」というところをドラマも小説も上手く使ってますね。単に「幽霊と話せる」とかじゃなく。また、犯人や手がかりを死者から得たとして、それをすぐに生かせないというジレンマもいいです。バディである立花や上司の市倉に頭おかしいといわれちゃいますからね。そこで裏の情報屋ともつながりを深めてしまう。簡単な、それこそ「死者と話せる刑事」ならもっと軽くて洒脱なお話だってできたはず。なのにあえてこの「ヒューマンサスペンス」というべき「重さ」にしたのがいいなあ。小説もドラマも(観てます!)1回じゃなくて、2回3回と読んでも(観ても)面白い。
最後にひとこというとすれば「やっぱ小栗旬かっこいい刑事役似合うスーツ似合う」かな。
小栗さん好きな方、是非読むべし。