あらすじ
翻訳業界の市場分析、「なった人」のドキュメント、訓練法、インターネットの効果的利用法、出版/映像/産業など分野別の攻略法、いい翻訳/悪い翻訳の実例解説、翻訳ビジネスのこれから、などをガイドする。
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Posted by ブクログ
誤訳と悪訳の違いの記述が大切だと思った。
「誤訳は文法的・事実的に間違っているもの
悪訳は文のこなれが悪いもの・意味がつかみにくいものを指す」
としている。
これは少し,乱雑な定義だと感じました。
文法的に間違っているが,原文も文法的に間違っていれば,誤訳ではない。
原文が事実的に間違っていれば,訳文がどうするかは,文章の趣旨によって判定しないといけない。
悪訳は,こなれが良いものがあったり,意味がつかみやすいものがあればいいが,ないと評価しにくい。
著者自体が揺れていて,著者が意味を捕まえていないこともありうる。
訳者の理解と,原著者の理解の間にどれだけの隔たりがあるかを明確にしていれば,文章の掴みやすさは気にならないことがある。
訳者後書きの効能かもしれない。
4つの事象を定義しないと,定義したことにならないのではないかと思う。
1 誤訳で悪訳。
直した方がいいもの。
2 誤訳ではないが悪訳。
直すか,立場の違い,理解の違いが訳者後書きにあればいいかもしれない。
3 誤訳で悪訳でない。
訳注または訳者あとがきで,正しさよりも読みやすさを優先したこと,原著者との違いの記録があるとよい。
4 誤訳ではなく,悪訳でない。
文句のつけようがない。
誤訳,悪訳だけをあげていても,十分ではないと感じている。
具体例はとても参考になったので,何度も読み返したいと思った。
Posted by ブクログ
本としてはあまり評価できない。たしかに翻訳の話ではあるが、業界の話と思うと、翻訳の技術的な話題に移ったりして、なんか飲み屋で親父の愚痴を聞いているような気分になった。
翻訳業界を俯瞰しているというよりは、自分の目線で見える話を書いているようで、その分妙に生々しい。著者のサイトをのぞいてみたが、本書の転載部分も多く、これで1800円は高いな。自分のところから巣立った人たちの紹介は実例としての説得力はあるが、興味が湧かない。
読んで、翻訳業界の厳しさはわかったけど、タイトルのように「翻訳家になろう!」と思えなかった。
DHCが「大学翻訳センター」の略だったとは知らなかった。化粧品が英語業界に参入していると思っていたが、逆だったのだ。
それでも翻訳の技術の話は面白かったけど、くどい。(だから僕はだめなのか) そこまで気に掛けて英文を読み解かなきゃいけないというのはわかったけど。