あらすじ
日本マンガと日本人を身びいき目線で論じる。
「これほど好きなジャンルは他にない」と語るマンガびいきの著者が、世界に誇る日本マンガについて熱く語る! 『エースをねらえ!』から、男はいかに生きるべきかを学び、『バガボンド』で教育の本質を見いだす。手塚治虫の圧倒的な倫理的指南力に影響を受けた少年時代、今なお、読み続ける愛すべき少女マンガ…。
日本でマンガ文化が突出して発展した理由をユニークな視点で解き明かす。巻末には養老孟司氏との対談を収録。言語としての日本語の特殊性と「マンガ脳」についての理論には瞠目される。マンガは、どれほどビッグビジネスになろうとサブカルチャーに踏みとどまって、その代償として自由を享受してほしい、と願う著者の「愛と敬意」のマンガ論である。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
漫画という文化を至極真面目に論じる。
作者の内田樹さんのことを知らなかったので、もっと「このマンガのこのくだりが好き!」みたいなミーハー論調なのかと思ったら全然違いました笑
井上雄彦、手塚治虫、萩尾望都、羽海野チカ、鳥山明、赤塚不二夫、、、
数多もの漫画界のビッグネーム作品を取り上げながら、なぜ漫画が日本文化にこれほどまでに強く根付いたのか、日本語の持つ漫画への適応性などを大学の講義でも聞いているかのように学ぶことができました。
読めば読むほど日本人に生まれて良かったなー!と声を大にして叫びたくなります。日本語も日本のマンガも大好き!
養老先生との対談の中で語られる、漫画家の進化の話が印象的でした。
小説家は書けば書くほど文章力は上がって行くかもしれない。でも急激な進化はなかなかみられない。
漫画家は描けば描くほど確実に絵が上達していく。絵が上手くなればそれまで表現出来なかった世界が展開でき、作品に深みが増すようになる。その時が突然進化するタイミング。
掻い摘んで言うとこんな感じ。。
井上雄彦がペンから筆に切り替えたときから圧倒的な画力を存分に発揮しているのが分かりやすい例なのかしら。
元々伝説のスラムダンクですら素晴らしいと思っているけれど、スラムダンク初期の花道とバガボンドの武蔵とでは…迫力が違いすぎる。
そういった感じのことを勉強させてもらいました。
文庫版加筆としてONE PIECEや進撃の巨人、風立ちぬなどがあり楽しめます。