あらすじ
人はいつから「家」に住むようになったのだろうか。自然の中で暮らしていた人間が家を建てるようになったのはいつからなのだろう? 山や川、木や石などに神が宿っていると信じていた頃からの心の習慣が、日本建築の中には生き続けている。建築史家であり、建築家でもある著者が建物の基本構造から説く建築学入門。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
新書としては、きちんとした記述になっていてよい本だと思います。
入門書にありがちな、薄っぺらい表現もあまりなく、
かといって専門用語ばかり使った分かりにくい本でもありません。
窓、廊下などの建物の部品の考え方と、暖房などの機能について知見を得ることができます。
建物を建てたり、借りたりする前に読むと良いと思いました。
縛る技術が建築学の一部であることを知りませんでした。
建築学の辞書に縛るがあるとは思いつきません。
足場などを縛って作る技術は見たことがあるので、そうかと思った。
赤瀬川源平の試作についても触れていたので一度見てみたいと思った。
建築学というよりは、薀蓄額という感じでした。
Posted by ブクログ
家の仕組みについて歴史的な経緯をもとに解説している。
縄文時代の人は石器でどうやって木を切ったのか。
石器で切りやすいように栗の木を使う。鉄器が出てきて針葉樹を使うようになる。
正倉院は湿度を一定に保つのではなく、急激に湿度の変化をさせないところがポイント。
ドアは海外は内開がほとんど。日本が外開きなのは平和だから。
欧米は天井に蛍光灯はつけない。
Posted by ブクログ
おそらく建築マニアにはたまらない本だと思う。特に第一章「目からウロコ!?古代の建築学」は、専門家やマニアが喜びそうなトリビアや雑学が開陳されている。
でもご安心ください、私の様な「建築」素人にも楽しめる第二章「アッと驚く!!住宅建築の技」で身近なお話が用意されています。
そもそも本書は、雑誌「頓智」での連載記事(1995年10月〜1996年6月)と大成建設の社内報「たいせい」での連載記事(1998年1月〜2001年3月)39編を収録したもの。
「シック・ハウスの代わりにシックイ・ハウスを!」はひとつの完成した読み物としても面白かった。
以下は印象的だったポイントのみ列挙。
・日本独特の引き戸と海外のドアの歴史的経緯の説明から始まり、日本以外の海外ドアが内開きなのは外からの侵入を防ぎやすいから(さらに日本のドアが外開きなのには狭小な住宅事情もありそうだが…)
・家の中は靴を脱いで過ごす日本と靴のまま生活する海外の文化的違い(日本伝統の相撲や能の摺り足)と床建築の発展
・日本の畳や住居内の靴を脱ぐ裸足(スリッパ)の生活は床や畳も清潔なため、土足民族にはできない横に寝そべることができる⇒近年では北米や中国でも室内土足禁止が増えている、らしい
・平屋が主流だった日本と豪華な階段が建物内にある西洋建築の違いを民族の踊り文化で説明(日本の盆踊りや能や相撲も水平の摺り足が基本だが、海外のダンスやボクシングは垂直の動き)
・暖房については人類は火を起こしてから始められたが、冷房は電気と冷凍ポンプが発明された19世紀末からと50万年の差がある(もちろん、風通しを良くするとか日陰を利用したりと自然任せの消極策は存在したが)
・輻射冷房の原理を利用したエコな天井冷房はずっと結露問題が解決されなかったが、葉山成三氏の工夫で実用化された(しかしなぜか葉山方式は広がっていない、らしい)
・隙間だらけの日本家屋の部屋がちゃんと暖かくなるのは石油ストーブの登場からで、竪穴住居の暖房水準から数千年振りにやっと回復
・日本の建築学は明治10年イギリス人コンドル先生が建築にかかわるすべての分野を日本の学生4人に教えたのが始まり
冒頭にも書いたが、内容は素人には少々専門店でマニアックすぎる点はあるものの、もしこの分野に興味がある人なら満点評価の作品となるであろう、しらんけど。
あえてこの点を繰り返すのは、こうした良書が販売部数のみで評価されることなく(勝手に売れていないと想像してゴメンね)末長く読みつがれてほしいからでした、ちゃんちゃん。