あらすじ
福島第一原発事故から約2年。収束の兆しも見えず、日本中で不安の声は絶えない。ただ、そんな不安を煽るだけの一部の反・脱原発派と対峙してきたがゆえに、「御用学者」の汚名を着せられたのが東工大の澤田助教だ。その澤田氏が福島原発事故の真相を解説。さらに、本当の「御用学者」とは何か、それを産みだすアカデミズムの根本的な病理まで解き明かす。
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Posted by ブクログ
原子力研究者である著者の福一事故後の著作です。
事故後の使われ出した、メルトダウン等の語句のイメージと学術定義の違いなど説明されています。また原子力ムラの構造を、インサイドの視点から指摘されています。エネルギー消費の視点で原発との共生を主張され、その落とし所は原発の安全性強化と廃棄物処理研究とされています。私自身は作中にある「トイレのないマンション」の認識は正しいと思いますし、そのツケを未来に託す考え方は、福一の事故後の考え方としてないなぁと思っていて、そういう研究は進めるべきであると感じました。原子力を選考する学生が少なくなっているとの報道もありますが、廃炉研究や核物理研究は今後も継続すべき(積極的に)と感じました。
また本書の内容の通りであれば、ムラビトにも自覚を持った責任ある発信を望みたいと思います。