あらすじ
稀代の軍略家として知られる石原莞爾将軍。帝國陸軍の異端児だった関東軍作戦参謀は、満州攻略の作戦を立案しこれを遂行した。本書は貴重な史料や関係者へのインタビューを基に、石原莞爾の最晩年ともいえる東京裁判酒田法廷の模様を紹介し、天才・石原莞爾の思想を炙り出したもの。現代日本に石原在れば……と考えずにはいられない。
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Posted by ブクログ
山形出身なので、石原莞爾がどういう人物だったのか興味があり購入。この人の戦略が実現していたら、アメリカに勝つ(少なくとも負けない)という仮想戦記が現実のものになっていたのではないか?と思わせる。
無謀な戦争に突き進んだ日本にも、このような大局を見て戦略を作れる人物がいたのか、と感銘を受けた。現在の日本にも居て欲しい人物。
そして、ただの地元紙だと思っていた山形新聞が、石原莞爾の裁判に関してはきっちりと取材を行っているのを知り、ちょっと見方が変わった。
Posted by ブクログ
石原莞爾に興味をもったので読んでみた。
この人は戦争終了時ガンにかかっていたそうだ。
石原を東京裁判(東京リンチ)の被告として呼んだら、色々と面白かったろうに。
石原曰く「第一級の戦犯はトルーマンだ。アメリカの飛行機が日本に落としたビラに"もし日本国民が銃後において軍とともに協力するならば、老人、子供、婦女子を問わず、全部爆撃する。だから平和を祈念して反戦態勢の機運をつくれ"と。トルーマン大統領名で書かれている。これは何だ。国際法では非戦闘員を爆撃するなと規定があるにもかかわらず、非戦闘員を何十万人も殺したではないか、このビラがそうだ。立派な証拠である。」法務官「あれは脅しだ。」石原「そうではない。このビラのとおりに実行したではないか。(中略)広島、長崎には原爆を落とした。これは一体どうしたことかね。世界の道義に訴えて世論を喚起すべき性質のものであろう。トルーマンの行為は第一級の戦犯だ。一国の元首である大統領ともあろう者が、こんなビラを出したのは蛮行である。」
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満州事変を引き起こしたの張本人、石原莞爾の戦後を描いた本。戦犯と言えばかなりの戦犯候補だと思うが、何故か東京裁判では被告人とならず、参考人として尋問を受けたのみである。しかもわざわざ酒田に臨時法廷を設けての尋問だから重要視をされていたわけである。
確かに東京裁判で石原を被告人席に立たせたら面白いことになっていたと思うのである。何せ稀代の戦略家ではあるわけだから連合国の検事をやり込めた可能性はありそうである。
石原が戦争を指揮していたら日本はアメリカに勝てないにしてももう少し時間を稼げた可能性はあると思うが、なんといっても石原には日本の指導者になる力量、才覚は無かったのである。そこが政治屋東条との違いであるし、戦争になったら少々問題児でも戦争のうまいやつに任せるアメリカとの違いとも言えるだろう。
日本の敗因を問われ、日本が民主主義でなかったからと言う回答をする石原莞爾はやはり面白い人物ではある。
ほかに面白いと思ったのが、満州事変が誰の指示に基づくものであったかと言う事の尋問を受ける部分である。
Posted by ブクログ
満州事変を成功させた男・石原莞爾の壮大な戦略を解説する本……かと思ったら、東京裁判の検事に証人尋問されてやり込めました(弁が立つ面倒くさい人だからマッカーサーが被告にしなかった)が大半でガッカリ。東條英機とケンカして左遷されてるから、満州にいた期間は意外と短いのよね
Posted by ブクログ
石原莞爾の思考・行動分析についての内容を期待していたが、内容は終戦後の石原を追ったドキュメンタリー(当時は映像で残してあるわけもなく、文章から辿ったものだが)のような形になっている。
一番恐れたかは分からないが、唯一対抗できる可能性を持っていたのかもしれない、とは思う。