【感想・ネタバレ】人間小唄のレビュー

あらすじ

小角が書き送った短歌を自分の文章に無断で引用した作家・糺田両奴。国民の無意識に影響を及ぼして駄目にする奴の文学を根底から破壊する! こちらの世界に拉致してきた糺田に課した難題は、「一、短歌を作る。二、ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする。三、暗殺」。それは魂のテロルの始まりだった。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

脳が動く。読むより飛ぶ。その意味で詩的。
言葉の揺らぎによって、小角、未無、ほか人物が狂っているように思える。おかしくみえる。対して糺田の言葉がいわゆる一般的な感覚に近いことで、読み手の拠り所になっている。よって狂った世界に振り回されることになる。巻き込まれる。
とにかく言葉が、思考が飛び回る。軽やかな文体。若くてユカイ。ダイヤモンド。振り切りたいなと思える文章。自分も文章を書きたくなった。

ストーリー。小角が糺田を陥れるために短歌を書いて送りつける。見事罠にハマったので未無に手伝ってもらい、拉致して異世界へ行く。異世界で①短歌を書かせ、②ラーメン屋を出させ、③暗殺をさせようとする。小角の理不尽によって数々の苦難被ることになり、自宅に帰る最後のチャンスである暗殺もうまくいかない。ひいては決闘することになり、錐が頭にぶっ刺さる。なんとか異世界から逃れ、自宅に帰るが、脳が損傷してしまってまともな文章が書けなくなってしまう。それを糺田は笑っている。 

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2020年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 他人のアイディアを勝手に引用し、「センスがいい」日本語を綴っていた糺田両奴に、小角(蘇我臣傍安)の天誅が下される。
「一、短歌を作る。二、ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする。三、暗殺」。糺田の文学を根底から破壊するべく、これらのミッションに挑ませる。
「全体としてはよくわかんないけど、けっこう笑えたし、まあいっかー」と言って終わりかけてたけど、解説を読んで再度パラパラと読み返すと、これはなんやすごい作品なんではないかと思えてきた。人間は謙虚に生きなければならない。傲慢であってはならない。あらゆる表現者への警笛とも言える作品。

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2017年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーむ。うーむ。うーむ。わからん。わかりませんでした。でも、ま、分からなくても良いか、と思った自分もいる。正直、ホンマに正直言いますと、そこまで面白いとは、思いませんでした。あくまでも自分基準で。俺には合わんなあコレ、って感じ。

でもアレだ。合わないんだけど、合わないなりに好き、という変な感想。ああ、町田さん、ぶっとんでんなあ~、ってのはヒシヒシと伝わったし、別の作品で、十分に「町田康、マジすげえ!!」って驚愕驚嘆感嘆感動させていただきまくっているので、別に合わない作品があってもね、そんなこたあ、俺の町田さんに対する尊敬の気持ちは一向変わらんね、って感じ。

ま、平たく言うと、町田康、という作家を、無条件で尊敬信頼する自分がいるのです。それだけ好きな存在なんですよね。で、ちなみに、町田町蔵時代のパンクバンド「INU」は、、、正直、、、わからん、、、ありゃあ、わからん、、、でもなんだか凄いよな、って感じ。

町田さんの作品で以前に読んだ中で、この作品になんだか近い感じ?って思ったのは「真実真正日記」でしょうか。アレの意味不明さとコレの意味不明さは、なんだか似ているなあ、とか、ザックリ思いました。でも「真実真正日記」を読んだのは、えれえ大昔なんで、今読んだら「全然ちゃうよね」って思うかもしらん。それはまあソレ、って感じですね。

まあ、ぶっ飛んでるなあ、というか、ホンマに有体に言うと、狂ってるよなあ、って感じなんですが、まあその、怒涛の狂いっぷりを楽しむ物語、でしょうか。個人的には、登場人物の誰にも感情移入することなく、単なる傍観者として、淡々と物語を読み進めました。「ああ、、、みんな、アホばっかやなあ、、、」みたいな感じで。

いわば神の視点でこの物語を眺めたのです。高みの見物、ってヤツですね。傲岸不遜過ぎる。そんな俺はマジでクソみたいな人間なのか?とも思いつつ、まあ、すまん。感情移入して「自分の身にこんな事が降りかかったらどうしたらいいんだ!!マジ辛い!!なんとか助かりたい!!」とか全然思わなんだ。すまん。

物語の終盤で、なんだか軽佻浮薄なポップスソングを世間に矢鱈乱発しているクソみたいなプロデューサー、みたいな人物が登場して、主人公目線で「あいつはクソ。死んでいい。だから暗殺」ってなるんですが、あっこらへんの流れは、うーん、、、どうだろう。個人的には、納得できないなあ。

誰かが誰かを、死んでも良い人間だと断定する。アイツがいるのはこの世の中のためにならない。だから暗殺するのは正義。って思うのは、「あなたにとって都合の良い世界にアイツはいらない」ってことですよね?それは、絶対に誰の目線から見ても「アイツは死んだ方が良い」では無いですよね?ということを、常に、思ってしまうのだ。「(誰にとっても)真の悪」とは何か?「(誰にとっても)真の正義」とは存在するのか。それは、永遠に問い続けるべき問題ですよね。

そういう意味では、あの最後らへんの展開は、ブランキー・ジェット・シティーの「人殺しの気持ち」という曲を思い出させてくれてサンキュー、って感じでした。自分にとっては、とても大切な曲です。あの曲は。あの曲の存在を思い出させてくれたってだけでも、この本を読んで感じた事があったね俺はラッキーだね、ってことですよね。

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2021年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて触れた町田康の文章は強烈。時代感不明な言葉遣いやぶっ飛んだ想定。こういうのもアリなんやと、読み物の幅を広げてくれた一冊。

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2015年12月03日

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