あらすじ
プロのカメラマンだった恋人が、死をほのめかすメモと使いきりカメラを残して姿を消した。フリーライターの燿子は、彼の故郷・沖縄へと飛ぶ。青い空と海、太陽と風に包まれ愛した男を追いつづける。出会った人々それぞれの過去や今に触れながら、行方知れずの恋人の秘められた驚愕の真実を知っていく。燿子は失った愛を見つけられるのか。南の島で奏でられた生命の讃歌、濃密で一途な純愛小説。
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Posted by ブクログ
沖縄を舞台にストーリーが進んで行く。
現地の言葉で話す登場人物たちが活き活きとしている中で、ヒロインだけが暗く、ぎらついた印象。
沖縄に似合わない都会の女性を、現地の人達はなかなか受け入れようとしない。
その理由は物語が進めば次第に明らかになってくるのだけど、何と言ってもヒロインに魅力が感じられない。
惚れた男を追いかけてくる気持ちはわかるのだけど、その執着は執念と呼んだほうがしっくりくる。どろどろした気持ちを抱え、沖縄の太陽に照りつけられて、その感情が明るみになってきた時の彼女は、同性として嫌悪を覚える。
あとは、物語の途中で交わされる会話に違和感。
ウチナーグチは良いとして、ヒロインは何かというと「どうなの?」「なんなの?」と聞き返す。そして相手の言葉を反芻して驚くことが多い。
これをキャラクターの個性としてわざと取り入れているのか疑問。
これに気づいてからは、読み進めるのが苦痛になってしまった。
壮大な展開を見せるストーリーだけに、細かい部分が気になり、やや残念な気持ちが残る物語でした。