あらすじ
西暦536年、過去3000年間で最大の火山の大噴火が起こった。まきあがる噴煙は空をおおい、太陽はさえぎられ、やがて地球規模の大寒冷時代がやってきた。
はるか昔の自然災害であるにもかかわらず、研究者たちは、どのようにしてその証拠を求めたのか? 巨木の年輪を測定し、極地の氷床を分析し、25万頁にもなる古文献を調査して解明したこととは------。
天候激変による飢饉と旱魃を引き起こし、東ローマ帝国を衰退させ、ゲルマン民族の大移動、イスラム教の誕生、さらには日本の「天の岩屋伝説」にまで原因した人類史の事件に、科学の眼が迫る。
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Posted by ブクログ
自然現象がいかに人間の歴史に重大な影響を及ぼしてきたか、そしてそのことを地道に科学的に検証してきた人間に光を当てる形で紹介している。
地球温暖化の話が印象に残っている。二酸化炭素による温室効果は要因の一つに過ぎず、噴火や核戦争による塵や太陽磁場、エアロゾルなど気温を左右する重要な要因は多くある。温暖化一辺倒ではなく、実は寒冷化への備えも必要なのである。
歴史上の重要な民族移動もAD536年の大噴火による寒冷化が影響を及ぼしているという話もスケールが大きくて良かった。化学分析の専門家でありながら、他分野の知識も豊富に持っており学際的な分析・批評は見ていて楽しかった。