あらすじ
ユニクロ側が出版社に対し2億2000万円の損害賠償を求め提訴した衝撃の書!(一審判決は原告の請求棄却)
大型旗艦店を続々開き、世界に覇を唱えるユニクロ。総崩れの日本企業の中で、唯一気を吐いているように見える。しかし、これまで創業者・柳井正氏率いる同社の経営を精査したメディアはなく、その実体は謎に包まれていた。なぜ、執行役員が次々と辞めていくのか? なぜ、業績を回復させたにもかかわらず玉塚元一社長は追い出されたのか。なぜ、中国の協力工場について秘密にするのか? 誕生の地山口県宇部から、ユニクロ躍進の秘密を握る中国へ、そしてライバルZARAの心臓部スペインへ。グローバルな取材によって著者があぶり出した、「柳井正」と「ユニクロ」の真の姿。
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Posted by ブクログ
ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫) 文庫 – 2013/12/4
5章、6章のユニクロで働くということは必見
2012年8月19日記述
横田増生さんによるユニクロ=柳井正を分析した本。
国内で働くユニクロ社員や中国の工場で働く出稼ぎ労働者へのインタビューも掲載されており勉強になる。
中国の出稼ぎ工はユニクロというブランドを知らないのには少々ショックだった。(ユニクロ以外に製作しているブランドも知らないのかもしれないが。そもそも沿岸部の中間層以上とは所得が違う・・・)
いわゆる企業へのおべんちゃら本とは違う取材に基づいた仮設と事実の検証がなされており良い。
4章で明かされる柳井正の地元山口県宇部ではどんな少年時代を送ったのかや父、柳井等からの影響の大きさにも驚く。
ユニクロを少し知っていてもアパレル業界には疎い人も多いだろう。
本書の冒頭にその解説も兼ねたものがあり問題なく読める。
ZARAというスペインのSPA企業も紹介している。
新しいデザインの投入が2週間で出来るというのには驚く。
ZARAでは垂直統合型に経営している(スペイン国内で5割製造し物流センターもスペイン内にある)
垂直統合型の生産は水平分業に比べ問題があるという認識だった。
今回それを良い意味で改める必要があったのは収穫だ。
本書を読んでいる内にユニクロの影の部分に困惑したのも事実だが柳井正が耳の痛い情報にも目を向けより良い企業を創ってくれることを祈っているようにも思えた。