あらすじ
「日本で、わたしのブランドを知っている人は1%もいない」と、時計師であるジュルヌ氏は話す。彼が作っている時計ブランド「F.P.JOURNE」は世界で10店舗の直営店をもっているが、年間生産本数は約850本と少ない。しかし、時計関係者から賞賛され、時計愛好家が最終的に行き着く時計として、高い評価をえている。
ものを作る、ということにおいて、クリエーターは利口になってはいけない。あれこれ口を挟むことは誰でもできる。でも、他の人が思いつかない発想は、一握りのクリエーターにしかできない。クリエーターはたとえ周囲に『偏屈』だと言われても、自分の考えを貫くべきである。そこに真の発明があると「F.P.JOURNE」は教えてくれる。
感情タグBEST3
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日本人はいまとにかく謙譲である。それが美徳の一つであるが故に他人の目を気にして自分の意見を高々と主張できなくなっている。謙譲で自分の意見を持てる人になりたい人に読んでもらいたい
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偏屈のすすめ。自分を信じ切ることで唯一無二のものが生まれる。。フワンソワポール・ジュルヌ先生の著書。日本人は空気を読むことや周りに合わせることが重視されすぎていて、個性がないがしろにされている。少しでも標準から外れると、空気を読めない、協調性がない、偏屈、変人、傲慢と呼ばれてしまう閉鎖社会。偏屈でも変人でも傲慢でもいいから自分の信じる道を進むことの大切さが学べました。
Posted by ブクログ
フランスの時計職人の方のお話です。
徹底したモノづくりに対するこだわり、そしてそれを成し遂げていく姿勢、決して利益ではなくクリエーションを最優先に実現させること、彼のオリジナリティをとことんまで追求し、それを認め理解してくださるお客様しか興味がなく、自分の作りたい時計だけを作ること。
彼の生き方はきっとモノづくりに携わる人すべての人たちの究極の憧れだと思う。実際にそう実現させたくてもなかかなできない世の中で、許されない環境の中で、皆が心の中で葛藤しながらモノを生み出している現実。利益が出なければ意味がないと考えてモノづくりする人も多いとは思いますが...
自分にとっては大変な刺激をいただき、お言葉ひとつひとつに心が震え、そしてあらためて夢中になっていることにとことんまで追求し、こだわりを持って向き合いたい想いに駆られました。
Posted by ブクログ
(誰もやらない事……?)……同じ作業を繰り返しおこなうことや、誰かの真似をすることを、すごく苦痛に感じる人間であること、・ひとつの機構が完成すると、それに対して興味が一気に失せてしまう。・10年間、同じ作業を繰り返すことを想像するだけで、気分が悪くなる。・他の人と同じことをやるのは、ものすごく居心地が悪く感じる。 いつも未知のことに挑みたいし、興味がないことに時間を費やしたくないのである。
(ウエイトレスの一言とは?)……「その時計、素敵ですね。どこで売っているんですか?」、1994年に時計の専門家ではない(はずの)ウエイトレスのから、わたしの時計が素敵だと言われたことで、わたしが好きなことと一般的な評価とがシンクロした!
(百貨店では売りたくない?)……わたしが作りだしたさまざまな機構は、どれもほかにはないオリジナルなものばかり、それを顧客にわかってもらうためには、わたしの時計をちゃんと理解して、わたしに代わって説明してくれる販売スタッフの存在が、欠かせないからだ。
(クラシックを突き詰める?)……機械式時計の基本的な仕組みは、19世紀までにほぼ完成されていて、その後200年間は、大きな変更点はないというのが、わたしの見解だ。わたしが作る時計は、それが前例のない発明であっても、19世紀以前からの伝統的な時計製作の本流の中にある、当時の時計師のように時間――100分の1秒から4年に一度の閏年といったような、さまざまな長さの時の流れをより正確に、壊れずに示すことを哲学としている。