あらすじ
兄であるサディアス王子に密かな恋心を抱くアシュリーは、他国の王子との結婚を間近に控え、憂鬱な日々を過ごしていた。そんなある日のこと。
サディアスから、王家に伝わる秘密の儀式を知らされる。それは、初夜を不安に思う花嫁のために、王族の者が閨事の手ほどきをするというもので…。
兄を信じ、言われるがまま純潔を捧げるアシュリー。しかしそこにはサディアスの仄暗い思惑が潜んでいて――。
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Posted by ブクログ
読み終わって最初に思ったのは、憎しみと愛は何よりも強い気持ちという点では変わらないんだなーということです。
穏やかで平和な国の見目麗しい王子と王女。幸せを体現したような世界に存在する昏い感情の相反する感じがとても良かったです。
自分の憎み、絶望させたいという企みなど知らず純粋に慕う可哀想な妹だ、とほくそ笑む兄サディアス。
どこにもぶつけられなかった苦しみに耐えられず、可愛く純粋に自分を慕う妹を憎むことでしかその感情を堰き止められなかった兄。
私は後者の方が可哀想だと思いました。
感じる強い執着心の中身が憎しみとは逆のものに変化していることに気づくことも出来ず、戸惑うたびに大切な妹の心も体も傷つけてしまう。
それをアシュリーのとめどない愛でやっと気づけて結ばれて良かったです。心中エンドもあると覚悟していたので良かったです 笑
さすがに最後の方でアシュリーが病んできたときはほんとにヒヤヒヤしました…どうなるかと。
でもそういう出来事がなかったら二人はくっつかなかったんだろうなとも思って複雑ですw
ソーニャ文庫のコンセプトが「歪んだ愛は美しい」だとあったんですが、読み終わった後不思議な魅力にまた読みたくなりました。