【感想・ネタバレ】しろいろの街の、その骨の体温ののレビュー

あらすじ

2013年に三島賞を受賞。14年に第一回フラウ文芸大賞受賞作の文庫化。クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、ある日、結佳は伊吹にキスをする。恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら彼らは中学生へと進級するが――野間文芸新人賞受賞、少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、静かな衝撃作。

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Posted by ブクログ

主人公の結佳の小4と中2時代という”女の子”が”少女”へと変化していく時間を描いた作品。村田沙耶香作品はこれまでにも何冊も読んできていますが、他作品のようなぶっ飛んだ切り口の設定や世界観で魅せる作品とは一線を画した一作ですが、だからこそ余計に作家の凄みのようなものを感じました。自身の身体や性格、周囲との関係や環境などままならないものに対しての思春期の痛ましい程の葛藤は読んでいて苦しさを感じる程でしたが、終盤の結佳の自己理解、世界理解の変容は前半の苦しさがあるからこそ鮮やかで美しいカタルシスがありました。素晴らしい点はいくつもある作品ですが、本作の舞台をニュータウンとした点が素晴らしいですね。タイトルにも表れているように変化し、成長していく街と二次性徴期の精神と身体の変容と重ねながら捉え描いている点が秀逸でした。

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2026年10月02日

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凄い憂鬱だった。いい気持ちにはならない。清々しいハッピーエンドじゃないし、地獄に叩きつけられるようなバッドエンドでもない。だけど物凄い面白かった。

クライマックスのシーンは上手く呼吸ができなかった、主人公と伊吹の発する言葉一つ一つが私の中に刻まれた気がする。

二度と読みたくないけど、もう一度読みたいし、これからもずっと大好きな作品になるだろう。

村田沙耶香、貴方はすごいです

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2026年10月01日

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その年頃であれば、本来からかいの中に沈んでしまうような生々しい行為を「音楽を奏でる」と表現していて脱帽した。その表現を使い始めたということは、主人公は本当に解放されたんだなと、こっちの肩の荷も下りた気になった。

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2026年09月12日

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主人公の自分勝手さに気持ち悪さを感じながらも、それに対して真っ直ぐな気持ちを持つ伊吹が眩しくて、とても惹かれた。学生のカーストの中で自分の自我を出すのは、大人になって出すのと比べてとても難しいことだったことを思い出した。信子ちゃんを美しいと思った主人公に共感出来ない自分は、普通でいることに価値を感じているんだと再認識できた。

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2026年07月25日

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読んでいてこんなに心を動かされるとは。

学生時代のカーストの書かれ方がかなりリアルで、読んでいるときっと誰しもが学生時代を思い出してハッとする事があるのでは。
学生時代の自分を思い出すとなんと醜かったことか。

心に残る1冊です。

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2026年06月15日

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村田沙耶香の本って何読んでもおもしろい。「創作」されていないような感じがする。解説にも書かれていたが、この切実さから目が離せなくなる。

ちゃんと気持ち悪くなる。すごく好きな言葉だった。

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2026年06月12日

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とても強く心に残る作品だった。過激な描写や読んでいて苦しくなる場面も多かったが、それでも「これは目を背けてはいけない」と感じさせられる力があった。村田沙耶香さんの想いが真正面からぶつかってくるような作品。

主人公・結佳は、中学校のクラス内にあるヒエラルキーや空気感の中で、「害のない存在」として周囲に合わせながら生きている。自分の居場所を守るために周りを見下したり、本心を隠したりしてしまう姿がとてもリアルだった。そんな結佳がある出来事をきっかけに孤立し、価値観が少しずつ変わっていく過程が印象的だった。

人は自分の居場所があると安心し、その“普通”の中に閉じこもってしまう。でも、その普通を客観的に見るとどこか歪んでいることもあるのだと思わされた。自分の嫌な部分も含めて認め、自分を信じて生きていくことの大切さを感じさせてくれる作品だった。

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2026年05月24日

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村田さんの初期作品は今とはまた違う雰囲気でとても面白かった。小学生から中学生の心情が非常に細かく繊細に描かれていた。特に中学生編は自分の中学時代のクラスを思い出すようでリアルだった。個人的に信子のキャラが1番際立っていたと思う。自我が強すぎるのか協調性がないのかこの手の女子は中学で一人はいただろう。こういう女子に限って自信家だったりする。そして、主人公結佳がクラスは人間を冷静に考えているところに驚いた。この年でここまで考えられる子はいないと思う。私も今思えば何ともなかったことだが、中学時代はこの本に出てくる女子と同じような考えだった。少し昔に戻ったような気がしてとても楽しく読めた。結佳や伊吹が高校生、そして大人になり、どう成長していくのかも気になった。

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2026年05月15日

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村田沙耶香さんの書く話はいつもグロくて痛々しくて重くて読むの体力いるというか、なのに読み進めたくなるし夢中になる。
この小説もそのうちの1つで、記憶に残る1冊になった。
子供の頃の独特な気持ち、説明しようのない感覚、そのリアルで繊細なものがわかる気がしてずっしりくる作品だった。

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2026年05月05日

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ニュータウンで生まれ育ったこともあるかもしれないけど、多くの登場人物たちに自己を投影して恥ずかしさや共感をおぼえた。
価値観というものの脆さと強さ、ありのままでいることの難しさと美しさ。
本を読み終わった後に放心状態になるっていうのはこういうことか、、、ってくらいしばらく動けなかった。
西さんの解説にもあったけど目を背けたくなるほどの苦しさとそこから「自分だけの価値観」をもつまでの軌跡が泥臭く美しかった。
自分自身を愛せなくて悩んでいた今の自分にとって、本当に出会えて良かったと思える作品でした。

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2026年04月21日

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クラスでは目立たない存在の結佳が中学3年生までに経験する、価値観の変遷についてのお話。その変遷は街の変化と共に、色をなくしたり、閉じたり、広がったり。
大人になってから読めば学校という閉じられた世界の悲喜交々が甦り、学生の間に読めば学校という世界が閉じた世界であると思えるかもしれない。
何か自信を持てるものを持つ、あるいは外にも世界があることを忘れないようにしたいと思った。

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2026年10月04日

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ネタバレ

自分は男子校出身ということもあり、ここまでドロドロとした学生生活を送ってきたわけではない(と思っている)が、そういえばあんなことあったな、と胸がチクチクした。

p.218「あんたくらいの子は、自分のことを世界で一番醜いと思ってるか、可愛いと思ってるか、どっちかなんだから。白雪姫の魔法の鏡が、故障しているようなもんなのよ。」

主人公の性暴力が肯定される点は確かに違和感。伊吹は大人すぎるというか、どこか現実離れした印象はあった。その点で、安易に他人に薦められる小説ではないかも。
ただ、自分の気持ちを丸ごと受け止めて、愛してあげるということに関して、勇気をもらえた。嫌なことを正直に嫌と言うことは悪いことではない。

解説 p.319「
私たちは未だ、価値観の奴隷だ。知らぬうち、誰かに与えられた価値観に寄り添って生きている。
誰かをおかしいと思うとき、それは本当に、自分の気持ちから立ち上がった思いだろうか。美しくなりたいと願うとき、その美しさは本当に、自分が心の底から思った美しさなのだろうか。
私たちは、自分たちを、本当に、心の底から認めてあげられているのだろうか。社会という化け物が作った価値観から外れないように、私たちは自分たちの切実な想いを殺してしまっているのではないだろうか。
私たちはもっと、自分を愛してあげることが出来るのではないか。
自分の中に見つけたもの、それがたとえ醜さだったとしても、私たちはそれすら愛さなければならない。なぜなら、それを含めて大切な大切な私だからだ。
」

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2026年09月30日

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女の子から少女になっていく時期の心理描写がリアルだった。中学校のスクールカーストのそれぞれのカーストの登場人物、それを取り巻く人の心理が生々しかった。

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2026年09月29日

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「クラス内ヒエラルキー」みたいなものが存在していることはなんとなく理解していたが、俺自身はその体系の中に身を浸していた実感が終ぞない学生時代を送ってきた。あんなに無邪気ではないにせよ、俺も本作の伊吹のような立ち位置にいた気がする。

そういう意味では谷沢の抱える懊悩がそれほどクリティカルなものに感じられず、教室ってそんな嫌な場所だったか?と思った。でもまあ、嫌な場所なんだろうな。俺のクラスにも不登校や相談室登校が何人かいた。相談室にプリントを持って行き、「そろそろ戻ってこいよ」などと無責任なことを言った記憶もある。

最終的に谷沢は出来合いの価値観の網目から逸脱する術を自ら探し出し、それによって自己自身を組織し直す。そしてもともと「クラス内ヒエラルキー」の外側にいた伊吹へアクセスする回路を獲得する。ヘタに自分の領分を守り続けるより、外側に出た方がよっぽど気楽で健康ですからね。

ただ、運良くはじめから外側にいられた人間と、苦痛の中から自分なりのイニシエーションを通じて外側に出てきた人間がまったく同じとは思わない。これから先、人生の過程で何らかの息苦しい体系の中に放り込まれたとき、俺は谷沢のようなレジリエンスを発揮できる気がしない。割と呆気なく死ぬんじゃないかと思う。

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2026年09月24日

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ネタバレ

小中学生たちの心理描写が巧みだっただけに、主人公の性暴力が残念だった。キスまではまだ分かるけど終盤のアレはやり過ぎ。あのブレーキのかからなさが思春期特有のものであると分かってはいても、ノイズがかかってこの小説をどう評価していいのか悩んだ。

信子は嫌いなタイプだが、彼女を綺麗だと評した主人公の気持ちは分かる。カースト上位の男子に喧嘩を売り醜態を晒しながらもめげない精神は凄い。これができる中学生は中々いない。
もっと嫌いなのは井上。ただただ下品なだけの荒木より「俺面白いこと言ってるでしょ?」が透けてる井上は生理的に無理だ。主人公が殴りかかったものの失敗したのが残念。一発痛い目見て欲しかったな。

主人公はこれからも世間一般の価値観では冴えない学生時代を過ごすのかもしれないけど、ずっと思いを馳せていた伊吹と物語のラストでああいうことできたのは勝ち組なのでは?と思った。伊吹に好意を抱いている小林にざまぁって言いたくなった。

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2026年10月04日

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ネタバレ

人間が生む醜さを凝縮して描く一方で真っ白なニュータウンと比較して進んでいく物語がずっと奇妙さを孕んでいてその奇妙さがよかったと思う
真っ白なニュータウンが舞台じゃなかったらもう少し味気ない小説だったと思う
舞台って大事だなと思った

相変わらずの表現のグロさに途中諦めようかとも思ったが最後醜い自分と周りを認めた上での立ち直りがよかった。グロい部分ももちろん描くが、ちゃんとそのグロさや醜さも弱さも含めてすごく人間臭い登場人物を真っ直ぐかけるのが村田沙耶香の良さなんだろうなと思った

自分すらも下に見ていた女子生徒がカーストが上の男子に歯向かっていくその姿を初めて自分の感覚で綺麗だと思ったと言った主人公がなにか吹っ切れたようですごく心地よかったこれでいいんだと思えた感覚が今の自分と重なった

以下引用

「その言葉で、私には輪郭ができた。誰かに言葉で触るということは、輪郭ができることなのだと思った。」

「私には値札がついてて、その数字がすごく低いんだ。でも、私、それとは関係なしに、すごく綺麗みたい」


誰かから作られたぼやけた輪郭じゃなくて自分が自分の美学を持てることを輪郭ができると呼ぶ表現が好きなのですごく刺さった

村田沙耶香には珍しく最後明るい終わりだったんじゃないかと思った。

でも村田沙耶香読むのはこれからもきっと勇気がいる。体力がいる。そこが良さかもしれないけれどまた心の準備ができたときに読みたい

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2026年09月22日

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こういうことあったよな、としんどい思い出を突きつけられた感じ。女子ってなんで、めんどくさいんだろう。私はあの集団とは違う、と見下していた自分を見ているようで恥ずかしい。

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2026年08月28日

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ネタバレ

身に覚えのあるような生々しいエピソードが多く、時折学生時代を思い出し苦しくなった。どこの学校も輪郭はきっとみんな同じなんだろう。伊吹だけは光すぎて、そこだけフィクションの世界で、物語唯一の癒しだった。

小学生時代は媚びるような性格が嫌いだったけど、諦めず立ち向かい続ける中学生の信子はかっこいいと思った。

最後は結佳が自分に正直になれてよかった。

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2026年09月16日

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主人公の女の子が、学校の中の人間関係から解放されて、自分として生きていく描写とその成長過程を比喩するかのように、しろいろの町が後半にかけて変化していく描写にラスト一気読み。村田さんの小説なのに、清々しい気持ちで読み終えられて、特に解説もまた良かった。

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

思春期の息苦しさが胸に刺さる、静かな青春小説。

少女たちの友情や嫉妬、スクールカーストなど、誰もが一度は感じたことのある感情を繊細に描いています。村田沙耶香らしい鋭い人間観察と、日常に潜む違和感をすくい取る筆致が印象的。派手な展開はありませんが、張り詰めた空気感とリアルな心理描写に引き込まれ、読後もしばらく余韻が残ります。思春期という「居場所」をめぐる痛みを静かに描いた秀作です。

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2026年07月14日

Posted by ブクログ

静かな衝撃作、にぴったり。
このタイトル意味不明、って思いながら読み始め、子どもから思春期の手前の時期が丁寧に描かれている。
タイトルはこういうことかな?と思っていたら残りラスト数ページで、こっちの体温かよ!って突っ込んでた笑 あまりにも素直で、ストレートで、よくこのこれを文章にできたなって、、いう感想ももった。
主人公は、本人はルッキングもイマイチで取り柄がないような女の子でいわゆる漫画のヒロインがいるのだとしたら、その端の端の端あたりのグループにいる子 らしい。情熱と、他者を見る目、自分を他者が見る目が冴えておりきちんと把握できてる。こんな子、意外にいないのでは?自分のこの時代、暗黒レベルだからな…。
そして幸せ者の男子伊吹くん。が、いい子すぎる。
なんとなく、こじれながらも続いて欲しいなと思った2人であり、主人公が大人になったら激しい恋とかするだろうな、って勝手に想像できるあたり、しっかり物語に浸かりました。

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2026年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終的にオナニーに終着して行くのがなんかすごく良かった。(最終章は蛇足では?)

ありもしない過去の光景が思い出されて、加害者的にも被害者としても読んでてキツかった
最近は純粋な悪人が出てこないストーリーも多い中でそういう人が出てくると、ああこっちがリアルなのかなと思ってしまう

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表現の仕方と言葉の選びが好きだと思った。
でも、最後、伊吹と関係を結ぶところは詩的すぎて
引いてしまった。正直、あの場面は必要だったのか
と疑問に思った。別の形で伊吹に対する結佳の気持
ちを消化、表現する方法はなかったのか…作家さん
がそうしたのは、それに意味があったということだ
ろうけど、もやもやしてしまう。
小中学生が持つ性への興味も、好きな人に触れたい
と思う気持ちも否定しないし、理解も出来る。
でも、美化するような表現に危機感を感じた。
結佳の性格を考えると違和感はなかったけど、つい、
子を持つ親視点で見てしまった。
叶わないけど、小中学生の頃に読んでたら、私はど
う感じただろう… 無性に知りたくなった。
伊吹は理解があり、ありのままを受け入れてくれる。
そんな友人が誰にでも一人はいたらいいなぁと思う
男の子だけど、結佳というキャラにとって、都合の
良いキャラになってる感は否めなかった。鋭い指摘
はあったものの、善良なためか人間くささがあまり
感じられなかった。

ヒエラルキーのあるクラスの状況や雰囲気がひしひし
と感じられ、結佳が解析する描写は素晴らしくて、
読んでいて息苦しささえ感じた。
中学校のあるクラスの話だけど、そうじゃないとも感
じた。社会でも、職種や地位など様々なヒエラルキー
を意識して、その価値観で過ごしてる人、そうじゃな
い人が混在している。
作られた価値観ではなく、自分の価値観で自分自身を
はじめ、全てを見る事ができたら、多少生きやすく
なると思う。それを中学生で知った結佳は幸運だ。

鋭く胸を突くような表現の中、鋭くても少し笑えて
心が軽くなるようなものもあった。
「めくれたジャージの裾とか、かかとを潰した上履き
とか、一つ一つそんな欠片を集めて、妄想を積み重ね
ていく」
「女の子は妄想と現実を絡み合わせて、胸に巣食った
発情を処理できずに、体の中に初恋という化け物を
育てていく」

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

村田沙耶香作品の中で1番好きかもしれない。

第二次性徴期を迎える少女の体と心の変化と、開発が止まったニュータウンが対応するメタファーとして描かれる本作。予算が打ち切られ途中で投げ出されたニュータウンと、想像したものとは違う形で突然成長が止まってしまった少女の身体。この秀逸な比喩と対比がこの作品の最大の魅力だ。

また、身体・教室・街が「コントロールの効かない閉じた箱」として紐づいたメタファーとして描かれる。身体は望んだ形でなくても抜け出すことのできない箱であり、教室はどんな居心地であっても卒業まで抜け出すことのできない牢獄であり、少年少女にとっての街も同様だ。

そして、そんな未熟な心と身体に宿ってしまった、恋とも性欲とも呼べない未熟な「熱」をコントロールできない谷沢が、独占欲と好奇心の入り混じった形で伊吹に叩きつけることしかできない。この描写がスリリングで痛々しく、愛おしくも感じた。

スクールカーストの描写も、読者の嫌な記憶を呼び覚ますほどにリアルで鮮明で、地獄だ。小学校まで存在しなかったカーストが中学入学と同時に突然誕生し、目に見えないのに明確に存在している。

そんな環境の中で、少女は自分の輪郭を見つける。それがこの作品の読後感を素晴らしいものにしている。一人の少女が不器用なまま大人になっていくさまを、丁寧に描いた作品だ。

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

よかった、女子のヒエラルキーの出来上がり方とか、自分が良いと思ってるもの、気持ち悪いと思うものは本当に心の底から湧き上がってくるものなのだろうか、社会で作られたものに従っているだけなのではないか?信子ちゃんのように自分の感情に従うこと、自分の価値観を大切にすることが社会を生き抜く上で必要なのかもしれないと学びになった。中学生にしてはませているとは思うが、いじめとか、ヒエラルキーの描写もリアルだった。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

村田沙耶香作品の中では比較的クセが少なく、読みやすい印象の作品。

周囲の目が気になり始める思春期の少女たちの日常が描かれるが、その裏ではクラス内のカーストや同調圧力が静かに蔓延しており、登場人物たちは息苦しさを抱えながら生きている。

「一軍」とされる存在が暗黙のルールを作り、周囲が無意識のうちにそれへ従っていく、そんな学生時代特有の空気感が生々しく描かれていて、読んでいて学生時代を思い出し苦々しい気持ちになった。

周囲の価値観に合わせ、自分を押し殺して生きていた主人公が、やがて“自分自身の価値観”を見つけ、その中で生きようとするまでの成長が丁寧に描かれている。

光と闇、陽と陰、上層と下層、正常と異常。
そうした対比構造が印象的で、思春期特有の残酷さと脆さが静かに胸に残る作品だった。

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

なんてものを書いてくれるんだ。
息苦しい物語の中でときどきぐっと心惹かれる文章が出てきて立ち止まり、そしてまた狭いニュータウンの世界に引き戻されて、その繰り返し。

クラスの“下”からみんなを見下していた、そんな経験がある人にぜひ読んで欲しい。

スクールカーストを、いわゆる下から描いた作品は少なくないと思う。身分違いの恋愛というと少女漫画のように聞こえるかもしれない。でもそんなもんじゃない。思春期にも満たない未熟な身体で芽吹いた歪で暴力的な感情を、一切誤魔化さずに書いている。
一方で、伊吹は伊吹でさすがにこんなやつおらんやろ、と思うくらいに周囲の悪意に鈍感で爽やかなやつ。伊吹の視点で語られることはなく、あくまで主人公の目を通した伊吹なのだから当然なのかも。

たとえ孤立したとしても、教室の下から外へ脱出できたなら私ももう少し学校が好きになれたかもしれない。終盤の、見える世界が一気に変わるような展開には視界が晴れていくような感覚があった。

主人公が伊吹にやったことは本当にグロテスクなことだと思っているから、結末、ふたりの行き着く先についてだけは私はあんまり好みではなかった。
徹底的に許されないままそれでも前を向いてほしかった。

気分が悪くなるのに自分の中の何かが浄化されていく、すごい小説だった。

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2026年05月14日

Posted by ブクログ

面白い本に出会うと、終わってしまうのが勿体無くなりちょこちょこ閉じながら読むのに、この本は一気に読み進めてしまった。
今迄読んだTheムラサヤワールド感を期待して読み始めたが、そうではないが、やっぱりムラサヤさんは凄いわ… 小説を書いてくれてありがとう。
西加奈子さんの解説も良かった。「価値観の奴隷」「それは本当に自分の気持ちから立ち上がった思いだろうか」「殺してないか」「たとえ醜さでも」
もっと早くに、学生時代に、気付いていたら良かった。けど今が一番若いのだ社会人になったって人間が集まるコミュニティでは往々だ。「勇気をくれたこの物語を忘れない」

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

学校内で構築されているカースト制度やヒエラルキーが物語の根底にあって、その表現がリアルを通り越して良い意味でグロテスク。描かれている幼いながらも残酷な因果応報に、解像度の高さも相まって胸が痛くなった。次のページをめくるのが恐ろしく思いつつも、どうしても読んでしまう。読者の興味を引き付ける文章力がこの小説にはあった。
多感な時期に読むにはあまりに強烈すぎる。
その時期を経てきた大人のみ読める小説だと感じた。

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2026年09月17日

Posted by ブクログ

「コンビニ人間」とは違って、
あーだこーだと簡単には
語れない作品ではある。

読みだしたら止まらないが、
読んでよかったとも、
なかなか言えない。
これを懐かしく読むか、
思春期の真っ只中で読むかでも、
だいぶ違ってくるだろう。

漫画化も映画化もおそらく無理。
だが、そんな小説があってもいい。

中学最後の1年を、
2人はどんなふうに過ごしただろう。
大人になった伊吹と結佳は、
何処で何をしているだろう。
信子はどんなに素敵な
女性になっただろう。
いろいろと気になった。

今はこういうのが三島賞なんだなぁ。
隔世の感がある。

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2026年09月10日

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