【感想・ネタバレ】噛めば脳が若返るのレビュー

あらすじ

よく噛むことが脳のはたらきにそのまま直結することが、初めて科学的に明らかとなってきた。噛めば脳のなかで最も高次な中枢である前頭前野や、記憶の中枢とも呼ばれる海馬が活性化し、記憶力も増す。とりわけ高齢者では、こうした脳の変化は顕著で、認知症の予防につながることがわかってきた。よく噛むことが認知症の予防に有効と、注目を集めている。また、認知症の症状がすでに出ている人であっても、よく噛めるようにすることで、その症状が劇的に改善する事実が多く医療の現場で報告されている。さらに、よく噛むことは脳の満腹中枢や摂食中枢に作用することで、肥満の改善、生活習慣病の改善と予防につながることがわかってきた。また、メジャーリーガーが試合中によくガムを噛んでいるように、噛むことはストレスを抑える力をもち、やる気のアップにもつながる。

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Posted by ブクログ

よく噛んで食べることの効用をこれでもかと書き尽くした本。胃腸にやさしいというだけでなく、ストレス耐性が上がる、集中力が上がる、記憶力が上がるなどの効果があることを、科学的な実験に基づいて説明している。これらの効果により、食べ過ぎの抑制による生活習慣病の予防や、認知症対策にもなるという。まあ、今までにも断片的に聞いたり知ったりしている内容がほとんどだったけど、こうやって1冊にまとめてくれたことはありがたい。
私は胃腸が弱いこともあり、昔からよく噛んで食べる習慣があるので、それが健康に繋がるなら幸いである。しかし、よく噛んで食べることには重大なデメリットがあって、本書ではそのことに触れられていないのが少し残念に思う。そのデメリットとは、ずばり「食べるのが遅くなる」ということ。一般人の1口あたりの平均咀嚼回数は10-15回ということであるが、これが本当だとすると、私は少なくともその4-5倍は噛んでいるので、時間がかかって当然である。
小学校入学以来、私はこの問題にずっと煩わされ続けており、いい加減どうにかならないものかと思う。それでも、私なりにいくつかの対処策は編み出してきた。たとえば、①食事が出てきたら一切しゃべることなく、粛々と食べることに集中する、②異なる食材を同時に口に入れることなく、同じ食材を同時に噛むようにする、③噛むのに時間のかかる食材は意図的に食べ残す、④とにかくアゴを高速に上下運動させる、などなど。特に②は重要で、固いものと柔らかいものを一緒に口に含むと、咀嚼回数が固いものに引きずられて最悪値で評価されてしまう。したがって、柔らかい食材をまとめて口に放り込み、可能な限り最小回数で噛めるよう、常に計算しながら食事を進める必要がある。
私の場合、人と同じ分量を人と同じスピードで食べたら、30分後には重大な健康問題が発生するので、食事にはとても神経質にならざるを得ない。そんなこんなで、食事は「ハードな肉体労働」かつ「タイトな頭脳労働」であり、しかもギリギリの緊張感に苛まれ、まさに「苦行」なのである。水と日光だけで生きられる植物さんが本当に羨ましいよ…。

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2012年08月05日

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